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国際結婚や外国人のパートナーと結婚する場合、日本とは違う結婚の手続きに戸惑うことがたくさんあるでしょう。そのなかでも、聞きなれない名前の書類「婚姻要件具備証明書」というものがあります。
聞いただけで面倒なイメージですが、国際結婚に必要となる「婚姻要件具備証明書」の手続きや申請の流れ、注意しておきたい点など分かりやすくご説明します。
目次
国際結婚に必要な書類は?
日本人が外国国籍のパートナーと結婚をする場合、必要な書類をご説明します。お相手の国によって準備するべき書類は変わりますが、ここでは基本的な書類をご説明します。
- 婚姻届
日本人同士の結婚と同様に婚姻届を用意します。 - 戸籍謄本
婚姻届を提出する役所と違う場合、必要となります。 - パスポート
日本に滞在している場合、本人の国籍を証明するためです。 - 婚姻要件具備証明書またはそれに代わる書類(宣誓書など)
それぞれの取得方法と役割を簡単に見ていきましょう。
1.婚姻届
取得方法:もらえる場所は、市区町村の役所の戸籍を扱う部署またはホームページでもダウンロードができる
役 割:日本においての法的な結婚をしようとする者が提出する書類
2.戸籍謄本
取得方法:自分の本籍地である役所の戸籍をあつかっている部署
役 割:戸籍の内容を証明してくれる書類
3.パスポート
取得方法:住民登録をしている各都道府県のパスポート申請窓口
役 割:日本政府が発行する「日本人である」ことの証明書
4つめの書類「婚姻要件具備証明書」については以下の項目で詳しく説明していきます。
国際結婚に必要な上記4つの書類は、提出する自治体によって変わる場合もあるので、事前にホームページ等で確認しましょう。
婚姻要件具備証明書とは?
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国際結婚に必要となる書類のなかで、一番聞きなれない「婚姻要件具備証明書」について分かりやすくご説明します!
国際結婚に必要な書類である
婚姻要件具備証明書とは、簡単に言うと結婚しても問題がないですよというこを証明する書類です。
- 結婚相手の外国人が独身であること
- 相手の国の法律で、結婚することに問題がないこと
この二つを証明しているんですね。婚姻要件は、世界各国によって違いがあるので注意して準備しましょう。
なぜ婚姻要件具備証明書が必要なの?
国が変わると法律が変わるためです。例えば結婚できる年齢が日本は男性18歳、女性16歳ですが、20歳以上と定められている国もあります。
結婚条件は国が変わると異なるため、国際結婚では婚姻要件具備証明書が必要な書類となっています。
独身証明書との違い
自治体の役所や出先機関で取得でき、「独身であること」を証明するものです。婚姻要件具備証明書には「結婚相手の氏名、生年月日、国籍」など記載してありますが、
独身証明書には、結婚相手の氏名、生年月日、国籍の記載がありません。婚姻要件具備証明書は、日本国の法律上障害がないことを証明できます。
婚姻要件具備証明書はどこで取得できるのか
日本で婚姻手続きをおこなう場合、外国籍のパートナーの婚姻要件具備証明書の取得はどこでできるのでしょうか?
結婚相手の在日大使館か領事館で取得できる
結婚相手の国籍である、在日大使館か領事館で婚姻要件具備証明書を取得することができます。
和訳の付いたものも同時に提出する
発行してもらう書類は、お相手の国の言語で書かれています。日本の役所への提出は、日本語訳の付いた「婚姻要件具備証明書」を提出します。
訳す人に決まりはなく、訳した人の氏名・住所を記入して提出しましょう。
日本での国際結婚の手続きの流れ
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国際結婚に必要ないくつかの書類を、「日本に提出する場合」の手続きの流れをご説明します。
国際結婚の手続きは、海外で手続きを先にする場合、方法は違ってきますので注意しましょう。
また、国により提出書類や流れが変わので、必ず事前にお相手の国の在日大使館や領事館に確認をしてくださいね。
1.《日本・パートナー側》役所や在日大使館か領事館へ問い合わせ
まず初めに、それぞれの各機関へ必要書類の確認をするために問い合わせをしましょう。婚姻要件具備証明書が発行される国であるかどうかの確認も必ず行ってくださいね。
2.《パートナー側》婚姻要件具備証明書の取得
パートナーの国の在日大使館か領事館へ婚姻要件具備証明書を受け取りに行く。
3.《日本側》必要な書類を役所へ提出する
「婚姻要件具備証明書」を含む、基本的な4つの必要書類が揃ったら、役所へ提出します。
提出された書類に不備がなければその場で婚姻届が受理されます。
日本国側の機関においてはここで結婚が成立となります。
4.《日本側》婚姻届受理証明書の発行
婚姻届が受理されると、「婚姻届受理証明書」が発行されます。日本の役所で婚姻手続きが受理されたことを証明する書類となります。
5.《パートナー側》在日大使館や領事館へ届け出る
婚姻届受理証明書を持って、パートナー国の在日大使館や領事館へ届け出ます。届け出に必要な書類は、各国によって違いますので事前に確認しておきましょう。
相手国で届け出たあと発行される「婚姻届受理証明書」は、在留資格の変更申請を行う際に必要な書類ですので大切に保管しておきましょう。
日本人が婚姻要件具備証明書を取得するために必要な書類
では、婚姻の手続きをパートナーの国で行うには、一体どのような書類が必要なのでしょうか?
