神前式の衣装は何がある?新郎新婦が着る和装の種類や素敵な着こなし方

神前式の衣装© diamondforce/Shutterstock.com

日本の伝統的な結婚式と言えば神前式を思い浮かべると思います。神前式は和装のイメージがあると思いますが、実際にはどんな着物を着て結婚式をおこなうのでしょうか。着物の選び方や種類がわからなくて悩むプレ花嫁も多いと思います。神前式で新郎新婦が身につける衣装や種類をそれぞれご紹介します。

神前式とはどういった結婚式?

神前式の様子© bixstock/Shutterstock.com

神前式は主に神社でおこなう結婚式です。参進という花嫁行列をおこない、格式ある厳かな神殿の中で新郎新婦二人で儀式をすることが特徴的な結婚式です。神社以外ではホテルや結婚式場の神殿でおこなうことができます。和装の伝統的なスタイルでの挙式になります。

神前式で新婦の着る衣装の種類と選び方

神前式での新婦の衣装は種類がいくつかあります。どのようなものがあるか見ていきましょう。

色打掛© diamondforce/Shutterstock.com

白無垢

・白無垢は最も格式の高い婚礼衣装とされています。掛下したという白い振袖を着てその上に白い打掛を羽織り、全て白で統一します。素材は正絹(しょうけん)という真っ白というよりは少し黄みがかった天然の絹、絹と化学繊維を使った交織(こうしょく)、真っ白な色が特徴の化学繊維の種類があります。挙式のみに着ることが一般的で、綿帽子を合わせることができるのは白無垢のみです。

色打掛

色打掛は掛下という着物の上に羽織ります。華やかな織りやししゅう、背中の模様が美しい豪華な着物です。お色直しで着ることが多いですが、白無垢と同格の婚礼衣装になるので神前式でも着ることができます。色打掛の正式な色は「白、赤、黒」で角隠しを合わせて伝統的なスタイルにすることも。最近では洋髪で色打掛を合わせる花嫁もいます。

引き振袖

振袖は成人式に代表される未婚女性の第一礼装ですが、中でも引き振袖は結婚式で着ていただくことのできる和装です。色は赤地や白地などさまざまありますが、神前式では黒引き振袖と角隠しのスタイルが多く選ばれます。引き振袖は白無垢や色打掛と異なり帯が見えるので、特徴ある結び方が楽しめます。また、腰から膝にかけて裾がほっそりとしているので、足さばきがよく動きやすさが特徴です。

新婦の着る衣裳の選び方

白無垢では生地にこだわって選ぶことがおすすめです。正絹(しょうけん)は化繊に比べて着崩れしにくく、温かみのある白なので顔なじみがよいところがあります。刺しゅうの織り方も機械織りや手刺しゅうがあり、柄がきれいに見えるのは手刺しゅうですが、糸をたくさん使っている分、着物自体が重たく感じます。色打掛や引き振袖は色選びが大切に。自分の顔色が明るく見える色や季節に合わせた色を選ぶとよいでしょう。イエロー系の肌の方にはオレンジや緑、ピンク系の方は紫や青、オークル系の方は赤や薄いピンクなどが似合う色打掛の代表的なカラーです。柄も身長が低い方は着物の地の色に対して柄が多く施されているもの、身長が高い方は一つ一つの柄が大きいものを選ぶとバランスがよく決まります。

神前式での新郎の衣装と選び方

五つ紋付き羽織袴

男性の婚礼衣装では正装になり、神前式での和装はこの着物になります。袴は絹織物で作られ、上着は羽二重という羽織を合わせ、白の羽織紐を締めます。背中と両袖の後ろ側、両方の胸元の5カ所に家紋が入ります。レンタルの場合は誰でも使える通紋と呼ばれる家紋が入ってい”]るのが一般的。色は黒が最もスタンダードですが、ほかにグレーや白もあります。

新郎の衣装の選び方

神前式では新郎新婦の装いの格式を合わせることが大切です。新婦の衣装が白無垢、色打掛、黒引き振袖のときは正礼装である黒五つ紋付き袴にしましょう。また、新婦の衣装が新和装などのカジュアルな場合は新郎も色紋付き袴を合わせるとよいです。選び方は試着で体にぴったり合ったサイズを選びます。袴の丈、裄丈(ゆきたけ)という着物の背の縫い目から袖口までのバランスや羽織りサイズの確認をしておきます。髪や眉やひげも衣装に合わせることが大切。清廉な印象の紋付き袴に合わせた清潔感を意識して、衣装にふさわしいように整えておきましょう。

神前式で新郎新婦が衣装を美しく着こなすポイント

着物は姿勢一つで印象が大きく変わってきます。新婦は重心は前を意識して、指先は小物類を持つときは指先を伸ばしておきましょう。着物は首の長さが重要なので、首を伸ばし顎を引いておくことポイントです。新郎も新婦と同じように姿勢に気をつけますが、猫背にならないように背筋を伸ばし胸を張った姿勢を心がけます。写真撮影のときには足を肩幅程度に開いて立つようにすると堂々とした印象になります。

神前式のみで披露宴なしのときの注意点

神前式のみでおこなうと決めたときは、あらかじめお互いの両親に相談をして希望や了承を得ておくとよいでしょう。神前式のみに決まったら親族はどこまで呼ぶかを考えておきます。結婚式に集まってくれたお礼が披露宴なしではできないので、招待状にご祝儀の辞退を一言添えておきましょう。ご祝儀を用意していただいたときは後日お礼の時間は持つようにします。参列してくれたゲストにはそのまま帰っていただくのではなく、プチギフトや引き菓子を用意しましょう。来てくれたことに対しての感謝の気持ちや心配りをみせることが大切です。

神前式の衣装は種類と素敵な着こなし方を

和装結婚式の新郎新婦© iStock.com/E-mi

神前式は厳かな雰囲気でおこなわれる結婚式です。中でも白無垢は神前式では定番の婚礼衣装で、最も格式高い正礼装とされています。色打掛は主にお色直しのイメージがある着物ですが、神前式でも着ることができて、白無垢と同じ格式のある衣装です。新郎が身につける着物は紋付き羽織袴になります。神前式では黒五つ紋付き袴にして最も格式高い衣装にします。衣装選びのポイントはそれぞれの衣装の格を合わせておくこと。特に花嫁衣裳と合わせることが大切になり白無垢、色打掛、引き振袖のとき、新郎は黒五つ紋付きにしましょう。衣装を美しく見せるには、新郎新婦ともに「姿勢」です。新婦は重心を前に意識して、新郎は胸を張って堂々とすることです。自分たちに合った衣装を見つけて素敵な神前式にしてください。

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