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結婚ならいざ知らず、同棲の挨拶はどうすればいいのかとお悩みの方も多いのでは?ですが、将来を本気で見据えた上での同棲ならば、両親への挨拶はきちんと済ませたほうがいいでしょう。
挨拶を怠ったことで、いざ結婚するという時に苦労する可能性も十分にあり得ます。ここでは、両親への同棲の挨拶に関するマナーや服装、当日の流れや注意点などについてご紹介していきます。
目次
結婚前の同棲に挨拶は必要?
自分も相手も成人したいい大人だし、挨拶は結婚する時でもいいのでは?とお考えの方もいらっしゃると思います。ですが、あなたが結婚を見据えた真剣な同棲をするつもりなら、両親への挨拶は必須と言えるでしょう。
今現在同棲をしている世代にとって、同棲はそれほど重いものに感じられないかもしれません。しかし親世代は、同棲に対してかなりシビアな考えをする方が少なくはないのです。結婚もせず一緒に暮らすなんて、都合のいい相手だと思われているのではないか。順序が違うのではないか。そもそも本当に結婚する気はあるのか……。
ですが、これはすべて心配の裏返しなのです。いくら成人したとはいえ、親にとって子どもはいつまでも子ども。過敏な反応をしてしまうのも無理はないのかもしれません。あなたを大切に思っている両親を安心させるためにも、同棲をする前には一度きちんと挨拶に伺いましょう。
また、同棲前に挨拶をしなかったことが原因で、結婚を認めてもらうまでにずいぶん時間がかかってしまったというケースも珍しくはありません。緊張して気が引けるのもうなずけますが、二人の安泰な未来のためにも、同棲前には挨拶をすることが大切です。
同棲の挨拶をするタイミングは?
同棲の挨拶は、同棲を開始する前に行うのが基本です。物件を決めてしまってからではなく、探す作業に取り掛かる段階で挨拶に行くのがベストですよ。
具体的な時期としては、開始1ヵ月前ほどのある程度の余裕があるタイミングがいいでしょう。
順番を間違え、事後報告になってしまうと、誠実さを欠いていると判断されかねません。結婚を見据えた同棲であればあるほど、両親との関わり方に注意しなければなりませんよ。
同棲の挨拶をする場所はどこ?
結婚の挨拶ともなると、料亭や高級レストラン等のかしこまった場所で挨拶する場合もありますが、同棲の挨拶は一般的にお互いの家に訪問する形で行います。
あまりにもしっかりした舞台を用意してしまうと、ご両親も「結婚の挨拶かも……」と勘違いされてしまいかねません。
正式な挨拶の場を設けるのは、結婚挨拶の時までとっておきましょう。
同棲の挨拶のマナー
アポは事前に取りましょう
アポ取りは常識的なマナーの一つです。挨拶に伺う側はもちろんのこと、それを受けるご両親たちにも心の準備は必要。いきなりの訪問ではその時点でマイナスな印象を与えてしまうので、挨拶に行く日にちは事前に打ち合わせておきましょう。
きちんとした言葉づかいで
これも当たり前のマナーですが、きちんとした敬語で話しましょう。言葉づかいがなっていない人間から何を話されても、心に響くことはありません。
また、ヘラヘラとした受け答えや、要領を得ない曖昧な話し方もよくありません。人と話すのが苦手な方も、ここはひとつ踏ん張りましょう。つたない表現でも、真剣さがあればその思いは確実に伝わるはずです。
だらしのない恰好はNG!
仮に相手のご両親と仲がよかったとしても、服装はきちんと整えましょう。「外見は内面の一番外側」という言葉がありますが、その通りです。
第一印象のほぼ100%は外見で決まってしまうので、「私はあなたたちに真剣な挨拶をしに来た」ということが伝わる恰好で臨みましょう。
基本的には女性の両親から先に挨拶を
なぜ?と思うかもしれませんが、これは、男性に比べて女性のほうが同棲によるリスクが大きいことが起因しています。具体的に言うと、妊娠するというケースが想定されるということです。
そのまま授かり婚、という流れになるぶんにはまだいいのですが、最悪なのは妊娠発覚後に破局というパターン。ですから、本当に責任を取る気があるのかという点で、男性よりも女性側の親のほうが心理的負担も大きいのです。
なので、まずは女性側の両親に挨拶に伺うこと、そして男性側の両親に女性側の両親には許可をもらったことを伝える、という順序で挨拶をするのが良しとされているのです。
同棲の挨拶当日の服装
女性
露出度の高い服装を避け、派手すぎない恰好で臨みましょう。また、ストッキングや靴下を着用し、素足で相手の家に上がることのないよう注意しなければなりません。
ワンピース、ブラウスと膝より長いスカートの組み合わせ、お嬢様風のファッションが好印象を与えるようですが、どうしても不安な時はスーツを選ぶのも一つの手です。
華美すぎず、清楚な服装が好まれます。パステルカラーにすると、より柔和な印象を与えることができるでしょう。柄はあっても構いませんが、派手すぎると相手を驚かせてしまいます。
もし迷ったら、オフィスカジュアルをイメージして服を選んでみてくださいね。女性アナウンサーの服装を参考にしてみてもいいかもしれません。
男性
何よりもまず清潔感が重要です。服装はもちろんですが、髪やヒゲ、爪にも気を配りましょう。また、靴が汚れていないか、靴下に穴はないかも入念にチェックしてください。
無難なのはスーツですが、ジャケットにシャツ、上品なパンツを合わせてもいいでしょう。毛玉のついたセーターや、よれよれのトレーナーなどは論外です。また、スーツでも派手な色やデザインのものはNGなので注意してくださいね。
手土産はどうする?