日本で取得する場合で、ご説明します。
発行できる場所
1.法務局(本局・支局)
2.日本大使館
3.各市区町村の役場
パートナーの国によって、手続きの方法は変わりますので、お相手の国の大使館または領事館に事前に確認しましょう。
必要となる書類
婚姻要件具備証明書を取得するためには、以下の4つの書類が必要となります。
・戸籍謄本(発行から3ヵ月以内)
・印鑑
・本人を確認できるもの(運転免許証、保険証、パスポートなど)
・婚約者のパスポートのコピー
各法務局により必要なものが変わる場合があるので、必ず事前に電話確認をするようにしましょう。
日本国内で婚姻要件具備証明書を提出する流れ
日本人が日本国内で、婚姻要件具備証明書を提出するまでの流れを簡単にご説明します。
- 婚姻要件具備証明書・離婚証明書の発行を受ける
↓ - 日本の外務省の認証を取得(アポスティーユ)※1
↓ - パートナー国の在日大使館・領事館で認証を取得
アポスティーユを受ける方法としては、直接外務省へ出向くか、郵送でも受け付けています。
結婚するパートナーの国によって、必要な書類や手続きが変わるので、お相手国の在日大使館・領事館で事前に確認をしましょう。
※1 アポスティーユとは、提出しようとしている公文書(官公庁や自治体が発行する文書等)に対して、外務省が「日本での公式の書類」であることを証明した書類のこと。
データ参照:公印確認・アポスティーユとは | 外務省
婚姻要件具備証明書で注意すること
婚姻要件具備証明書を準備する際、注意しておくべきことを紹介します。
有効期限に気を付ける
役所に提出する公的書類には有効期限が決まっています。
一般的に、
「日本の発行書類は発行後3カ月」
「外国発行の書類は発行後6カ月」
とされているため、早めの準備が大切です。このほかに、在日大使館や領事館で「婚姻要件具備証明書」を発行してもらうには、領事との面接や一定の審査期間を必要とする国もあります。
特に外国籍の結婚相手が、短期滞在ビザで日本に滞在して手続きをする場合には、書類発行までどのくらいの期間が必要か確認しておきましょう。
パートナーの国に婚姻要件具備証明書がない場合
国によっては婚姻要件具備証明書を発行する制度がない場合もあります。その際は、代わりの書類が必要になるので、大使館・領事館に確認をしましょう。
代わりとなる書類のひとつ「宣誓書」
代わりとなる書類には、国によっていくつか種類があります。その中に「宣誓書」というものがあります。領事の前で、結婚について法律上問題がないことを宣誓し、サインするものです。
受理できるか判断待ちが必要な場合も
宣誓書はあくまで婚姻要件具備証明書の代わりの書類というだけになります。二人が結婚するために、満たしておくべき法律上の条件の判断ができません。
そのときは役所から法務局へ婚姻届を回し、受理できるか1~3カ月ほど判断待ちの状態になることもありますので、注意しましょう。
国際結婚するなら婚姻要件具備証明書を忘れずに!
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日本での婚姻とは異なる部分がたくさんあり、手続きや準備が面倒な印象が多いですよね。聞きなれない「婚姻要件具備証明書」について詳しく説明してきましたが、ひとつひとつ順を追って進めていけば、スムーズにおこなうことができます。
また、迷ったときは国際結婚のプロや大使館などに相談しながら、楽しんで準備を進めていきましょう。