非婚化!結婚しなくて何が悪い?非婚化の原因と社会的問題

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日本で増えている「非婚化」の問題。なぜ「結婚をしたくない」と考えるのでしょうか。また、何故結婚をしたくない人が、結婚をしなくて問題となるのでしょうか。非婚化が増えている社会背景と、非婚化がもたらす社会問題に関してご紹介します。

非婚化とは?

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非婚とは「結婚しない」状態のことで、非婚化とは「結婚しない人が増える」ことです。近年では、「結婚したくてもできなかった」人や、そもそも「結婚したいと思っていない」人が増え、非婚の率は昔より増えつつあります。

非婚化に似ている「未婚化」「晩婚化」

似たような言葉に、「未婚化」や「晩婚化」があります。「未婚=まだ結婚をしていない人」「晩婚=遅くに結婚をすること」を指します。2015年時点の国勢調査では、35~39歳の男性の未婚率は35.0%、女性の未婚率は23.9%という結果でした。結婚できないまま年齢が上がれば、上がるほど、「もう結婚は良いかな」という考えが生れ、未婚から非婚に繋がる可能性も増えていきます。

「非婚化」「未婚化」「晩婚化」は社会問題である

「非婚化」「未婚化」「晩婚化」は少し意味が異なりますが、どれも少子化に繋がり、人口減をも引き起こす原因としては同じです。どれも社会問題の一つとして、考えなければならないテーマとなります。

非婚化が増える理由:「結婚したくない」という考え

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なぜ「結婚したくない」と思ってしまうのでしょうか。人間に限らず、生き物は次の世代に子孫を残すために、今日まで進化を遂げてきました。我々のゴールは子孫繁栄であるのに、何故本能に逆らった選択肢をしてしまうのか。

もちろん100%「結婚=子供」ではないので、中には「結婚はしないけど、子供は産む」という人もいます。しかし、非婚を望む方の圧倒的多くは、「結婚しない」&「子供も産まない」ことを選択します。理由は一概に言えませんが、非婚化の原因を見ていきましょう。

非婚化が増える理由:個人主義社会への変化

昔は家族や地域とのかかわりが強く、結婚は周りの後押しもあって、内向的な人でも結婚をすることが可能でした。また、結婚適齢期になれば「結婚=あたりまえ」と考えられていたので、義務的に結婚をする人も少なくありませんでした。

それが、個人主義になってきた昨今では、「結婚は個人の自由」となり、「結婚しない」という選択肢も受け入れられるようになってきています。結婚を促す家族や地域の繋がりも薄くなりつつあるので、その結果「非婚」が増えてきていると考えられます。

非婚化が増える理由:自由に暮らしたい

非婚を選ぶ理由で大きな部分を占めるのが、「自由に暮らしたい」です。仕事の面、お金の面、時間の面、生活面などで「自分ルール」を使って生きたい人が、非婚の選択肢をします。

非婚化が増える理由:結婚を損得勘定で考えてしまう

以前は「結婚=安定」とされていましたが、近年では女性の社会進出が進み、「一人でも安定」な状況となっています。そこで、よっぽどな理由がなければ、「結婚するメリットがない」という感情が生まれるのです。男性の場合は、結婚をすることで家族にかかる出費が増えることを、「デメリット」と考える人もいます。

結婚とは、メリットやデメリットなどの損得勘定で比較するものではないので、こいう感情が増えることが、非婚化をますます進行させるのではないでしょうか。

非婚化が増える理由:子供を欲しいと思わない

「一人で生活できるし、現状に不満はないし、子供も欲しいと思わない」そう考える人も中にはいるでしょう。子供がいらなければ、「なんの為に結婚をするの?」という状況となります。結婚は二人で「家族」を作るもの。子供がいなくても問題はないですが、やはり子供を望まない人は、望む人よりも結婚が難しくなります。その結果、一人で生きているほうが心地よいので、非婚化を選びやすくなります。

非婚化が増える理由:結婚する理由がわからない

現在の日本では2組に1組は離婚をしています。周りにそういう人がいると、「何のために結婚をするのだろう」という感情がでてくるのも不思議ではありません。一人で生きていけて、子供もいらないのに、結婚する意味はあるのか?おまけに離婚の可能性もあるし……。好きな人と、好きな時にいれば良いのではないか?と考えてしまうと、結婚をしないという選択肢が顕著になってきます。

非婚化がもたらす社会問題:少子化

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確かに結婚をすることは個人の自由です。非婚自体は個人の問題のように見えますが、実は非婚化が進むことによって、「少子化」という社会問題を生んでいます。結婚をする人が減れば、その分子供の数も減ります。

非婚の方はいずれ高齢となりますので、その人達の老後を、将来の子供たちが支える必要がでてきます。非婚化でも、老後自分で自分を経済的に支えられるなら問題ありませんが、社会の負担となってしまうと、もはや非婚が個人の問題だとは言えないでしょう。

非婚化への対策

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社会では少子化に繋がる非婚化を減らすために、近年様々な非婚化の対策をとるようになりました。地域で非婚を減らすために、出会いなどの婚活サポートを行っているところもあります。また、「結婚新生活支援事業」を実施している地域もあります。低収入カップルでも結婚ができるよう、家賃や引っ越し費用などの結婚当初にかかる経費を、地域と国からの援助で、最大30万円の補助金をだしてくれるものです。

今後さらにサポートが増えることも考えられます。少しでも結婚の意思がある場合は、こうした地域の取り組みを利用するのも一つの手です。

非婚化は一人一人が考えるべき問題である

昔の日本ではお見合いなどが多く、家族や地域が結婚をサポートしていました。しかし近年では、地域との繋がりが減り、それと共に非婚化も高まりつつあります。果たして、非婚化に対して一人一人にできることはないか?昔ではできたことなので、現代でも不可能はないはずです。

出会いの場を増やしたり、結婚したいと思える社会にしたり、子供を生みたいと思えるような環境つくりはできるはずです。「個人主義」を大事にすることも大切ですが、一人一人が「社会との関わり」をもっと大切にして、再び「人間同士の関わり」を増やしていけば、非婚化も減るのではないでしょうか。