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「結婚式をしたいけど、お金にも時間にも余裕がない……」「人前に立って一日過ごすのは苦痛」とお悩みの方にピッタリなのが、地味婚というスタイルです。
一般的な結婚式より安く挙げられて準備に時間も掛かりませんし、本当に大切な相手だけに祝ってもらうこともできますよ。
地味婚の特徴を知り、結婚式を検討する際のご参考にしてみてくださいね。
目次
地味婚とは
地味婚とは、端的に言うと一般的な結婚式よりも規模の小さい結婚式のことを指します。また、結納や新婚旅行を省略するスタイルも地味婚に該当するそう。
これと言った定義はありませんが、ゲストが20人に満たない結婚式などは地味婚とされることが多いようです。
地味婚は、1990年代に流行した「派手婚」と対になる言葉です。高い費用を使い、派手で豪華な結婚式が憧れとされていた時代もありましたが、次第にこぢんまりとした式が好まれるようになった過程で誕生したとされています。
人々が規模の小さい結婚式を選択するようになった大きな理由として、バブルの崩壊が考えられます。
それまではゴンドラでの登場やスモークをふんだんに使った演出など、あらゆる部分にお金を掛けられました。
ですが、経済的余裕が無くなるにつれて「結婚式ではなく新生活にお金を使いたい」「たった一日のイベントではなく新婚旅行に費用を回したい」という考えが増え、地味婚が支持されるようになったのではないでしょうか。
地味婚をするカップルの割合はどれくらい?
では、地味婚をしたカップルの割合はどれくらいなのでしょうか。ここでは、「一般的なものよりも規模の小さい結婚式」を地味婚と定義して見ていきます。
「ゼクシィトレンド調査2019」によると、結婚式の招待人数が10人未満の割合は2.6%、10~20人未満の割合は5.4%という結果が出ています。
つまり、小規模の結婚式を選んだカップルの割合は8.0%、約一割が地味婚をしたということが分かりますね。
決して主流ではありませんが、特別に珍しいわけでもない地味婚ですが、一体どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。次からご紹介していきましょう。
データ参照:ゼクシィ結婚トレンド調査2019
地味婚のメリット
一定数の人気を誇る地味婚ですが、どのような要素を持ち合わせているのでしょうか。まずはメリットからご紹介していきましょう。
費用が安く済む
なんといっても、その魅力は費用の安さでしょう。一般的な結婚式には平均で354.9万円掛かりますが、これはゲストの人数が60~70人程度の場合の費用です。
ご祝儀である程度はまかなえるとは言え、なかなかに痛い出費であることに変わりはありません。
ですが、地味婚なら単純計算で1/3の費用で結婚式を挙げることができます。二人だけの挙式を選べば、式場によっては30万円前後で挙げることもできますよ。
アットホームな雰囲気で挙げられる
地味婚なら、親族や本当に大切な友人だけを招待できるので、非常にアットホームな雰囲気で式を挙げることができます。
人前に立つのが苦手だったり、招待するゲストを決めるのが大変な方にとっても、大きいメリットではないでしょうか。
準備に時間が掛からない
結婚式は、ゲストの人数が増えるほど準備に時間が掛かってしまいます。ですが、参列者が少なくなればなるほど準備の負担が減り、結果的に準備の期間が短くなりますよ。
仕事や私生活が忙しく、準備になかなか時間を割けないという方にもかなりオススメです。
地味婚のデメリット
では、地味婚にはどのようなデメリットがあるのでしょうか。メリットと照らし合わせ、お二人にとって最適な選択をしましょう!
ゲストに退屈だと思われてしまうかも
その名の通り、ゲストに「地味だなあ」という印象しか与えられず、退屈だと思われてしまう可能性があります。
演出に凝ることもなく、プログラムにもメリハリが無いという結婚式では、確かにそう思われてしまっても仕方がないですよね。
地味婚は穏やかでアットホームと言えば聞こえが良いですが、裏を返せば工夫しないと結婚式っぽくない空気になる危険性をはらんでいる、ということにもなりますよ。
一般的な結婚式より寂しい雰囲気になる可能性アリ
参加人数が少ないという事で、どうしても一般的な結婚式より寂しい雰囲気になってしまうかもしれません。
それでもまったく構わないなら問題はありませんが、後悔してしまいそうな可能性があるなら、一度地味婚について考え直す必要がありますよ。
工夫しないとただの食事会になってしまう
あまりにも演出を省いてしまうと、ただの結婚式になってしまいます。
会場の雰囲気や演出、式のスケジュールなどを整え、ゲストに「地味婚だけとしっかりと結婚式だな」と思わせるような工夫を施すことが大切ですよ。
地味婚のスタイルを紹介!
