結婚式の招待状は、中身が肝心です。せっかく外観に凝って作ったとしても、内容に誤りやマナー違反があっては恰好が尽きませんよね。
ですが、結婚式の招待状の文面を作ることなんて人生の中で滅多にありません。
「どんな事を書いたらいいか分からない……」「気をつけなければいけないマナーはあるの?」そんな疑問にお答えし、結婚式招待状の文例やマナー、注意点などについてご紹介していきます!
目次
結婚式招待状に書くべき情報は?
結婚式招待状に入れるべき基本的な情報は、
- 頭語、時候の挨拶
- 本文
- 結語
- 差出日
- 差出人
- 日時
- 会場の場所
- 出欠連絡締切日
の8点です。
また、「媒酌人がいる」「会費制の結婚式」「ドレスコードがある」など、状況に応じて情報を書き加えることも。
それぞれの項目について、詳しくご解説していきます。
頭語・時候の挨拶
頭語とは文章の一番最初につける言葉のことで、「結語」とセットで使います。頭語と結語は組み合わせが決まっていますので、でたらめにならないよう注意してくださいね。
手紙のスタイル | 頭語 | 結語 |
一般的な手紙 |
・拝啓(はいけい) |
・敬具(けいぐ) ・拝具(はいぐ) ・かしこ〈※差出人が女性の場合のみ〉 |
かしこまった手紙 | ・謹啓(きんけい) ・謹呈(きんてい) ・恭啓(きょうけい) |
・謹言(きんげん) ・謹白(きんぱく) ・敬白(けいはく) |
続いて季節を表す時候の挨拶をします。こちらの例に関しては後ほどご紹介していきますね。
本文
「結婚式を開催するのでお招きしたい」ということと、「ぜひ出席してほしい」という旨を伝えます。本文の内容は、結婚式のパターンによって変える必要がありますよ。
結語
頭語と組み合わせて使う言葉で、本文の最後に記載します。
差出日
招待状は縁起がよい日に発送したほうがよいと言われています。縁起がよい日に送ったことを示すため「◯月◯日吉日」と記載しましょう。
差出人
招待状の差出人は「結婚式を取り仕切る主催者」になります。
新郎新婦の連名で出すことも多いですが、金銭負担や家同士のつながりなどの事情で、両家の親の名前で出す場合や、両家の両親と新郎新婦の連名で送ることも。
両家の親の意向も確認しておくことが大切ですので、事前に聞いておきましょう。
結婚式の日時
結婚式の日にちや開宴時間、受付開始時間を明記します。
挙式と披露宴どちらも招待するゲストと、披露宴のみに招待するゲストがいる場合は、両方に参加するゲストの招待状に、挙式への参列願いと開始時間を表記した付箋を同封します。
この場合、招待状には披露宴の開宴時間のみ書くようにしましょう。
会場の場所
会場名を記載し、住所や電話番号の他に公式WEBサイトがあれば載せておきましょう。
その他、会場までの地図や、最寄り駅からのアクセス方法、駐車場の有無の記載があると親切です。
出欠連絡締切日
招待状を発送後1カ月、遅くても結婚披露宴当日1カ月前までには返事をいただけるよう、期限を設定しましょう。
招待状には、
「ご出欠のお返事を◯月◯日までに賜りますようお願い申し上げます」
と一言添えておきます。
結婚式の内容によって招待状に追加すべき項目
結婚式の内容によっては、付け加えた方がいい項目もあります。状況に応じて、ゲストにとって親切な内容になるよう気を配りましょう。
媒酌人の名前
媒酌人を依頼した場合のみ、
「◯◯◯◯様ご夫妻のご媒酌により私たちは結婚式を挙げることとなりました」
というように、ご媒酌人の名前が分かる一文を本文の最初に加えます。
会費
会費制結婚式をおこなう場合は、招待状に会費を明記します。会費制に慣れていないゲストは、ご祝儀も用意したほうがよいのか悩んでしまうことがあるようです。
そのため、
「当日は会費制とさせていただきました」
と記載し、
「ご祝儀などのお心遣いはなさいませんようお願い申し上げます」
という一文を加えることで、ゲストも迷うことがなくなりますよ。
ドレスコード
ドレスコード指定がある場合は、詳しく明記をします。
「当日は立食パーティとなりますので 平服でおいでいただければ幸いです」
など、どのような服装でいけばよいかゲストが困らないよう、一言添えておきましょう。
結婚式招待状の文例をパターン別に紹介!
