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人は見た目が9割と言いますが、結婚の挨拶に行く際の服装では決して大げさな言葉ではありません。結婚の挨拶で初めてパートナーのご両親に会う方も多いでしょう。初対面なら会話より先に服装が視覚に飛び込んでくるため、誰もが見た目で判断します。大切な日に大切な人のご両親に好印象を与える服装の選び方とは。
目次
結婚の挨拶に求められる女性・男性の服装の考え方
相手のご両親に結婚の挨拶で初めて会う場合。また何度かお会いしていて改めて結婚を決意した挨拶に伺う場合。
どちらも同じように人生の節目であり、1人の社会人としてマナーと立ち居振る舞いが求められる場です。この日に着ていく服装を軽んじてはいけません。節目の日にどんな服装をしてくるのか、ご両親は強く意識して、見ているケースがほとんどです。
相手のご両親・ご家族への敬意を服装で表す
大切なパートナーをここまで育ててくださったご両親。そして人生の先輩にあたります。これから末永い付き合いとなるご挨拶をする「始まりの場」なのですから、ご両親に最大限の敬意を込めて、二人が今後を安心して喜んでいただける服装を選びましょう。自分の着たいものを選ぶのは、二の次にしましょう。
求められるのは個性ではなくTPOに合わせるスキル
結婚とは今までのように個人の付き合いの気楽な関係ではなく、自分を通してお互いのパートナー、互いの家族まで判断される関係性になります。パートナーに恥ずかしい思いをさせない、TPO(時と所と場合)に合わせた服装選びが必要になるのです。結婚の挨拶は、そのスキルが試される、最初の場であることを意識しましょう。
結婚の挨拶の服装の選び方
大切な場で服装選びで失敗をしないための準備方法をご紹介します。
訪問予定日の3日前までには服装の最終チェックを
どんなに遅くても訪問日の3日前までには、着ていく服装・靴・バッグ・アクセサリーまで揃え、一度すべて身に着けてチェックしてみましょう。3日前であれば、万が一何か見落としや不具合があってもリカバーが利くギリギリの日数です。チェックする際に、パートナーの冷静な意見も求めましょう。
男性・女性ともに清潔感と誠実さを意識する
男性・女性共に服装選びで大切なのは清潔感と誠実さ。
万が一、服装がご両親の好みから外れていたとしても、きちんとアイロンが利いているシャツや手入れが行き届いているヘアスタイル、その日のためにおろした真新しい靴など、ご両親にお会いするために努力した姿が垣間見えれば、印象はグッと上がります。ご両親に向き合う姿勢を、服装でどう表現するかが大切です。
着ていく服がない場合は購入する
普段着ている手持ちのワードローブでは、かしこまった場に着ていくものがない。求められているものと違う気がする…と不安に思うのであれば、思い切って一揃い購入することをお勧めします。今後の結婚準備や季節のイベントの折に、ご両親やご親族にお会いする機会が増えるでしょう。また自信のない服装でお会いするとメンタルに影響し、挨拶する際の態度に出てしまう可能性があります。出費の面で誰かに借りる、というのも一案ですが、自分のサイズにあった似合った服を着こなしている自信は、こういった大切な場面では特に大きな力を発揮します。
購入の際は、きちんと試着できるショップで買うことをおすすめします。できれば安心して信頼のおける親・友人・パートナーと一緒に行くと安心です。自分が着なれないアイテムや見慣れていないカラーを試着すると、人は何でも「似合わない」と判断しがちです。まずいくつか下見して候補を決めて、まとめて試着の際に同行してもらうとスムーズです。
結婚の挨拶での服装の注意点
清潔感:基本の身だしなみを守る
清潔感は服装のアイテムのコンディションに現れます。
服のほつれ、しわ、毛玉、シューズの手入れは、特に入念にチェックしましょう。シャツはえりそでに使用感の汚れのないもので、必ず糊を利かせアイロンがけを。新規で買ったアイテムや事前にクリーニングに出したものは、きちんとタグを外してあるかチェックを。
誠実感・清楚感:安心と親しみやすさ
ご両親に初めてでも親しみやすい、と思ってもらえる服装ゃ雰囲気を整えましょう。
ファッションのトレンド要素はできるだけ捨て去り、きちんちしていることが誰にでも分かりやすい、シンプルな服装が理想です。
女性のヘア・メイク・ネイルは人前に出るのにきちんとした印象をもってもらえる、必要最低限に押さえましょう。気合いが入りすぎたフルメイクや、盛り・巻きすぎヘア、長いジェルネイルは、ファッションとしてはトレンドでも、ご両親が気後れしてしまう可能性があります。最初の挨拶の際はできるだけ自然体で、ご両親が親しみやすい範囲にとどめてください。男性もヘアスタイルのキメすぎや過剰なアクセサリー使いは避けましょう。
日常用のカジュアルなスタイルとアイテムは基本NG
清潔感・誠実さがあっても、挨拶の服装で避けてほしいのが日常使いの服装・いわゆる「カジュアルな服装」です。男女に共通するものを挙げていきます。
・デニム、Tシャツ、スニーカー
男性女性共に避けるべき素材とアイテムです。インディゴ色の紛らわしいアイテムも、挨拶の場での着用は避けたほうが無難です。
・ブーツ
