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日本の伝統的な衣装といえば着物ですよね。古くから受け継がれてきた着物は現代の結婚式でも人気が高く、和装での結婚式を希望する新郎新婦も多いようです。
しかし、和装といってもその種類は様々で、どんな着物を選べば良いか迷ってしまう人も少なくないでしょう。
そこで、結婚式で日本らしい着物を身につけたい方のために、京都の伝統工芸を生かした和装についてご説明します。
さらに、京都の着物に合う結婚式のスタイルやエリアもご紹介しますので、理想の和婚を叶えるための参考にしてみてくださいね。
目次
結婚式で着物を着たい!
和装で結婚式を挙げたい方、結婚式のお呼ばれに着物を着たい方など、日本らしい衣装に興味を持つ方も多いと思います。
着物は日本文化の象徴であり、花嫁衣装としてはもちろん、参加ゲストが着用することで結婚式をより華やかに彩ってくれるものです。
せっかく結婚式に着物を選ぶなら、日本の伝統に触れるものを身につけたいと思いませんか?
伝統美が息づく京都に焦点を当て、和装における京都の伝統技術についてみていきましょう。
和装における京都の伝統工芸
着物をはじめとする和装には京都の伝統技術が生かされています。京都の和装を代表する伝統工芸品の特徴と魅力についてご紹介します。
西陣織(にしじんおり)
京都の伝統ある織物として名高い「西陣織」。
西陣織の特徴は多品種少量生産方式がとられていることで、美しく染められた色糸の鮮やかさと、多彩な糸を使って織り出される文様が魅力の織物です。
西陣織の品種には、綴、綿、緞子、朱珍、風通、綟織、本しぼ織、ビロード、絣織、紬など、数多くの種類があります。
京鹿の子絞(きょうかのこしぼり)
絞り染めの中でも代表的な絞りとされる「鹿の子絞」。くくりの四角い模様が子鹿の斑点模様に似ていることから鹿の子と呼ばれるようになりました。
遠くから見ると無地のようにも見えますが、近づくと点描画のように細かい絞りが施され、その精緻さや立体感の表現は他にはない美しさです。
中でも京都で生産された鹿の子絞のことを「京鹿の子絞」といい、高い品質と技術が評価され、絞り製品の中でも最高級品とされています。
京友禅(きょうゆうぜん)
友禅染めとは日本を代表する染色法の一つで、糊で模様を描きその上から絵筆で彩色した後、蒸しや洗いなどを行います。
京都で生産されるものを「京友禅」、金沢で生産されるものを「加賀友禅」といい、多色使いの鮮やかさや絵画的な絵柄と模様のグラデーションが特徴的です。
京小紋(きょうこもん)
「京小紋」は武士の裃がルーツとなる染めの技法で、柔らかな雰囲気の色柄が特徴です。江戸時代に小紋を染めた麻裃が武士の正装となり、やがて庶民の間にも広がっていきました。
京小紋は、はじめは単色が主体でしたがその後彩色へと変化し、友禅染めと影響し合いながら京都で独自に発展していったようです。
京くみひも
「京くみひも」は、平安時代より神具や武士の鎧兜などの装身具や調度品に広く使われてきました。現代は主に帯締めや羽織紐などの和装小物として用いられています。
京くみひもは、丸台、角台、綾竹台、高台などのいくつもの組み台を使う手仕事です。台によって出来上がるくみひもは異なり、染色し撚りをかけた絹糸を使って組み進めていきます。
京くみひもは基本的な組み方だけでも約40種類以上あるといわれ、一本一本の糸が綾なす色とりどりの芸術品といえます。
京繍(きょうぬい)
長い歴史を持つ日本刺繍の中でも、平安時代に京都で発展した刺繍を「京繍」といいます。着物や帯を飾ってきた京繍は、華やかさと繊細さが魅力です。
京繍は絹糸のほか金糸や銀糸を使用し、優雅で気品のある図柄を縫い上げます。その工程には数種類にも及ぶ技法が用いられており、高度な技術が必要です。
京の文化が生んだ繊細で優雅な京繍の用途は、着物などの和装品から祭礼品や緞帳まで多岐にわたります。
