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ご祝儀ではなく、最初から会費が設定されている「会費制結婚式」が、首都圏を中心に全国的に増えています。会費制では、ご祝儀を包む結婚式と着ていく服装がどう違うのか、戸惑うゲストが男女共にとても多いようです。会費制結婚式に招待された場合の服装の選び方、守るべき服装マナーをまとめました。
目次
男女共通の会費制結婚式の服装マナーとは
結婚式のスタイルとして選ばれることが多くなってきた会費制結婚式。ご祝儀を持たず参列する会費制の場合、どのような服装で参列することが失礼にあたらないのか会費制結婚式の服装マナーを見ていきましょう。
会費制結婚式の服装は基本は通常の結婚式と同じ
会費制結婚式はご祝儀をお包みするのではなく、最初から会費が決まっているパーティです。ご祝儀の相場が30000円前後であることに比べ、会費は大抵の場合それより低く設定されており、招待される会場の仕様もさまざまです。
しっかりフォーマルにコーディネートしていいのか、それでは頑張りすぎなのか。会費制結婚式は二次会とはどう違うのか。 まだ出席したことがない人が多いため、判断が見えづらくなっています。
考え方の基準としては、会費制結婚式は、結婚式の二次会ではなく、あくまで結婚式です。 お祝いの気持ちをきちんと表すために、フォーマルな結婚式のマナーにのっとって、清潔感のあるきちんとした服装でコーディネートしましょう。
服装で周囲と浮かないようにするコツ
「招待されているこのメンバーだともっとカジュアルでもいいのでは…」「会費の設定は低いようだけど会場はみんな知っているあのホテル…」というような、迷うケースが出てきます。
>全身フォーマルのマナーに合わせてしっかりコーディネートしていったら、フォーマルすぎて浮いてしまった、または顔ぶれが友人だらけなのでラフでいいと思ったら、思った以上にみんなフォーマルであわてた、ということもあるでしょう。 服装のコーディネートの基準をどのように考えればいいのでしょうか。
会費制結婚式の服装とドレスコードを判断する基準
会費制結婚式で服装のコーディネートをフォーマル寄りか、少しラフ寄りかを判断する基準で、優先順位が高いものから見てみましょう。
会場で判断する
結婚式の会場がわかったら、会場がどんな場所か調べてみましょう。結婚式のマナーを守って服装を考える、フォーマル度が高い順に並べました。
ホテル、専門式場、ゲストハウス
服装はフォーマルな結婚式のマナーを守りましょう。結婚式では一般的なセミフォーマル、インフォーマルといった、略式礼装がおすすめです。
レストラン、カフェ
マナーに関しては少し緩めです。名のあるレストランでは、インフォーマルを意識した服装がいいでしょう。通常であれば、男性はスマートカジュアル・女性はスマートエレガンスといった、仕事に行くよりも一段オシャレで華やかなパーティを意識した服装が最適です。
カジュアルなパーティスペース
レストラン、カフェと変わらない服装のイメージです。ゲストの顔ぶれはほぼ親しい友人であることが多いので、友人に聞いて合わせるのも。
ドレスコード指定あり
最近では、新郎新婦がゲストに気兼ねなくパーティを楽しんでほしいという意図で、カジュアルな服装・アイテムをドレスコードで指定するような結婚式が、会費制結婚式では多くなってきました。
会費・食事スタイルで判断する
会費の高さと食事のスタイルで、フォーマル寄りかカジュアル寄りかを判断します。
会費150000円以上:着席コーススタイル
着席で食事をとる場合は、落ち着いた雰囲気のパーティが想定されます。フォーマルなマナーに沿ってコーディネートを考えましょう。
会費15000円以下:立食ビュッフェスタイル
アットホームでラフな空気のパーティが考えられます。多少服装に遊び心があっても許容される雰囲気です。立食スタイルでの食事では、持っていくパーティバッグの大きさと、足元に注意を。
ゲストの顔ぶれで判断する
