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新婚旅行は結婚のカップルが行く旅行ですが、婚前旅行は文字通り結婚前のカップルが行く旅行です。カップルがお泊りをしたり旅行に行くことは、現代では珍しい事ではないように感じられますよね。ではなぜ、わざわざ「婚前」と強調した名前がつけられているのでしょうか?
目次
婚前旅行って?
私たち20~40代ぐらいの世代にとって、結婚前のカップルがお泊りをしたり、旅行に行くのはあまり珍しい事ではありませんよね。では一体、普通の旅行と婚前旅行の何が違うのでしょうか。それはズバリ、旅行の「目的」にあります。
カップルが旅行に行くとき、その目的は様々です。同じ景色を見たい、ふたりでゆっくり過ごしたい、もっと長い時間一緒にいたい……。ですが、それらはあくまで「ふたりで何かをしたい」という思いの果てにたどり着く行為であって、それ以上の意味は無いことが多いです。
一方、婚前旅行は「結婚」を明確に見据えた旅行という特徴があります。相手との結婚を真剣に考えていて、その意思がかなり固いとしても、やっぱり金銭感覚や価値観の差は把握しておきたいもの。また、トラブルが起きた時の対応力や、長時間一緒にいた場合の態度はどう変化するかなど、知っておきたいことは山ほどあります。お互いに実家暮らしで、あまり頻繁にお泊りをしたりできないというカップルならなおさらそう思うことでしょう。
この先の人生を共にしたいと思うからこそ、長い時間をかけて相手を知りたい。そして、相手の態度がわかるということは、同時に自分の性格も相手に伝わるということ。良いところも悪いところも知ってから結婚をしたいと考えるカップルが行く旅行、それが婚前旅行なのです。
そんな性質があるため、婚前旅行の行き先はハワイやヨーロッパなど、新婚旅行でいくような地が多い傾向にあります。ただ楽しむだけでなく、ふたりにとって大きな意味のある旅行だということが、旅行の行き先からも伺えますね。
親世代にとっての「婚前旅行」とは?
私たち20~40代の子世代の感覚としては、あくまで婚前旅行は「結婚を見据えた旅行である」というだけであって、特に大きな決心などは必要が無いように感じられます。要は本人たちの意識の問題というだけでは?と思うかもしれませんね。ですが、50~70代以上の親世代にとって、私たちの感覚は普通ではない場合があるのです。
親世代が若いころ、つまり1990年ぐらいまでは、今よりももっと堅い価値観の世の中でした。なので、当時は「婚前旅行なんて絶対に認めない!」という考えが当たり前だったようです。親世代の価値観が当時のまま、まったくアップデートされていないということは無いと思いますが、やはり大事な子どもが結婚前の相手と旅行をすると考えると、気が引けてしまう気持ちはわかるような気がします。
なので、もしも婚前旅行の報告をして反対されたとしても、あまり驚く必要はありません。ただ冷静に、「結婚を考えている相手との旅行だ」という事実を伝えましょう。ここで感情的になって言い返してしまうと、さらなる反発を生むことになりかねません。
どうしても分かってもらえなかった場合は、相手を紹介するのも手です。私はこういう人と結婚を考えていて、だからこれから旅行に行こうと思っていると説明し、相手がどんな人間かを知ってもらうことで、親の不安も和らぐのではないでしょうか。
最悪、あまりにも反発されるようなら、行かないという選択もあります。ですが、私たちももう子どもではないですし、自分の目で相手を見極めたいという気持ちもあるでしょう。なので、反対を押し切って婚前旅行に行く場合には、両親に絶対バレないよう入念な根回しが必要になります。SNSに書き込んだりするのも危険なのでやめましょう。
婚前旅行のメリット
結婚を見据えた旅行である婚前旅行。婚前旅行のメリットとは何なのでしょうか。
いざという時の対応力が分かる
チケットの手配ミスや、道を間違って見当違いの場所にたどり着いてしまったりと、旅行にはトラブルがつきものです。そんな時、相手がどんな対応をするかを間近で知ることができます。思わず惚れ直してしまうような、スマートな対応が見られるかもしれませんよ。
金銭感覚や価値観を知ることができる
結婚したら家計を共にすることになりますので、金銭感覚は知っておきたいですよね。また、長い待ち時間に対する感覚や店員への態度など、どんな価値観で行動しているかもわかります。この二つは、この先一緒に生活を送ることを考えると外せないポイントですよね。
いつもと違う環境での過ごし方が分かる
開放的な旅行先では、もしかしたら相手の知らなかった一面がわかるかもしれません。普段は寡黙な相手が、気が緩んだのかにこにことおしゃべりをし始めたり、インドア派だと思っていたのにマリンスポーツが得意だったり……。婚前旅行でなければ見ることのできなかった顔に出会えるかもしれませんね。
結婚をより強く意識する・させる
寝食を共にすることで、より強く「一緒に暮らす」という感覚が味わえます。そうすることでお互いの結婚への意識が高まり、また一歩結婚に近づくことができちゃいます!
