© iStock.com/btrenkel-1
「文金高島田」は、花嫁の髪型として歴史のあるヘアスタイルです。和婚をお考えの方なら、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
せっかく綺麗な着物を着るなら、髪も本格的に結い上げたいですよね。とはいえ、現代に生きる私たちにとって、文金高島田はあまりなじみのない髪型です。どんな風に仕上がるのか、想像ができない方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ここでは、文金高島田の種類やアレンジなどについてご紹介していきます。
目次
文金高島田とは
どんな髪型?
文金高島田とは、和婚を行う花嫁の定番となっている日本髪の一種です。
かつらを使って髪型を作るのが一般的ですが、最近では地毛で結いたいという方も増えてきているようです。その場合、前髪は鼻先程度、後ろ髪は肩甲骨あたりまであれば結い上げることができるみたいですよ。
綿帽子や角隠しを被ったり、お好きなかんざしを組み合わせたりと、アレンジの幅が無限大という嬉しい一面も持っている髪型です。
文金高島田の歴史
江戸時代に若い婦人の間で流行した「島田髷」から派生した髪型で、文金高島田が流行した元文元年の貨幣が「文金」だったことと、物価が高いこと・髷の位置が高いことをかけて名づけられたのではという由来があります。
島田髷には、「投げ島田」や「しめつけ島田」、「くずし島田」などさまざまな種類がありますが、その中でもっとも髷の位置が高く優雅だとされているのが、文金高島田なのです。
諸説はありますが、この髪型が花嫁特有の文化となったのは明治時代以降ではないかと考えられているようです。それ以前の時代では、文金高島田は上流階級の武家の花嫁しか結えない、高貴な髪型とされていました。
どんな種類があるの?
全かつら
地毛を使わず、かつらだけで仕上げるスタイルです。文金高島田をしてみたいけど今はショートカットで……。という方にはぴったりですね。
半かつら
顔周りのみを地毛で、残りはかつらで仕上げるという髪型です。全かつらに比べると生え際がより自然に仕上がり、少し小振りなため耳やおでこが出るのが特徴です。
地毛結い
その名の通り地毛を結い上げるため、ご紹介した3種類のうちもっとも顔なじみが良いのが特徴です。髷はつけ毛を使用できますので、ミディアム程度の長さの方でも挑戦することができますよ。
結い上げるだけじゃもったいない!アレンジはいろいろ
結い上げたそのままのスタイルでも十分に美しい文金高島田ですが、さらに手を加えることで優雅さに磨きがかかります。ここではその一部をご紹介していきますので、ぜひご参考にしてくださいね!
綿帽子
真綿でできた袋状の白い被り物で、白無垢とともに身に着ける装飾です。起源は室町時代とされ、江戸時代中期には大奥の女中が外出時に身に着けていました。やがては若い女性の婚礼衣装に用いられるようになり、明治以降は庶民にも広がっていったとされています。全身に純白をまとった姿は清らかさが際立ち、花嫁の美しさをより輝かしく演出します。
角隠し
表が白、裏が紅色をした帯状の布を、前髪を覆ってから後ろに回し、髷の頂上で留めるというスタイルです。「角」は女性の嫉妬や怒りを表し、嫁入り前にそれを隠す、という意味で「角隠し」という名がつけられたのではないかと考えられています。
華やかな文金高島田をより豪奢に引き立て、凛とした雰囲気を醸し出してくれます。
尾長
髷を結い上げずに束ねた髪を長く後ろに下げるスタイルで、武家の女性の最高位の髪型とされており、将軍の正室以外はやってはいけない髪型だったようです。
高い位置から垂らした髪にも装飾が施せるので、より華やかな装いにすることができます。
かつら選びのポイント
かつら選びの際、気をつけなければならないのが、かつらの大きさ、色、形、フィット感の四点です。大きすぎたり、形がフェイスラインに合わなかったりすると、かつらだけが身体全体から浮いてしまうことになりかねません。また、日本髪だから絶対に黒が合うというわけではないので、自分の顔と良くなじむ髪色を選びましょう。
上記の三点を踏まえた上で、もっとも重要なのがフィット感です。これがうまくいかないと、挙式の当日にかつらがズレるという最悪の結果をもたらしてしまう可能性があります。生え際から髪の毛が出ていないか、顔とかつらの中心にズレがないかをしっかりと確認してくださいね。
スタイリストさんと調整しながら選ぶことになりますので、違和感を抱いたら我慢せずに伝え、納得のできるかつらを見極めましょう!
文金高島田での1.5次会会場をお探しの方はこちらから
種類豊富な文金高島田
明るめの髪色で華やかな地毛結い
この投稿をInstagramで見る
純白の綿帽子で静謐な美しさを演出
この投稿をInstagramで見る
布地に鶴をあしらった角隠し
この投稿をInstagramで見る
半かつらで自然かつゴージャスに
この投稿をInstagramで見る
煌びやかなかんざしで格調高く
この投稿をInstagramで見る
和婚は文金高島田で!
最近では着物に洋髪を合わせる方も増えてきましたが、そんな時代だからこそ挑戦したい文金高島田。品のある優雅なスタイルは、より艶やかな美しさを演出してくれるはずです。自分好みのアレンジで、歴史ある髪型を思いっきり楽しみましょう!