©oliveromg – shutterstock.com
家族・親族・親しい友人と身内のみで食事と歓談を楽しむ食事会スタイルの結婚式を選ぶカップルが増えています。今までもこれからも深く縁がある親しい人たちとアットホームな時間を過ごすために、手厚いおもてなしに必要な費用を知って、両家でどう支払いを負担するのか予算を事前に話し合う必要があります。
目次
身内のみに囲まれて行うお食事会ウエディング
身内とは、親族・親戚・親しい人たちを指し、血縁のつながりや日常的に極めて仲の良い身近な関係の人たちを指します。そういった近しい間柄の方々のみをゲストとして招待し、一般的な結婚式披露宴のように派手な演出はせず、あくまで食事を楽しみ歓談中心のシンプルかつアットホームな結婚式を「お食事会ウエディング」または「食事会スタイルの結婚式」と表現します。あまり派手なことはしたくない、大切な人たちだけで結婚を祝いたい…という家族のつながりを大切にしたい考え方の新郎新婦を中心に、年々人気が高まっています。
お食事会ウエディングの、結婚式の規模と内容は次のような形になります。
ゲスト人数の目安は30~40人以下の少人数結婚式
基本は家族・親族・親しい友人のみの招待で、結婚式の規模としては少人数開催といわれるパーティです。(地方や新郎新婦の考え方によっては例外的に50~80人規模の開催になることもあります。)招待する身内の範囲で、人数が変わってきます。
【招待人数の目安】
・家族のみ・・・10~15名程度
・親族のみ・・・20名~30名程度
・身内のみ・・・30名~
内容と演出はシンプルな食事と歓談中心のスタイル
お食事会ウエディングはその名の通り、食事と歓談をメインに楽しむお披露目会スタイルの結婚式のため、基本的には派手な演出やイベントは入れません。結婚式のけじめとして挙式を行う場合や、親族が一同に集まるため、会場となる料亭旅館やホテルにゲスト全員がそのまま宿泊するケースが考えられます。挙式をしないで記念撮影だけするフォトウエディングのみ、というケースを選ぶカップルも多いです。
【食事会ウエディングの内容】
・お披露目の食事会のみ(記念のフォト撮影あり)
・挙式+食事会
・食事会+宿泊
・挙式+食事会+宿泊
お食事会ウエディングにかかる結婚式費用
©DenisProduction.com – shutterstock.com
必ず必要な食事会の費用
会場使用料・・・5万円~
招待する人数・広さによって料金が変わります。また、控室やメイクルームの仕様も含まれた料金になります。
料理代・・・相場平均1人当たり約15000円
食事会スタイルの結婚式では着席スタイルのフルコースが基本になります。親族や身内など限られた親しい人たちをもてなすために、料理単価はグレードアップする傾向です。
飲み物代・・・相場平均1人当たり約4000円
飲み物は飲み放題にしても個別注文で頼んでもあまり費用は変わらないようです。サービスを手厚くするなら、頼めるメニューの範囲を広げたほうがゲストには喜ばれるでしょう。
引出物代・・・相場平均1人当たり5300円
引出物は基本は引き出物・引き菓子・縁起物の3点セットですが、関係性の深さや年齢に応じて、内容をランクアップしたり好みに応じて品物を変える送り分けを行います。お食事会ウエディングではゲスト数が少なく関係性も深いため、ゲストそれぞれに個別にプレゼントを用意するなど、新郎新婦がおもてなしに工夫を凝らすケースも多いようです。
装花装飾代・・・ブーケ代平均3万円・会場装飾費用5万円~
会場の装花費用は一般的な結婚式の平均相場は17万ほどですが、会場の規模や装飾範囲で大きく異なり、食事会スタイルの場合はゲスト数とテーブルの規模で変わってきます。
衣装代・・・ウエディングドレス26.5万円・タキシード12.6万円
食事会スタイルの結婚式の場合はお色直しはしない新婦がほとんどのため、衣装代はドレス一着分または和装一着分の値段と考えます。また、パーティの人数や規模によっては、ドレスやタキシードではなく、ワンピースやスーツといった普段より少しきれい目のフォーマルな服装を選ぶ新郎新婦も多いです。
ヘアメイク代・・・平均11万円
新郎新婦のヘアメイク・ドレスまたは着物の着付け・パーティ中のアテンド(介添え)を含む値段です。
フォト撮影代・・・5万円~
カット数やアルバム作成の有無などで値段が大きく変わってきます。一般的な結婚式の相場は21.8万円です。
お車代
ゲストが遠方から来る場合は、交通費の半額~全額を負担します。宿泊になる場合は宿泊代も負担します。食事会スタイルの結婚式の場合は、ゲスト数が少なく親族または身内が多いため、両家の両親の意見を交えてお車代をどこまで持つか判断しましょう。
挙式をした場合にかかる費用
挙式料・・・平均相場30.4万円
食事会前に挙式を行う場合は挙式料がかかります。食事会の会場内にある挙式会場を借りて挙式する場合と、神社や街の教会で挙式したあと、移動して食事会を行うケースがあります。
【挙式にかかる費用の目安】
会場内併設の別会場挙式・・・40万円
教会でのキリスト教式・・・33.8万円