京黒紋付染(きょうくろもんつきぞめ)
「京黒紋付染」は、気品と艶のある上質な黒色に染め上げる京都の伝統技術です。主に、喪服や黒留袖のような冠婚葬祭の衣装に用いられます。
黒染技法には黒引染(くろひきぞめ)と黒浸染(くろしんせん)の二種類があり、黒留袖のように模様のある場合は引染で染色し、喪服のような無地の場合は浸染で染めることが多いようです。
京都の伝統を結婚式で身に纏う
結婚式の和装において、京都の伝統工芸はどのように用いられているのでしょうか。花嫁衣装とゲストのお呼ばれ服装についてそれぞれみていきましょう。
花嫁衣装
花嫁が着用する和装には、白無垢・色打掛・引き振袖などがあります。白無垢は白一色で織りあげられた最も格式の高い正礼装で、それと同格となるのが、華やかさが際立つ色打掛です。
色打掛は織りや刺繍、染めなどで華麗な模様が描かれており、京都を代表する西陣織のものや京繍が描かれた打掛もあります。
また、色打掛に比べ動きやすい引き振袖には、美しく染め上げられた京友禅が使われていることもあり、京くみひもの帯締めとのコーディネートも楽しめます。
お呼ばれ
結婚式のお呼ばれで着物を着用する場合、どの立場で出席するかが重要なポイントです。
ゲストの和装としては黒留袖・色留袖・訪問着・振袖が一般的ですが、新郎新婦との関係性や年代、婚姻の有無などによって選び方は変わります。
京黒紋付染で染め上げられた黒留袖、京友禅の色留袖や振袖などを着用すれば、結婚式に華を添えること間違いなしです。
注意しておきたいのは、和装のマナー。どんなに素敵な工芸品でも、小紋や絞りは結婚式の格式に沿わない場合があります。招待された結婚式の雰囲気やドレスコードをよく確認して着物を選びましょう。
和装に最適な結婚式のスタイルとエリア
挙式にはある程度の流れや宗教的な習わしがありますが、教会式以外であれば和装が着られない挙式はありません。おすすめのスタイルとエリアについてご紹介します。
由緒ある神社での神前式
和婚を叶えたい人には神前式が最適です。神社での結婚式は挙式時に和装を着用することが基本なので、日本らしい和装に身を包んで結婚式を挙げることができます。
神前式ができる場所は全国にたくさんありますが、最もおすすめしたいのは京都です。京都には歴史ある神社がたくさんあり、結婚式ができる神社も豊富にあります。
京都の神社なら、非日常空間を思い切り味わえる結婚式が叶えられますよ。
ゲストハウスでの人前式
人前式でも和装を着ることが可能です。人前式は結婚式に出席するゲスト全員に向けて結婚の誓いを立てるため、式の進行や演出はもちろん、新郎新婦の衣装も自由に決められます。
特におすすめしたいのが、ゲストハウスでの人前式です。丸ごと貸切にすれば装飾や演出を自由にアレンジできますし、挙式と披露宴を合わせたアットホームな結婚式ができるでしょう。
さらに、京都の町家や古民家をリノベーションしたゲストハウスにすれば、和装の雰囲気にもぴったり合いますよ。
縁ある寺院での仏前式
仏前式はあまり聞いたことがない方もいるかもしれませんが、その名の通り仏様の前で式を挙げるスタイルのことです。
仏教には「結婚した二人は来世でもまた結ばれる」という教えがあり、二人が出会い結婚することを仏様や先祖に感謝します。
仏前式を挙げる場所は、新郎または新婦の宗派のお寺や自宅がほとんどですが、菩提寺以外にも縁がある寺院などで行うことも可能です。
京都の着物を美しく魅せるなら京都婚がおすすめ
京都の伝統工芸は数多くありますが、結婚式の和装にぴったりの工芸品がたくさんあることがわかりました。
結婚式で和装をしたいと思ったら、京都の伝統工芸に注目してみるのも一つですね。
そして、京の伝統を取り入れた着物をより素敵に魅せるなら、日本の美しさが残る京都での結婚式がおすすめです。
和装と伝統をとことん堪能できる京都で、お二人らしい素敵な結婚式を叶えてください。