地味婚には決まった定義が無いので、そのぶんスタイルもさまざま。ここでは、その中の一部をご紹介していきます。
少人数結婚式
最近では少人数での結婚式が流行っていますが、その中でもゲストが20人未満の場合を地味婚とするケースが多いです。
家族、親族、本当に親しい友人や恩師を呼んでの結婚式になるので、今後も深い縁を繋いでいく相手との絆をより強めることができるでしょう。
大切な相手にだけ祝ってもらいたい、と考える方に向いているスタイルですよ。
会費制・1.5次会
ゲストからご祝儀をいただくのではなく、会費を徴収するという形式で挙げる結婚式は、ゲストの負担も大きく減るというメリットがあります。
結婚式は新郎新婦にとって大きな出費ですが、ゲストの懐にもかなりの影響を与えます。その事実に罪悪感を抱いてしまう方は、会費制や1.5次会スタイルを取り入れてみてはいかがでしょうか。
挙式のみ
結婚式を挙式のみにすれば、お金も準備の時間も大幅に掛からなくなります。
ただしゲストを呼ぶ場合は、参列してくれたゲストへおもてなしの気持ちを込めた食事会をセッティングするのがマナーです。
とにかく費用を抑えたいとお考えなら、お二人のみでの挙式をおすすめしますよ。
フォトウエディング
式はせず、婚礼衣装を着て写真撮影のみをするというスタイルの結婚式です。結婚の区切りにもなりますし、記念としてドレス姿を残すこともできます。
また、結婚式をするよりも費用がかなりリーズナブルだというメリットもありますよ。
地味婚にかかる費用はどれくらい?
地味婚にかかる費用の目安を、先ほどご紹介したスタイル別に以下の表にまとめました。
スタイル | 費用 |
小規模結婚式 | 100~120万円(ゲスト20人) |
会費制・1.5次会 | 【会費相場】10000~15000円 |
挙式のみ(二人だけ) | 30~35万円(教会式)/40~60万円(神前式・和婚) |
フォトウエディング | 2~15万円(衣装による) |
なお、これらはあくまで目安ですので、詳しくは式場サイトで比較検討することが大切ですよ。
地味婚をする際のポイント
地味婚を実施する際のポイントを、以下で紹介していきます。重要なのは、力の入れどころを絞り込むことですよ。
料理や引き出物を重視
仮に地味な印象の結婚式だったとしても、料理や引き出物などの「おもてなし」部分に費用を掛けた結婚式は、ゲストにとってもかなり満足度の高い式になります。
逆に、費用を削ると印象は最悪になってしまいますので、他の何を節約したとしてもこの部分は絶対に欠かさないよう心がけましょう。
衣装に力を入れるとより「結婚式」だという印象が強くなる
新郎新婦が美しい衣装を身にまとっていることで、参加者は非日常感を味わうことができます。無理にランクを上げる必要はありませんが、安っぽすぎない衣装を選ぶようにしましょう。
演出をいくつか取り入れるとメリハリのあるプログラムに
派手な事をしなくても、スピーチやムービーを軽く取り入れるだけでグッと結婚式らしさが出ます。
ゆったりとした雰囲気にするとしても、演出をいくつか入れ込むことでメリハリのあるプログラムにできますよ。
両親への相談も忘れずに
人によっては「地味婚なんてとんでもない!」と考えることもあるでしょう。両親に何も告げないまま地味婚を選んでしまうと、後でわだかまりが生まれてしまうかもしれません。
なので、まずは一言両親に相談をしてから準備に取り掛かると、関係が変にギクシャクせずに済みますよ。
地味婚という選択肢も視野に入れて結婚式を考えよう!
経済的な事情や式への苦手意識から結婚式を諦めたり、結婚式にお金や時間をあまり掛けたくないと考える方もいらっしゃるかと思います。
そんな時、結婚式をしないのではなく、地味婚という選択肢を視野に入れてみるのはいかがでしょうか。
結婚式が多様化している現代にピッタリなスタイルでもありますよ。