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結婚式に必要なアイテムや人件費は高額ですが、初めて経験する人がほとんどなので、費用について何も知らないまま下見して契約してしまったり、お祝い事なので値引き交渉しづらい人が多いのです。契約前に値引きできないか確認する、契約後は最終見積もりから値上がりしないようにすることが、値引きの交渉ポイントです。
データ参照:リクルート ブライダル総研 結婚トレンド調査2017
目次
結婚式費用の値引き交渉前に確認しておくこと
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結婚式の費用の確認と値引き交渉は、会場側と「契約前に行う」ことが大前提ということを覚えておいてください。
近年は結婚式場の口コミサイトで「打ち合わせで値引きしてもらった」という情報や「費用明細」がすぐに流出してしまうことが多く、一回契約したことを覆すと他のお客様からクレームになりかねないため、会場担当者は契約後の値引きや割引にはかなり慎重な姿勢です。
また会場側が提示する料金に対し、やみくもに「値段を安くしてほしい」と交渉しても無理な相談ですし、二人に対して会場側の印象はいいものになりません。
契約前に最大限の値引き交渉をするためには、対象となる会場の料金システム・特典・結婚式の費用がどう成り立っているのか内訳を事前に調べて知っておく姿勢が大切です。
二人が結婚式で出せる費用は事前に明確に
会場側との値引き交渉の前に、二人が結婚式費用として一体いくら出せるのか、いくらまでに収めたいかという上限金額のボーダーを明確にしておきましょう。出せる費用が明確だと、会場側は値引きや割引する費用項目について検討しやすくなります。
二人の預貯金
本人たちの預貯金が結婚式費用のベースです。最終支払いはご祝儀や親の援助からの支払いが可能ですが、事前に準備する物・購入にかかる費用や予約一時金などは二人の預貯金から支払いますので、余裕を持った目安が大切です。
親からの援助
結婚式に親から援助してもらったというカップルは、76%にのぼります。親・親戚からの援助の見込みがあるなら、事前に話し合いをして援助額の見込みを立てるか、検討している会場の費用について相談し、どの程度まで出してもらえるかきちんと話し合いましょう。
ゲスト数とご祝儀の見込み
会場側が見積もりを作成したり、値引きや特典利用を検討する上で、ゲスト数は非常に重要です。また、ゲストからいただくご祝儀の見込みは結婚式準備に使える費用に直結します。招待ゲスト人数が下見の際の見積もりから見込みが大きく変わると、その後最終見積もりに大きく影響するので、できるだけ現実的なゲストのリストアップを事前に行いましょう。
結婚式の値段のトップシーズン・オフシーズン
結婚式のパーティを行うのに最適で人気が集中する季節と、さまざまな理由から人気のない季節があります。人気シーズンに結婚式をあげたいと思っている場合、当然他にそこで式を挙げたい人が大勢いるので、競争率は高くなり契約前の値引き交渉や特典利用は難しくなります。迷っている間に日取りを押さえられてしまうケースも多いのです。
じっくり値引き交渉をしたいと考えるなら、会場が空いているシーズンを狙うほうが現実的です。他に会場側に出せる費用を申し出て、その費用でランクアップ可能な適したシーズンを提案してもらうといった方法もあります。
結婚式のトップシーズン
4月・5月の春
10月・11月の秋
結婚式のオフシーズン
1月・2月の冬
7月・8月の夏
二人が結婚式のこだわるポイントの優先順位
結婚式でどんなパーティがしたいのか、何にこだわるのか、必ず事前に二人の意見を出し合っておきましょう。
パーティの演出や自分達にかかわること
結婚式で二人が行いたい演出・イベント・装飾・衣装などで、やってみたいことやこだわりがあれば、事前に話し合って意見を出し合い、特にゆずれないポイントは明確にさせておきましょう。自分達の理想を実現するためには、さまざまなアイテムの準備が必要になるため、費用項目として盛り込んだ見積もりが必要です。通常は演出や装飾費用は見積もりにほとんど含まれていないため、こちらから申し出る必要があるのです。
ゲストにかかわること
