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結婚式の会場を決定する際、特に重視したポイントで料理を挙げるカップルの割合は、なんと下見段階で62.5%、決定時は58.1%にのぼるアンケート結果が。料理はゲストが最も楽しみにしていると考えられるため、手を抜けません。結婚式の料理の決め方の参考例に、値段相場と平均的なコースの品数を知っておきましょう。
データ参照:リクルート ブライダル総研 結婚トレンド調査2017
目次
結婚式でゲストに出す料理の値段相場
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結婚式に出す料理を重視するカップルがとても多いのは、ゲストにとって「いい結婚式だった」と感じる満足度に料理の感想が直結するから、という理由があります。料理の素材や見栄え、味によって大体の値段の検討がついてしまうため、結婚式のさまざまな費用の中でも特に値段の相場や、平均的なコースの品数を意識する人が多いようです。決め方の参考になるよう、一般的な相場をまとめました。
結婚式の料理の金額相場
結婚式のコース料理の一般的な金額目安はご祝儀相場の半分である15000円と言われていて、比較的この価格帯のクラスを選びやすい中間ランクとして設定している会場がほとんどです。
【結婚式の料理の1人当たり平均金額】
・全国の平均相場・・・15100円
・首都圏の平均相場・・・15800円
コース料理の王道であるフレンチや、素材の状態がわかりやすい和食は料理をランクアップするカップルが多い傾向で、全体的に料理の単価が上がっています。
反対に、和洋折衷料理やイタリアン・中華料理はボリュームが多く、カジュアルなビュッフェスタイルで選ばれることも多いため、平均金額が下がる傾向です。
【料理の種類別1人当たり平均金額】※首都圏の平均
・フレンチ・・・16100円
・和食・・・16400円
・和洋折衷・・・14900円
・イタリアン・・・ 14700円
値段の平均相場は会場によって変わる
会場の格式や設備状況、ブランドネーム等で料理の値段相場は変わります。特にホテルやゲストハウスはもともとの料理の金額が高めの設定ですが、フォーマルな結婚式を望むカップルに選ばれる会場のため、ゲストへのおもてなしをより重視して相場以上にランクをあげる傾向です。
一方で、料理を楽しむための専門設備であるレストランでは、同じコース内容でもとの金額設定が低いことと、カジュアルな結婚式を選ぶカップルが多いため、料理の金額相場が下がる一因になっています。
【会場別の料理の1人当たり平均金額】※首都圏の平均
・ホテル・・・16000円
・レストラン・・・14400円
・専門式場・・・15600円
・ゲストハウス・・・16600円
結婚式の料理の提供形式
約98%のカップルが着席スタイルを選択しており、ゲストがゆったり食事を楽しめる環境を整えています。首都圏など会費制結婚式や1.5次会などのカジュアルウエディングの選択肢が増えている地域では、アットホームな立食スタイルを選択する率も増加傾向です。
【結婚式で選ばれる料理の提供スタイル】
・着席コース・・・94.2%
・着席ビュッフェ・・・3.2%
・立食ビュッフェ・・・0.8%
提供形式がビュッフェスタイルの金額相場は、パーティの規模や開始時間にもよりますが、料金的には1人5000円から、結婚式としての体裁を考えるのであれば7000円~15000円の範囲内で選ぶことが多いようです。
結婚式に選ばれる料理の種類
結婚式では、どんな種類の料理が選ばれているのでしょうか。コース料理の王道であるフレンチから、最近の和婚ブームで人気が増加傾向の和食まで、それぞれの料理の特徴をまとめました。
フレンチ・・・50.6%
おもてなしの王道コースとして、どの会場も用意があるフレンチ。コースの品数が多いため、肉・魚・野菜とどの年代のゲストもバランスよく食事を楽しめます。王道だけにハレの場で多く慣れ親しんでいる分、メイン料理の食材に注目する人が多いため、海老や肉の食材選びには配慮が必要です。また、食事とともにお酒の種類を変えたい人が多いのも特徴。飲み物の種類は(ワインであれば赤・白・スパークリングなど)できるだけ多めに選べるよう配慮を。
和洋折衷・・・28.1%
フレンチと和食・中華と和食など、結婚式のゲストの顔ぶれに合わせてコースに変化を付けられるのが大きな魅力。また、マナーを気にせず箸を使って食べられるというのもゲストにとっては気が楽です。最近では和と組み合わせる料理の種類が選べるというコースを用意している会場もあります。ゲストの年齢や好みに合わせ、きめ細やかな配慮ができるような工夫ができます。