男女とも、真冬でもブーツは避けましょう(雪深い地域以外)。ブーツのイメージをカジュアルだと判断する親世代はいまだに多いのです。また、ご自宅に招かれた際に、玄関でブーツの着脱で時間をかけ、ご両親をお待たせしてしまう姿はスマートではありません。
・素足
男女共に素足はNGです。ご自宅への正式な訪問の際には素足で決して上がらない、というマナーをご存知でしょうか。どんなに暑い時期でも男性は靴下を、女性はストッキングまたは季節に合ったタイツを着用しください。
・サンダル
男女共にサンダルもNGです。理由はブーツと同様でカジュアルに見えるからもありますが、素足がNGのため、素足で履くのが前提のサンダルもNGです。女性でストッキングを履いてのサンダル着用は、足元の切り替え線が丸見えとなり非常に見苦しく見えますのでやめしょう。
結婚の挨拶の服装・おすすめスタイリング:女性編
ワンピース
挨拶の定番は「きちんとシルエット」と呼ばれるボトムラインがフレアになっているワンピース。丈の長さは膝ジャストからミモレ丈がおすすめ。タイトシルエットや体のシルエットが出るラインは避けたほうが無難。ご自宅が和室で正座した際、またはソファで着席した際に、ひざ元が見苦しくなく丈が上がらないほうが、見た目だけでなく自分自身も落ち着いて座れます。ノースリーブの場合はジャケットかカーディガンを羽織って。
清楚感たっぷり定番ツイードワンピース
フィット&フレアのワンピース
ジャケットを着用する場合は、フェミニンなワンピースとのバランスを考えてコンパクトでライトなものを。
アンサンブル
お揃いの素材でカラーがそろっているものは、コーディネートしやすく上品に見えるという特性が。そのため、単品でコーディネートするよりグッと落ち着いたテイストに仕上がります。
セットアップ
お揃いのきちんと感であればスーツでいいのでは?と思う方も多のですが、女性のスーツスタイルはビジネスライクで親しみやすさに欠けるという声も。やさしさが感じられるシルエットや、パステルカラーやフリルなど、甘めのバランスで。
ブラウスorニットコーデ
すっきりと着こなしたブラウスコーデは見た目もさわやかで好感度が高いファッション。その分、清潔感が命。ブラウス、ニットのコンディションは非常に大切です。
ニットスタイル
ブラウススタイル
ノースリーブの場合は必ずカーディガンなどの派織物を持参してください。
パンツスタイル
パンツのスタイリングでは、優しい色同士の組み合わせや、ドレッシーなテイストのアイテムを一部使いで取り入れると、強さが抜けて親しみやすさが出ます。
クロップドパンツ
ホワイトカラーと指し色でキレイなパステルカラーは、パンツの辛口テイストを抜いて親しみやすい甘さに。
ワインドパンツ
トレンドのワイドパンツは、できるだけ落ち感と動きのある柔らかい素材のものを選んで、エレガンスな女性らしさを出しましょう。
アクセサリー
・ネックレス
・ピアス、イヤリング
アクセサリーは派手なものは避け、パールや一粒ダイヤなど、清楚で控え目なものが好ましく映ります。お揃いのネックレス・イヤリングのセットは落ち着いて見えるので、できるだけ素材は同じものがおすすめです。
・指輪
初めてご両親にご挨拶をして、その場で結婚の承諾を頂く形であれば、事前に指輪をもらつていたとしても外して伺いましょう。指輪を身に着けてご挨拶をすると、ご両親に対して事後承諾のような形になってしまい、不快感を与えてしまうことも考えられるためです。
すでにご両親も自分たちの仲を承知している形であれば、「婚約でいただきました」と報告するのはむしろ好ましいといえます。
結婚の挨拶の服装・おすすめスタイリング:男性編
スーツ
結婚の挨拶の際に、女性側の実家に訪問する際の服装はまずはビジネススーツが基本です。ただ、通勤にいつも使っているものであれば事前にクリーニングなど手入れをしっかりと。膝、腕の部分のテカリやシャツの襟そでなど、いつも以上に細部に気を使いましょう。
カラーはベーシックなネイビー・ブラック・グレーがおすすめです。トレンドのデザインスーツや細身すぎるタイプは避け、できるだけご両親に安心していただけるトラッドなシルエットを選びましょう。
ネイビー
ブラック
グレー
スーツ以外
最近ではスーツを着ない職業の男性も増え、スーツ以外のスタイルで挨拶に行くケースも増えてきました。夏の暑い季節などは、スーツだと暑いだろうという配慮から「スーツ以外で大丈夫です」とご両親から配慮で指定がある場合も。こういった場合には、男性の略式のフォーマルを表す「ジャケット」の着用が必須です。品があり清潔感のあるジャケパンスタイルの着こなしを意識しましょう。
ジャケパンスタイル
ジャケパンスタイル(ノーネクタイ)
挨拶の場でネクタイは必須ですが、ご挨拶に伺うご両親から「あまりかしこまらないでいつも通りの服装で」と特に言われた場合には、ジャケット着用は崩さずに、ノーネクタイでラフ感を出しましょう。いつも通りで、といわれても、間違ってもデニムやTシャツの着用はひかえましょう。
結婚の挨拶に行く服装の選び方とマナーまとめ
結婚の挨拶に伺う際の服装でパートナーのご両親に良い印象をもってもらうことは、今後のお付き合いのためにもとても重要です。男性はスーツ・女性はワンピースが基本の服装と言われていますが、清潔感と誠実さ、ご両親への敬意をもって服装を意識してコーディネートすれば、きっと気持ちが伝わると思います。