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神前式など、結婚式や七五三といった神社で行われる様々な行事の中では玉串奉奠(たまぐしほうてん)と呼ばれる儀式が行われます。中々馴染みがないとどのような儀式なのか想像がつきませんよね。この記事ではどうして玉串奉奠が行われるのか、気になるその意味ややり方、流れを紹介していきます。
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神前式など、結婚式や七五三といった神社で行われる様々な行事の中では玉串奉奠(たまぐしほうてん)と呼ばれる儀式が行われます。中々馴染みがないとどのような儀式なのか想像がつきませんよね。この記事ではどうして玉串奉奠が行われるのか、気になるその意味ややり方、流れを紹介していきます。
榊(さかき)には「栄(さか)える木」や「繁(さか)える木」=「サカキ」、神の世界と人間の世界の「堺にある木」=「サカキ」など、その名前には様々な由来があるとされています。光沢ある美しい葉をもち、一年中きれいになのが特徴です。
日本では昔から植物に神が宿るという考えがあります。特に尖った枝先には神様が降りてくるとして、神事には常緑植物が使われてきました。本来「榊(サカキ)」という呼び名は神事で使われる常緑樹全般のことをさし、特定の植物の呼び名ではありませんでした。しかし美しい形と色から、今一般的に使われているモッコク科サカキ属の枝が相応しいとして、それを「サカキ」と呼ぶようになったのです。
人前式でも写真のようなサカキが玉串に使われます。
物をつつしんで供えることを意味します。神のよりしろである玉串を捧げることから、奉奠(ほうてん)という言葉が使われ、「玉串奉奠(たまぐしほうてん)」と言われるのです。
目次
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神前式では新郎新婦、仲人や媒酌人、親族の代表が玉串奉奠を行います。最初に新郎新婦二人がそれぞれ玉串をもって同時にお供えをし、それに続いて仲人・媒酌人と親族の代表がお供えを行うという流れです。
ただし、神社によっては新郎新婦のみが結婚式で玉串奉奠を行うところもありますので、事前に確認をしておきましょう。また、当日仲人や親族で玉串奉奠を行う必要がある場合は、前もってお伝えをし、やり方や流れを伝てあげると親切です。
大まかな流れは下記の通りとなります。
(1)神職から玉串を受け取る
(2)神前へ進む
(3)目を閉じて神様にお祈りをする
(4)玉串を供える
(5)「二礼二拍一礼」をして終わる
各所作の部分で細かいやり方がありますので、順番に見ていきましょう。
1)神職から玉串を受け取るとき
神職から玉串を渡されるので、それを右手で根の方を持ち、左手で葉先を下から支えます。この時神職が添えている手の左側(一番外側)に自分の左手がくるようにしましょう。やや左高目に持ち、胸の高さに合わせます。
2)神前に進む際の作法
ご神前まで進んで、玉串を置く台の一歩手前でとまりお辞儀をします。
3)祈願(祈念)
神前に玉串を時計周りで立てて、神様へのお祈りを行います。幸せな家庭を願ったり、これからの二人の未来に関してのお祈りをしましょう。
4)玉串を供える
右手で真ん中、左手で根元をもちながら時計回りで根元の向きを神前に向けます。回転したら両手は葉の部分に添えるように持ちましょう。左足から1歩進み机の上にお供えをし、右足から一歩退きます。
5)二礼二拍一礼を行う
拝礼を通して、神様へのお礼を行います。参列者全員でタイミングを合わせて、二礼二拍一礼を行います。二礼二拍一礼とは、お辞儀2回・拍手2回・お辞儀1回という神社に参拝する際の作法となります。
動画サイトなどでも玉串奉奠の詳しいやり方や流れが載せられているので、不安な方は一度調べてみてください。
神前式では神社への謝礼として「玉串料」や「初穂料」を渡します。結婚式の費用とは別に渡す場合と、費用に含まれている場合とがありますので、予約時に確認をしましょう。
渡す際は祝儀袋にいれて『玉串料』若しくは『初穂料』と記載して渡します。
神前式にはさまざまな儀式があり、玉串奉奠は後半に行うことになります。順番としては下記のとおりです。
1)花嫁行列(参進の儀)
2)入場
3)修祓(しゅばつの儀)
4)祝詞騒擾(のりとそうじょう)の儀
5)三三九度の盃
6)指輪交換
7)製紙騒擾(せいしそうじょう)
8)玉串奉奠(玉串拝礼)
9)巫女の舞
10)親族盃の儀
11)斎主挨拶
12)退場
玉串を捧げることで、神様に願い伝える。これから二人で歩む道が幸せで溢れるように、そんな願いを込めた玉串奉奠。神と人との間を「榊(サカキ)」が結びつけてくれる、特別な儀式です。
「難しい所作を覚えなきゃ」と思うのではなく、「神様に想いを届ける」という気持ちで、作法をを覚えてみてはいかがですか?神様には心の中が見えます。玉串奉奠を正しいやり方で行うのはもちろんのこと、清らかな気持ちで行うことも大切です。