どんな人たちが結婚式に招待されているのか、顔ぶれを聞いてみましょう。親族や社会的なつながりや関係、上司など、目上の方々が多いようであれば、フォーマルなマナーを守った服装をすることに間違いはありません。 逆に、親族や上司は一切呼ばず、友人や同僚など関係性がラフで親密なゲストばかりのようなら、服装はそこまで固くなくていいでしょう。共通の友人などに、どんな服装で行くのか聞いてみるのも一案です。
新郎新婦に喜んでもらえる服装をイメージ
服装で一番大切なのは「新郎新婦をお祝いする気持ち」を表現すること。清潔感やマナーを守った服装は確かに必須ですが、パーティを盛り上げる華やかさ、お祝いの雰囲気に沿ったいろどりなど、とても大切です。新郎新婦に何を着てきてほしいか、どんな服装やテイストでパーティを盛り上げてほしいのか、聞いてみるゲストもとても多いようです。
迷ったときは「平服」で
会場を調べても、会費を見ても服装がピンとこない…決めてがない…そんなときは、俗にいう「平服」スタイルが無難です。 ここでいう平服とは、本当のカジュアルな服装ではなく、略式の正装のこと。現在の日本では、高級なレストランに行くようなイメージの服装です。
女性:スマートエレガンス
キレイめのワンピーススタイルが無難。ノースリーブの場合は、すぐに羽織れるミニジャケット・ボレロ・ストールの用意を。
男性:スマートカジュアル
ダークスーツ、またはキレイめのジャケパンスタイルが無難
会費制結婚式で女性が気をつけたい服装マナー
ここでは、最低限気を付けたいマナーをご紹介します。カジュアルな会場での会費制結婚騎式の場合でも、ドレスコード指定がない場合は基本のマナーに沿って服装をコーディネートしましょう。
服装で気を付けるべきマナー
- 白は避ける。白っぽいベージュも避けたほうが無難。
- 全身真っ黒のコーディネートはやめる。アクセサリーや小物でカラーの取り入れを。
- 毛皮・レザー・動物・死を連想させる服装は避ける。
- 夜から開始の結婚式でなければ、ノースリーブや背中・胸の開きは避ける。はおりものの持参を。
- ミニ丈は膝ジャストから膝上5~10cmまでにとどめましょう。
- デニムはドレスコード指定がない以外は基本NG。
足元の気を付けるべきマナー
- つま先が隠れるヒールがあるパンプスが最適。オープントゥ・ミュール・サンダルは季節感と会場の格式で考慮を。
- ブーツはロングブーツはNG。カジュアル度が高いパーティであれば、コーディネートに合ったキレイめのショート丈・アンクル丈はOKの場合も。
- 素足はどの会場でも避ける。ヌードストッキングが最適ですが、会場やカジュアル度によってはきれい目のソックス、網タイツなどもOK。
- 黒のストッキングは会場問わずNG。
小物と髪型で気を付けるべきマナー
- 大き目のバッグの使用はNG。小さなパーティバッグの持参を。会場へのサブバッグの持ち込みもNG。クロークに預ける。
- 髪型は必ずパーティ用にセットまたはアップを。ロングヘアのダウンスタイルは花嫁以外はNG。きちんとすることが最低限のマナー。
- アクセサリーは昼はパール・1点ポイントもの・光過ぎず控え目なものを。夜はゴールドやイミテーションでできるだけ華やかなものを。
- 花嫁とテイストがかぶるヘッドアクセサリーはNG。イミテーションフラワーや、ティアラ風カチューシャなどは気をつける。
会費制結婚式で男性が気を付けたい服装マナー
会費制結婚式の場合も、男性もセミフォーマルを基本に、一般的な挙式・披露宴に参列する際と同じ服装マナーを心がけて、コーディネートするとよいでしょう。
服装で気を付けるべきマナー
- レザー・動物を連想する柄・毛皮はNG。
- デニムはドレスコード指定があった時以外はNG
- カジュアル寄りのはパーティであればボタンダウン・カラー・ダークカラーのシャツはOKだが、フォーマルなパーティでは糊のきいたホワイトシャツで。
スーツやネクタイ選びのマナー
- スーツは、ダークトーンを基本にする。
- ネクタイを含めて全身黒になるようなコーディネートはNG。
- 新郎と被るホワイトスーツも避ける。
- ベージュを選ぶ際は、色は濃いめで。
- ネクタイは、シルバーや華やかな色合いのものを選ぶ。