婚前旅行のデメリット
良いことだらけに思える婚前旅行ですが、もちろん婚前旅行にデメリットもあります。相手のことを見極める事ばかりに力を入れ、自分に向ける注意力が疎かになってしまうと、思わぬ結果をもたらしてしまうかもしれません。
猫を被れというわけではありませんが、羽目を外しすぎて乱雑な振る舞いをしてしまわないように気をつけましょう。
悪いところが見えてしまう可能性がある
婚前旅行のデメリットとしては、相手の良いところではなく、むしろ悪い部分が露見してしまう可能性があるということです。長時間一緒に行動することで、相手を知ることができるということは、決して良い側面だけを持ち合わせているわけではありません。
婚前旅行がふたりにとって嫌な思い出になってしまうことや、最悪そのまま破局……。という可能性がゼロではないことも、視野に入れておくべきでしょう。
相手に幻滅されてしまうことも
先ほど、相手の悪いところが見えてしまう危険性を紹介しましたが、逆にあなたが幻滅されてしまう可能性もあります。楽さのあまり周りが見えなくなり、店員や周囲の人々に対してぞんざいな態度で接してしまわないよう気をつけましょう。
親に禍根を残してしまう危険性
しっかりと了承を得て婚前旅行に行くぶんには問題ありませんが、無断で決行したことがバレてしまった場合、後々まで両親に禍根を残してしまうことにつながります。
特に、旅先で事故などに巻き込まれてケガをしてしまった時などは最悪です。結婚という未来を見据えているからこそ、両親との関係は真剣に考える必要がありますよ。
結局、婚前旅行はした方がいいの?
婚前旅行のメリットとデメリット、両方の側面をご紹介してきましたが、結局のところ婚前旅行に行く必要はあるのでしょうか?結論としては、相手との結婚を双方が真剣に考えている場合に限り、行った方がいいと言えます。
よっぽど酷いことをされたのなら話しは別ですが、たった一度の旅行で結婚の意思が揺らぐような関係では、それなりのリスクを伴う婚前旅行に行くのは早計過ぎ。きちんと関係を深めて、「結婚はほぼ確定だけど、念のため非日常での相手も知っておきたい」というカップルが、婚前旅行に行きましょう。
「相手を見極めること、相手に見極められること」に重きを置いてご解説してきましたが、これは裏を返せば「相手に対する自分の許容範囲を知る」ということでもあります。相手を見つめ、自分を見つめる。この先の人生を共にする上で、こういったお互いの確認作業が必要だと考えるカップルならば、婚前旅行に行くことをおすすめします。
婚前旅行を思いっきり楽しんじゃおう!
婚前旅行は、メリットばかりの旅行ではありません。「結婚」という強い目的意識があっての旅行ですから、むしろ当然なのかもしれませんね。
ですが、目的さえ見失わなければ、ふたりにとって大きな意味のある旅行になることは間違いありません。婚前旅行がどんな旅行であるのかをしっかりと知り、最高の思い出を作りに出かけましょう!