ゲストにパーティでおもてなしする料理・飲み物・引き出物などギフトは、ゲストの結婚式の印象や心象にかかわるため、節約やランクダウンには向きません。クオリティを下げない方向がおすすめです。もし値引きしてもらう場合は、ランクを下げずに特典や割引が使えないか、お酒等ドリンクの持ち込みができないか、など、会場側からアイデアを聞きましょう。
結婚式会場契約前に行う値引き交渉のコツ
結婚式の費用の値引き交渉は、先に述べたようにおおよそは会場と契約する前にほぼ決まってしまいます。最終見積もりでOKしたら、後で契約の内容を変えたいと思っても難しいため、会場下見前に費用について話し合う材料をこちらが作って臨みましょう。
【契約前のコツ1】会場見学の本命は最後に行く
他会場との見積もりと比較
下見は1件で決めてしまうカップルもいますが、多くの人は何件か会場を回ると思います。まずは他に気になる会場から先に行き、本命の会場は最後に行くよう段取るのがおすすめです。本命会場と交渉する前に他の会場の費用を知っておくことは、結婚式の費用の内訳を知る上で勉強になりますし、会場によってはどうしてこんなに費用が変わるのか、冷静に理由を聞くことで交渉する時の目安になります。
一件目予約の特典が使えることも
会場側ではできるだけ契約をスムーズに行いたいため、「一件目予約特典」という割引サービスをつけていることがあります。会場使用料がサービスになるなど大幅な値引きが期待できることが多いため、その特典を他の割引サービスと併用してもれなく使うために、見落としがないよう本命に近い会場は後から行くことをおすすめします。
【契約前のコツ2】会場側が一年間で行っているフェアや割引特典をチェック
【チェックポイント】
・WEBサイトや会場紹介サイトで現在使える特典のチェック
・割引・特典の併用は可能か
・契約シーズンのお得な時期
・会場側の過去の明細や割引もチェック
会場紹介サイトによって使える特典が違うことがありますので、複数サイトをチェックしましょう。また口コミサイトにある明細で過去の割引を確認して、本命会場の料金・費用の特色を知っておくこと、その情報を値引き交渉に使えることがあります。
【契約前のコツ3】会場側の持ち込み規定・持ち込み料の確認
結婚式に必要なアイテムで、持ち込み、外注できる範囲の確認を行います。また、友人にお願いする場合の持ち込み料はかからないことが多く、契約後の節約アイデアやこだわりを実現する手段として、できるだけ詳しく確認を取っておきましょう。
持ち込みや外注での節約例についてはこちらから
結婚式費用で後悔したくない!失敗しない節約ポイントとアイデア
契約後に行う値引き交渉コツ
【契約後のコツ1】打ち合わせのたびに見積もりを確認する
会場契約の際の最終見積もりから上がる場合
準備のための打ち合わせを行ううちに、契約時の見積もりより料金が上がったカップルは約80%です。ほとんどが上がってしまいます。これは最初の契約時に見落としていた費用項目があることと、準備を進めていくうちに、サービス内容をより良い方へグレードアップしてしまうためです。特にゲストの料理・衣装・写真ビデオ撮影は半数以上の人がランクアップしています。
結婚式費用の二人の上限金額を都度確認する
自分達の決めた上限金額は必ず契約時に会場担当者に伝え、それを超えないように交渉することが肝心です。見積もりが超えそうになった場合は、こだわりの優先順位の低い項目から費用を見直します。全体の費用をどうやったら削れるか、内訳について思い切って担当者に率直かつ正直に相談するのも一案です。
【契約後のコツ2】会場側が提案した演出・装飾案件は一度持ち帰る
会場側はより良い結婚式にするために、契約後にいくつかアイデアを提案してくれます。結婚式のプロが提案してくれることなので、多くはとても魅力的な内容なのですが、そのためにはやはり費用がかかります。その場で決定せず、一度二人で持ち帰り、冷静に内容を検討して本当に必要かどうか、金額と見合っているかどうかを確認しましょう。
【契約後のコツ3】持ち込み・外注と会場側どちらのコスパが良いか比較検討する
会場側に頼むより他の業者に頼んだほうが、同じクオリティで値段が安く済みそうなものは持ち込み・外注を検討しましょう。契約前に持ち込み料金を確認することが、ここで生かされます。持ち込み料がかかっても安く済む費用項目もあるのです。ただ、中には手配の手間や料金がかさみ、会場側に頼んだほうが結果的にお得だったというケースがあるので、比較検討は慎重に。