神社での神前式・・・21.4万円
人前式・・・28.8万円
ゲスト交通費
挙式会場と食事会の会場が離れている場合、ゲスト移動のためにタクシーまたは送迎バスを手配するため、そのための費用を見ておく必要があります。
フォト、動画撮影代・・・相場目安5万~20万
挙式の様子を撮影したい場合は、食事会とは別途費用がかかります。
その他かかる費用
動画撮影代・・・相場目安5~20万
食事会の様子を動画で残したい場合は、オプションで動画撮影を会場に依頼するか、自分で撮影業者に依頼する必要があります。
司会者料金・・・相場目安3~10万
お食事会ウエディングはほぼ親しい人たちのみの少人数結婚式のため、司会進行は新郎新婦が行うことが多いのですが、規模が少人数とは言えなくなってしまったり、新郎新婦が司会が苦手なとの理由で司会者を依頼することもあります。ゲストの中でトークがうまい人に司会をお願いする場合は、お礼のお車代(相場2万円~)をお包みします。
ウエディングケーキ代・・・相場目安1000~1500円×人数
お食事会ウエディングのプログラムに結婚式らしいイベントを取り入れたいということで、ケーキカット用にウエディングケーキを発注する新郎新婦もいます。
お食事会ウエディングの結婚式の費用負担方法
©BlueBoeing – shutterstock.com
「結婚式総費用-ご祝儀総額=自己負担」という考え方は通常の結婚式と変わりませんが、食事会スタイルの結婚式のゲストは家族・親族・友人のみのケースが多いため、両家の親が援助を申し出るケースが多いようです。また、両家の親族ゲスト数に差がある場合は、飲食代はそれぞれの家サイドで支払いを負担など、両家の話し合いが大切になってきます。負担方法としては、次のような考え方があります。
方法1:費用の総額を完全に両家で折半で負担
結婚式は「家と家とのつながり」という意識が双方で強い場合は、結婚式費用にかかる総額をすっきり折半にする、という方法がとられるようです。
方法2:家ごとに新郎・新婦にかかる費用を負担
こちらは、それぞれの親戚の出席数や新郎新婦それぞれのゲスト数に応じて、「本人とその親族にかかる部分は家ごとに金額を算出して負担する」というものです。費用を項目に分けて、分担と割り方を決めていきます。
新郎新婦それぞれが必要とするものを自分で出す
衣装などは新婦のほうが単価が高くお色直しの回数などで費用がかさむことが多い項目です。またヘアメイク・エステや前撮りなど新婦が希望する項目に関しては新婦もちとすることが多いようです。
ゲスト数に両家で差がある場合はゲスト割合で負担
招待ゲストの数で、新郎サイドと新婦サイドが招待したそれぞれのゲストの飲食代やギフト引き出物代など、ゲスト数分で負担します。
方法3:どちらかが費用を多めに負担する場合
それぞれの家庭の事情や貯蓄額などに合わせて、どちらかが多めに持つ場合も多いようです。
新郎・新婦のどちらかが多めに負担
貯蓄額や給与額に合わせ、新郎サイドが多めに負担することがいまだ多いのが現状です。
花嫁の衣装が高額だったり、準備等でやりたいことやオプションを強く望む場合は、その分を花嫁サイドの親が多く持つ場合もあります。
諸事情でワンサイドが全額負担
最近はこのようなことは少なくなっているようですが、地域や家庭の考え方によっては、結納を行わない代わりに新郎側が全額負担する、などの考え方をする場合もあります。
お食事会ウエディングのご祝儀の相場目安とお礼
現在の日本のご祝儀の相場の目安です。親族や身内のみの食事会ウエディングでは、ゲストが非常に身近な人たちばかりのため、多くのゲストが一般的な相場目安の3万円より多く包んでくれることが予想されます。
お食事会ウエディングのゲストのご祝儀目安
【ご祝儀の目安】
自分たちと同世代の親族・・・3万
親世代の親族・・・5万~10万
祖父母・・・5~10万
兄弟・姉妹・・・3~5万
友人・・・2~5万
ご祝儀のお礼とお返し
ご祝儀へのお礼は基本は引き出物がお返しになります。
親族との関係性や年齢から、多く包んでくれると予想が立つゲストには引出物のランクを上げたり、1~2品多くする送り分けをして気持ちを表すのが一般的です。
ただ、ご祝儀の相場とはあくまで目安。実際は相場より多い・少ないはあるでしょう。
予想以上に多く包んでくださった方へは、引出物以外に相場金額からの差額を1/3~半額程度お返しする必要があります。
ずっと付き合いのある身内のみの結婚式だからこそ、ご祝儀へのお礼は丁寧に、感謝の気持ちを込めてお返ししましょう。
お食事会ウエディングの結婚式スタイルと費用まとめ
食事会スタイルの結婚式「お食事会ウエディング」で招待するゲストは、家族・親族・親しい友人など、身近な人たちのみの少人数で開催されることがほとんどです。費用はゲスト数・結婚式の内容・おもてなしの度合いによって変わってきます。食事会のみを行う場合と挙式も行う場合では、費用も大きく変わります。これからもずっと縁がある方々をゲストにお招きするからこそ、両家で費用負担と支払いについて、事前の話し合いが大切です。