和食・・・6.8%
和装・和婚ブーム、また世界文化遺産登録で注目度が高くなっている和食。伝統的な婚礼の料理で縁起がよい由来のものが多く、繊細で華麗な盛り付けの技術は目で楽しむこともでき、ハレの場にぴったりな料理です。箸で食べられる、日本酒も楽しめる…と日本人にとっては特に馴染みが深く、ゲストが気兼ねなく楽しめます。
イタリアン・・・4.0%
コースの品数は少なくてもコース内のパスタやリゾットの提供でボリュームが多い料理のため、若い人を中心に深い満足感を与えられる内容です。またフレンチよりカジュアルなイメージですが、調理技術によっては十分高級なコースとしても対応できる、ふり幅の広さが魅力です。日本人にはなじみが深いため、気負わず食事を楽しめます。
中華料理・・・0.8%
高級中華がおもてなし料理として結婚式のテーブルを華やかに彩ります。コースは点心を中心に10品以上と、多彩なメニューとボリュームでゲストを喜ばせてくれます。本格的な中華料理は円卓を囲んでの食事スタイルのため、家族婚や少人数ウエディングなど、本当に親しい人たちと会話を中心に楽しむ結婚の席で選ばれることが多いようです。
その他の西洋料理・・・3.9%
その他にスペイン料理や洋風のエスニック料理など、現在では新郎新婦の選び方によって個性的な種類の料理をゲストに楽しんていただくことが可能です。
結婚式の料理コースの平均的な品数と内容
結婚式で出される一般的なコースの内容例を紹介します。5~10品で構成されています。
イタリア料理は6品と一見少なそうですが、一皿一皿とパスタにボリュームがあります。またハーフコースで5品という設定のフレンチコースがありますが、パーティの時間帯やゲストの年齢によってはフルコースが厳しい、という考え方で選ばれることが多いです。品数が少ない分、一品一品をグレードアップする、ボリュームを多くするといったことで満足感を高めることが可能です。
コース料理は会場側との相談で一品減らして量を調整したり、逆に一品多くしたり、全体をランクアップするのではなくメイン料理のみランクアップなど微調整が可能です。現在は料理に力を入れている会場が多く、オリジナルメニューや旬の素材を使った特別メニューを考えることができる場合も。
コースの内容はブライダルフェアや試食会で確認できますので、内容をよく吟味してゲストに合わせたコース内容と品数を調整しまょう。
フランス料理:9品
(1)アミューズ 突き出し
(2)オードブル 前菜
(3)スープ・パン
(4)ポワソン 魚料理
(5)ソルベまたはグラニテ 口直し
(6)アントレ 肉料理
(7)チーズ
(8)フルーツ
(9)コーヒー・プチフール コーヒーと小菓子
和洋折衷料理:9品
フランス料理との和洋折衷例※太字は和食への変更箇所
(1)アミューズ
(2)前菜⇒お造り
(3)スープ⇒お椀(汁物)
(4)お魚料理
(5)お口直し⇒お凌ぎ(うどんなど)
(6)お肉料理
(7)パン⇒ご飯(赤飯など)
(8)デザート
(9)コーヒー
日本料理:9~10品(会席料理の場合)
(1)先付 突き出し
(2)椀物 薄口のお吸物
(3)お造り 旬の魚を使ったお造り(刺身)
(4)焼物 季節の魚や海老、まれに肉類
(5)酢の物 箸休め
(6)炊合 季節の野菜などの煮物
(7)蒸し物 茶碗蒸し
(8)揚物 季節の野菜、海老など
(9)食事 ご飯・味噌汁・香物
(10)水物 食後の果物
イタリア料理:6品
(1)アンティパスト 前菜
(2)プリモ・ピアット 1つ目のメイン料理・パスタなど
(3)セコンド・ピアット 2つ目のメイン料理・肉か魚
(4)付け合わせ サラダが一般的
(5)ドルチェ デザート
(6)エスプレッソ 食後のコーヒー・苦いエスプレッソが一般的
中華料理:9~10品
(1)前菜 基本的に冷たい料理
(2)湯 温かいスープ
(3)主菜 最初のメイン料理。魚介、肉、野菜などが3~5品
(4)主食 2回目に運ばれるメイン料理。麺・ごはんもの
(5)点心 食事の締めくくりの軽食。1~3品
(6)デザート
結婚式の料理の値段相場と平均的なコースの品数のまとめ
結婚式でゲストにお出しする料理がおもてなしの上でとても重要なのは、結婚式の印象を左右する大きな要因につながるためです。一般的な金額の相場、料理の種類、コースの内容などを知っておくと、会場下見の際の試食や、会場側に見積もりを出してもらう時の判断基準になります。
今は料理を重視する会場が増え、メニューの選び方やコースの決め方にもかなり幅が広がってきています。ゲストに美味しい料理でパーティの時間を楽しんでもらうために、料理の決め方は配慮と心遣いを忘れずに。