【契約後のコツ4】会場側主催のアイテムフェア・ワークショップに参加する
アイテムフェア
契約後に割引や値引き交渉ができるチャンスとして、会場側が主催するアイテムフェアに参加するという方法があります。会場側が提案する結婚式に必要なアイテムを一同に見学でき、複数アイテムを同時に決定することでグループディスカウントが効くというフェアです。積極的に利用しましょう。
ワークショップや交流会
会場側が主催する花嫁交流会やワークショップに参加して、他の新郎新婦と交流することで、節約や値引きの意見交換や、特典情報を知ることができたという意見もあります。
結婚式会場側が特典や値引きしやすい費用項目
会場側が値引きしやすい費用項目
会場側が自社で管理・提供しているサービスの料金は、交渉の際の値引き・フェア割引・ランクアップ特典にしやすいことが多いのです。契約前に交渉する中で、費用の優先的な見直し項目として話し合うことができます。
会場、挙式会場使用料
一件目契約の特典や値引きの対象として、会場・挙式会場の使用料をサービスにしていることがとても多いです。他の会場と比較して話し合いをしてみるのも一案です。
料理・飲み物料
乾杯酒、ウエルカムドリンクのサービス、料理のコースランクアップなどが特典としてついたり、値引きの対象になることがあります。
サービス料
飲食代にかかるサービス料を交渉次第で無料にしてもらうか、または値引きを受けられることがあります。
衣装料
衣装料はお色直しや新郎衣装無料など特典を受けやすいものの、選べる範囲が限られたりすることが多いようです。衣装はこだわりたいと考える新郎新婦が多いため、選べる範囲のグレードを上げてもらえるかどうかや、衣装の値引きではなく他の項目での値引きを検討する、衣装の持ち込み料がかかる場合は持ち込み料を値引きできないかなど、こだわり度によって無理のない範囲で自分達にあった内容で検討しましょう。
持ち込み料
持ち込み料金とは会場側で用意している結婚式用アイテムを、自分達で他の業者が用意したものを手配して持ち込む際にかかる規約料金です。衣装やギフト類を持ち込む時には「保管料」という名目になっていることもあります。持ち込みたいものがすでに決まっていたり、今後準備する上で節約する可能性がある場合は、契約前に持ち込み料金がかかるか、かかった場合はサービスしてもらえないか話し合っておきましょう。持ち込み料サービスができない場合でも、会場側のアイテムのランクアップや衣装の選べる範囲を広げる特典をつけてくれることがあります。
プロジェクターや音響使用料
会場サイドにある演出用のプロジェクターや音響設備は、もともと無料の会場と有料の会場があります。有料の場合は比較的特典対象や、値引きの対象になりやすい項目です。
会場側が値引きが難しい費用項目
会場側が他社や他業種に依頼しているサービスは、割引きや値引きは難しくなりますので、費用を押さえたいと考える場合はサービスのランクを下げるか、外注での持ち込み検討が必要です。ただ、 そもそも持ち込みが難しい業者があります(装花業者やヘアメイクなど)。また、持ち込み料金がかかっても安く済むケースもあります(司会やカメラマン)。
【値引きが難しい費用項目一覧】
・挙式人件料
・司会料
・写真、動画撮影料
・装花・装飾料
・ヘアメイク、介添え料
結婚式費用を値引き交渉するコツと見積もりの大切さのまとめ
結婚式の費用で値引き交渉するには、下見の話し合い前に自分達がどれだけ具体的に結婚式のイメージができているかが大切です。
口コミなどから会場側の費用の大体の目安や料金体系を調べましょう。現在用意しているフェアや特典などを知っておくことで、見積もりを出してもらった際にその特典が使えるかどうかの確認も取れます。
値引き交渉はただ「値引いてほしい」という姿勢ではなく、「この金額で結婚式をしたいが、その中でできるだけいい式を挙げたいので、使える特典や割引きのアイデアを教えてほしい」という姿勢で、会場側の担当者やプランナーに一緒に考えてもらい、アイデアを出してもらう、協力してもらう姿勢で臨みましょう。
もし契約した場合、その会場とは長いお付き合いになります。人生で最良の日をプロデュースするお手伝いをしてもらうのです。より良い関係性を築くように配慮しましょう。