結婚式のスタイルによって、招待状の文面も少しづつ変える必要があります。パターン別に結婚式の招待状の文例をご紹介しますので、ご参考にしてくださいね。
挙式+披露宴をする場合
拝啓 立春の候 皆様には益々ご清祥のこととお慶び申し上げます
この度 私たちは結婚式を挙げ新しい一歩を踏み出すこととなりました
つきましては 皆様により一層のご指導を賜りたく ささやかながら 小宴を催したく存じます
ご多用中誠に恐縮ではございますが ご出席賜りますようお願い申し上げます
敬具
20〇〇年〇月吉日
新郎名
新婦名
日時
20〇〇年〇月〇日(〇曜日)
受 付 午後2時
挙 式 午後3時
披露宴 午後4時
会場
〇〇ホテル
(住所)
TEL 〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇
お手数ながら ご出席のご連絡を〇月〇日迄に賜りますようお願い申し上げます
披露宴のみ招待する場合
拝啓 新春の候 皆様におかれましては益々ご清祥のこととお慶び申し上げます
この度 私たちは◯月◯日に結婚式を挙げ 新生活をスタートさせました
つきましては 日頃よりお世話になっている皆様にご報告とご挨拶をかねまして 心ばかりですが披露宴を催したく存じます
ご多用中 誠に恐縮ではございますが ご出席賜りますようお願い申し上げます
敬具
※家族のみで挙式をした後、披露宴に友人や知人を招待したい場合は、「挙式をしたこと」「挙げた日にち」を記載し、披露宴を行う旨を伝えましょう。
人前挙式をおこなう場合
拝啓 風薫る候 皆様におかれましては益々ご清栄のことと存じ上げます
私たちはこの度 結婚式を挙げることになりました
つきましては 日頃お世話になっている皆様にお立ち会いいただき 人前式をおこないたく存じます
新たなる旅立ちの証人としてご列席いただければ幸いです
挙式後はささやかではございますが 小宴を催したく存じます
ご多用中 誠に恐縮ではございますが ぜひご出席賜りますよう 謹んでご案内申し上げます
敬具
※人前式とは「ゲストに証人になってもらう」結婚式です。招待状には「証人になってほしい」という旨を記載しておきましょう。
海外挙式の場合
拝啓 秋涼の頃 皆様には益々ご清祥のこととお慶び申し上げます
この度私たちは 〇月〇日に(国名)の(教会名など)にて 結婚式を挙げることとなりました
つきましては 帰国後に日頃お世話になっている皆様にお集まりいただき ささやかながらお披露目の場を設けたく存じます
ご多用中 誠に恐縮ではございますが ご出席賜りますようお願い申し上げます
敬具
※海外挙式の場合、ゲストを大勢呼ぶとお車代が大変なことになってしまうため、帰国後にお披露目パーティを行うという方も。
もし現地にお招きする場合には、通常の結婚式と同様に、挙式の日時などを記載しておきましょう。
入籍済みの場合(入籍して間もない場合)
拝啓 新緑の候 皆様におかれましては益々ご清祥のこととお慶び申し上げます
私たちは◯月◯日に入籍をし この度結婚式を挙げることとなりました
つきましては 日頃お世話になっている皆様へ ご挨拶をかねまして ささやかではございますが小宴を催したく存じます
ご多忙中誠に恐縮ではございますが ぜひご出席賜りますよう 謹んでご案内申し上げます
敬具
※入籍後すぐの場合は、ゲスト全員に入籍報告ができていないこともあります。その場合は、新婦の名前の後に()書きで旧姓を記載しましょう。
入籍済みの場合(入籍から時間が経っている場合)
拝啓 新緑の候 皆様におかれましては益々ご清祥のこととお慶び申し上げます
私たちは◯年◯月に入籍をし 新しい生活をはじめておりますが この度結婚式を挙げることとなりました
つきましては 日頃お世話になっている皆様へご挨拶をかねまして ささやかではございますが小宴を催したく存じます
ご多用中誠に恐縮ではございますが ぜひご出席賜りますよう謹んでご案内申し上げます
敬具
※入籍から時間が経っている場合は、入籍日を「◯年◯月」と明記したほうがゲストも分かりやすいです。
入籍から1年以上経っていて、ゲスト全員に入籍報告が済んでいる場合、旧姓は書かず新姓のみ記載します。
結婚式招待状はゲストに応じた工夫を加えよう!