意外と選ぶのが難しいのが手土産。一体どのようなものが好印象を与えるのか、いくつかご紹介していきます。
菓子折り
とにかく無難に……。という方はこちらを選びましょう。個別包装されていて日持ちがするものを選べば、相手も扱いに困りません。甘いものが苦手なら、煎餅のアソートなどを選ぶのもいいですね。
お酒
事前に好みの銘柄を聞いておくのもいいですが、あなた好みのお酒を持って行くのもまた一興ではないでしょうか。うまくいけば、一緒に酌み交わしながら、打ち解けた話しができるかもしれません。
出身地の名産品
その土地ならではの名産品は、もらって嬉しいものの一つです。自然な流れであなたの生い立ちなどの話題にも持っていけますし、ユニークな印象もあります。奇抜なものは避けたいけど、無難すぎるのも面白くない……。という方におすすめです。
果物の詰め合わせ
季節のものを贈るのがおすすめです。箱に入った贈答品を選びましょう。スーパーで売られている、ネットに入っているようなタイプはふさわしくありません。
同棲の挨拶当日の流れは?セリフの例も紹介!
先ほどご紹介したとおり、当日はきちんとアポを取った上で挨拶に伺いましょう。明確な決まりはありませんが、
- 軽い自己紹介
- 時間を割いてもらったことへのお礼
- 結婚の意思が固いことを伝える
- 同棲をしたい理由を明確に述べる
という点は徹底してくださいね。
下表に、同棲の挨拶のセリフ例をまとめました。最低限伝えるべきことをご紹介していますので、これだけは押さえておくようにしましょう。
同棲の挨拶のセリフ例 | |
軽い自己紹介 | 「初めまして、〇〇と申します。2年前から△△さんと真剣にお付き合いをさせていただいております。」 |
時間を割いてもらったことへのお礼 | 「本日はお時間をいただき、ありがとうございました。」 |
結婚の意思が固いことを伝える | 「△△さんとは結婚を前提にお付き合いをしていて、挙式のタイミングに合わせて〇月〇日に入籍することを考えております。」 |
同棲をしたい理由を明確に述べる | 「結婚後の生活を見据え、まずは一緒に暮らしたいと二人で考えました。どうかお許しいただけないでしょうか。」 |
同棲したいとストレートに言うよりは、「結婚の前段階として一緒に暮らすシミュレーションをしてみたい」「結婚式やその後の生活のために生活費をおさえたい」というように、具体的な理由を伝えた方が納得してもらえる確率は上がります。
また、「結婚するつもり」などという曖昧な表現は避け、「〇カ月後に入籍を考えています」というように、結婚する意思は固まっているという意思表示をしなければなりません。
あまり緊張しすぎず、しかし気はしっかりと引き締めて話しましょう。
どんなことを聞かれるの?
一概にこれ!ということはありませんが、定番の質問には答えられるようにしておいて損はありません。ここでは、同棲の挨拶の際に聞かれることの多い質問をご紹介します。
馴れ初め
一般的にはありのままを伝えて差支えありませんが、インターネットやSNS上での出会いの場合、親世代は不信感を抱いてしまう可能性が高いです。そんな時は「共通の趣味がきっかけで」という具合に、うまくお茶を濁すのがいいでしょう。
どんな仕事をしているのか
口頭で伝えるのもいいですが、うまく説明できる自信がなければ名刺を用意するのも手です。説明を受ける側も、明確なイメージを持って会話をすることができます。
経済面に不安はないのか
「共働きなので生活費の心配はない」というように、不安がないと考える理由をはっきりと説明することが重要です。そこから飛躍して、貯金の大まかな計画について述べられるとさらに好印象ですね。
いつ結婚するのか
恋人と事前に意見のすり合わせをしておきましょう。具体的な時期を伝えることで、両親からの信頼を得ることができるのではないでしょうか。
同棲の挨拶に関する注意点
相手やご両親の呼び方に気をつける
ついうっかり恋人を普段どおりに呼んでしまいがちですが、ここはしっかりと「さん」をつけて呼びましょう。
また、相手の気に障ってしまう場合がありますので、相手の両親のことは「お義父さん」「お義母さん」ではなく、「ご両親」や「〇〇さんのお父様・お母様」といった具合で呼びましょう。
「同棲」ではなく「一緒に暮らす」と言い換える
意外に思われがちですが、実は親世代にとって「同棲」という言葉は印象が良くありません。少々億劫ですが、ここは「一緒に暮らす」という言葉に言い換えて話しましょう。
感情的に対応されたら
厳格な家庭の場合、相手の親が激昂してしまう可能性もゼロではありません。もしそうなってしまった時はいったん引き下がり、後日また改めて挨拶に伺ったり、相手の態度が軟化するまで待ってみるなど、もう一度対策を立て直しましょう。
同棲の挨拶は誠実な姿を見せて!
相手のご両親は、何よりもまずあなたの誠実さを見極めようとしています。緊張して理路整然と話せなかったり、失敗をしてしまうこともあるかもしれませんが、「あなたのお子さんを大切に想っている」という態度は絶対に貫きましょう。
拙くても構いません。大切なのは、恋人とそのご両親への礼儀を示すこと。誠実な姿勢で同棲の挨拶を行い、二人の前向きな未来を手に入れましょう!