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「結婚が決まったけど、結納をすべきかどうかわからない……」とお悩みの方もいらっしゃるのでは?
結納をする人は現代でははかなり少なくなってきましたが、ゼロというわけでもありません。
結納をするかしないかで迷ってしまった時は、どのような判断をすべきなのでしょうか。
目次
結納とは
結納とは、家と家との結びつきを大切にする考え方に基づいて行う婚約の儀式です。
語源は、婚礼のお祝いの料理「結いのもの」、または、婚礼の申し入れである「云納(いい入れ)」が転じて「結納」となったと言われています。
結納の歴史は古く4~5世紀・仁徳天皇の時代ににさかのぼるとされており、それが事実であれば1400~1500年以上もの歴史があります。
プロポーズは言わば口約束でしかありませんが、結納として両家の親族や仲人とともに儀式を行うことで、正式に結婚を約束したとオフィシャルに確認できるのです。
結納は何をする?
結納は、仲人が両家を行き来し両家同士が顔を合わせずに行われる「正式結納」と、料亭やレストランで両家が顔を合わせる「略式結納」があります。
どちらの方式を取るかは人それぞれですが、近年では略式結納が一般的となっていますよ。
略式結納の流れを簡単に説明すると、
- 始めの挨拶
- 男性側から女性側へ結納品を納める
- 女性側が目録を確認し、受書を渡す
- 女性側から男性側へ結納品を納める
- 男性側が目録を確認し、受書を渡す
- 結納品交換後、婚約記念品をお披露目
- 結びの挨拶
となります。
結納のための特別な口上もあり、比較的かしこまった雰囲気で行うことになりますよ。
結納はする?しない?
「ゼクシィトレンド調査2019」によると、結納のみ、または結納と両家顔合わせ会の両方を実施したカップルの割合は、12.9%という結果が出ています。
この結果から、現代ではむしろ結納をしない方が一般的ということが分かりますね。
とはいえ、地域や家の方針などで「結納をするのが当たり前」という環境の方もいらっしゃることでしょう。
そういった状況を踏まえた上で、結納をするかしないかの判断は誰がすべきなのでしょうか?
データ参照:ゼクシィ結婚トレンド調査2019
結納をする・しないの判断は誰がすべき?
結納をするかしないかは、最終的に新郎新婦が決めることとなります。
両家のしきたり等もありますので、両親への相談は必要不可欠ではありますが、事情があって結納をしたくないというケースもあることでしょう。
結納は両家を結びつける儀式ですので、しないことでこの先の両家の関わりに角が立ってしまう場合にはやらざるを得ませんが、そうでなければ判断は新郎新婦に委ねられます。
いずれにしても、新郎新婦と両家とでしっかりと話し合って決めることが大切ですよ。
結納をしないメリット
結納をしないことで、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。まずはメリットからご紹介していきましょう。
結婚式の準備に集中できる
結婚式ほどではないにしても、
- 両家への段取り
- 会場のセッティング
- 作法に沿った結納品選び
など、結納にはそれなりの準備が必要です。
結婚式まであまり時間がない場合は特に、結納をしようとするとかなり忙しいスケジュールになってしまうことでしょう。
そのため、結納をしないことで、結婚式までの貴重な残り時間を確保することができますよ。
結納に関する両家の費用負担がなくなる
結納には、中々の費用がかかります。「ゼクシィトレンド調査2019」によると、内訳は以下の通りです。
- 食事を含めた結納式の平均費用……23.1万円
- 結納金の平均金額……93.3万円
- 結納品の平均金額……18.1万円
- 結納返しの費用(現金)……39.1万円
- 結納返しの費用(品物)……21.8万円
また、結納返しはあるものの、結納品や場所代などで新郎家側に費用負担が大きくなってしまいます。
仮に結納金を結婚式の費用に充てるにしても、結構な出費になってしまうことがわかりますね。
結納をしないデメリット
続いて、結納をしないことによるデメリットをご紹介していきます。
両家の結びつきを深める機会が減る
結納は、両家がお互いに金品を取り交わし、共に食事をすることで親睦が深まる儀式です。
また、きちんした手順を踏んだ正式な場を設けることで、社会的にも心象的にも、二人の成熟した姿と誠意を両親に見せることができます。
ですが、結納をしないとそれらの機会をすべて失うことになってしまうので、これを惜しいと思うなら結納はした方がいいかもしれません。
二度とない婚約の儀式を体験できない
結婚式と同様、結納は一生に一度の儀式です。
後になって「あの時やっておけば……」と後悔しても後の祭りですので、結納をしたい気持ちが少しでもあるなら、実施を検討してみてはいかがでしょうか。
現代では結納をしないで顔合わせ食事会をするのが主流!
現代では結納の儀式ではなく、「顔合わせ食事会」を正式な婚約の場とするケースが主流になっています。
会場は主に料亭・ホテル・レストランなどで、結納よりも砕けた雰囲気で顔合わせをすることになりますよ。
また、結納金の代わりに、婚約記念品として指輪や時計を送りあうイベントを設けたり、顔合わせの招待状を用意してフォーマル感を出すケースも増えています。
古くからの文化を踏襲しつつ、現代の風潮も織り交ぜながら、お二人らしい顔合わせ食事会にしてくださいね。
結納をするかしないかは新郎新婦が決めよう
結納をするというカップルは減りつつありますが、根強い文化として残っているのもまた事実です。
住んでいる地域や両家の方針によって絶対にしなければならない、というケースを除き、結納をするかしないかの選択は新郎新婦次第ですので、お二人が納得できる道を選びましょう。
ただし、今後の家同士の結びつきにも関わりますので、どんな判断をするにせよ、ご両親への相談は絶対に怠らないようにしましょう。