ゲストによっては、心配りが感じられる一文を添えると印象が良くなる事も。いくつか例を挙げてご紹介します!
小さな子どもを連れての参加
小さなお子さんを連れての参加は、想像以上に負担がかかります。
十分な設備が整っていることを書き、少しでもゲストの心労を減らすような心づかいをしましょう。
会場には控え室をご用意させていただいておりますので どうぞお気兼ねなくご利用くださいませ
なお 当日ご入用のものがございましたら 会場スタッフにお申し付けください
というように、困った時の対応についても書き添えておきましょう。
余興や受付を頼んだ相手
招待状を送る前に打診をして承諾をもらうのが当然ですが、改めて受付や余興のお願いを記載します。
準備などで他のゲストよりも早く会場入りしなければならないため、集合時間を記しておきましょう。
誠に恐れ入りますが 当日受付(余興)をお願い致したく 〇時〇分までにお越しくださいますよう よろしくお願い申し上げます
なお 控え室をご用意しておりますので どうぞお気軽にご利用くださいませ
というように、可能であれば控え室の案内もしておくと親切ですね。
アレルギー確認をしたいとき
式場によってはアレルギーに応じてメニューの変更ができるほど、アレルギーに対する認識が高まっています。そのため、確認欄を設けるという新郎新婦も増えてきました。
ただし、メニューの変更ができることを前面に押し出してしまうと、相手が恐縮してしまうことも考えられますので、
当日のメニューの参考とさせていただきたく アレルギーなどでお召し上がりになれない 食材がございましたら 返信ハガキにてお知らせ下さいませ
というように、あくまでさりげなく尋ねる形にしましょう。
結婚式招待状に使える!月別:時候の挨拶
時候の挨拶とは、その季節や月に対応した挨拶のことで、頭語の後に続く礼儀文です。
あまり悩む必要はありませんが、様々な種類がありますので、なるべく式の雰囲気とマッチした挨拶を選べるとより素敵な招待状になりますよ。
月 | 時候の挨拶 |
1月 | 初春の候/新春を寿ぎ |
2月 | 梅花の候/三寒四温の時節 |
3月 | 麗日の候/春寒次第に緩み |
4月 | 春爛漫の候/若葉萌えいずる頃 |
5月 | 立夏の候/牡丹の花が咲き誇り |
6月 | 入梅の候/清々しい初夏を迎え |
7月 | 盛夏の候/涼風風邪に心地よく |
8月 | 新涼の候/空高く澄み渡り |
9月 | 野分の候/秋色次第に濃く |
10月 | 錦秋の候/菊花薫る時節 |
11月 | 初霜の候/小春日和の今日この頃 |
12月 | 師走の候/北風すさぶ季節 |
結婚式招待状を書く際の注意点
結婚式招待状を書く際には、以下のことに気をつけなければなりません。マナーに反しないよう、注意しながら文章を組み立てましょう!
句読点は使わない
終止符を打つという意味合いのある句読点は、慶事にはふさわしくないとされています。読点を入れたい場所にはスペースをいれ、文章が詰まらないようにしましょう。
段落を下げずに書く
結婚式の招待状は、段落を下げる必要はありません。なお、文章は頭揃えかセンター揃えにしましょう。
忌み言葉・重ね言葉に注意!
「切れる」「離れる」など別れを連想させる忌み言葉、「重ね重ね」「しばしば」など同じ言葉を繰り返す重ね言葉も、慶事にはNGなので注意が必要です。
例 | |
別れ・再婚を連想させる言葉 | 最後に、去る、失う、去る、終わる、離れる、別れる、切れる、嫌う、飽きる、疎遠になる、冷える、繰り返し、再び、何度も |
不幸を連想させる言葉 | 亡くなる、苦しい、朽ちる、病気、倒れる、壊れる、泣く、崩れる、滅びる、流れる痛ましい、衰える、倒れる |
重ね言葉 | 時々、いよいよ、重ね重ね、わざわざ、たまたま、いろいろ、たびたび、どんどん、だんだん、しばしば、みるみる、日々、 相次いで |
結婚式招待状の文例をアレンジして自分たちらしくしよう!
結婚式招待状に記載する文例をひと通り知ることで、自分たちなりの招待文が浮かび上がってくるのではないでしょうか。
結婚式のスタイルや、新郎新婦・ゲストの状況、結婚式の季節などあらゆるケースによって書くべき内容が変わってきますので、環境に応じた結婚式招待文にしましょう!