- きちんと感のあるブルーは、ビジネスライクになりすぎないもので。
靴や靴下で気を付けるべきマナー
- 基本は黒のストレートチップかプレーントゥだが、カジュアル寄りの会場ではローファーや茶色の革靴もOK。メダリオンは避けたほうが無難。
- スニーカー・サンダル・ブーツは基本NG。
- スネークやクロコダイルなど、爬虫類を連想させる型押しの靴はNG。
- 靴下は黒のソックスが望ましいが、カジュアル寄りのパーティでは柄やカラーソックスもOK。
小物髪型で気を付けるべきマナー
- 大き目のデザインバックルや太目のベルトはNG。
- ビジネスバッグ・リュック・アウトドア系バッグはNG。
- 大き目のサブバッグは会場に持ち込まずにクロークへ。会場へは手ぶらか、小さめのクラッチバッグなどをコーディネートに合わせて持参する。
- 結婚式なので、きちんと清潔感のあるヘアセットを。
同じ会費制結婚式でも地域によって異なるマナー
現在首都圏を中心に急増している会費制結婚式ですが、実はもっと昔から、会費制結婚式が主流として根付いているのが北海道と青森県です。ただ、パーティのスタイルと服装のマナーは土地柄でだいぶ違っています。首都圏の会費制結婚式も含め、簡単にご説明しましょう。
北海道
北海道の会費制結婚式では、仲人や主賓がおらず、友人が発起人となって行う比較的カジュアルな意識のパーティが多いようです。服装もホテルで行う結婚式でもそこまでフォーマル寄りではなく、スーツは親族・親戚ぐらいで、男性・女性ともに普段着よりワンランクおしゃれでキレイ目、ぐらいの服装が多いそう。 新郎新婦がどんな服装であれば喜んでくれるのかを想像し、ゲスト同士で服装のフォーマル度を合わせてコーディネートを決めるのがいいようです。
青森県
お色直しの平均回数・披露宴の開催平均時間が一番多くて長い青森県。披露宴はとても華やかです。 会費制結婚式ですが、ゲストの服装はほぼフォーマル寄りです。通常のお呼ばれスタイルで、しっかりコーディネートしてパーティを楽しみましょう。
首都圏
会費制結婚式はレストランウエディングで選択されることが多く、それ以外にも1.5次会や海外挙式後のお披露目パーティなど、通常の結婚式より少しラフなイメージ寄りですが、選ばれる会場やスタイルともにさまざまです。今回の記事のアドバイスを参考にしてください。
会費制結婚式でのスーツ・ネクタイ・ドレス選びの注意点!
会費制結婚式のスタイルにおいて、参列するゲストがドレスコードをどう判断すればよいのかをここまで挙げてきましたが、男性・女性共に基本的なフォーマルマナーを守り、カジュアルすぎないコーディネートを心がけましょう。スーツやドレスを選ぶ上での注意点を、それぞれ説明いたします。
スーツやネクタイ選びの注意点
一般的なマナーと同様、新郎新婦より控えめなスタイルでコーディネートしましょう。男性の場合、スーツ選びの大きな注意点として、ビジネスライクな印象を与えるコーディネートにならないように気を付けることが大切。ネクタイの素材を高級感のあるシルクのものに変えたり、華やかな色合いのものを選ぶ、胸元にチーフを挿すなどでフォーマル度を高めましょう。
ドレス選びの注意点
ドレスの素材は、カジュアルな印象を与える綿や麻などは避けましょう。昼の結婚式であれば光沢感や透け感のないものを選びます。肌の露出の少ないデザインで清潔感を保ち、キラキラするような素材やアクセサリーは、写真撮影時に反射するなどの理由で選びません。昼の結婚式と夜に行われる結婚式では、服装マナーが変わってくるので注意が必要となります。
男女別・会費制結婚式で気をつけたい服装マナーまとめ
会費制結婚式での服装マナーは、男女共に通常の結婚式と一緒ですが、会場の様子・会費の設定金額・ゲストの顔ぶれなどで、フォーマル寄りかカジュアル寄りか判断するポイントになります。
土地柄によっても服装のマナーは変わってきますので、心配な場合はゲスト同士で服装への情報を共有しあったり、新郎新婦本人に直接どんな服装がいいか確認することもおすすめです。 結婚式での服装・コーディネートは、お祝いの気持ちを表すもの。素敵なスタイリングで、パーティを楽しんでくだざいね。