【結婚式のスピーチ全ガイド】新郎新婦・ゲストの結婚式スピーチ例文紹介!

スピーチをする新婦© iStock.com/digitalhallway

結婚式のスピーチといっても、その種類は実にさまざまです。基本的な構成は同じでも、スピーチの雰囲気や方向性は大きく異なりますよね。

新郎新婦とゲスト、それぞれが行う結婚式のスピーチの構成や例についてご紹介していきますので、ぜひご参考にしてください♪

結婚式のスピーチにはどんな種類があるの?

結婚式でのスピーチは、新郎新婦側が行う場合とと、ゲスト側が行う場合があります。

新郎新婦側のスピーチには、

  • ウェルカムスピーチ
  • 謝辞(新郎スピーチ)

があり、ゲスト側のスピーチには、

  • 主賓スピーチ
  • 友人スピーチ
  • 乾杯挨拶
  • テーブルスピーチ

などがあります。話す内容の雰囲気や方向性は、誰が、どのスピーチをするかによって変わってきます。

ですが、スピーチの構成という軸の部分に関しては、いかなるスピーチでもほとんど同じだと言っていいでしょう。

構成のコツさえつかめれば、スピーチの原稿を作るのはさほど難しい事ではありません。次からは、結婚式のスピーチ構成を「新郎新婦側」と「ゲスト側」に分けてご紹介していきます。

結婚式のスピーチの構成:新郎新婦のスピーチ

披露宴会場のマイク

結婚式のスピーチを考える前に、まずは構成を知っておく必要があります。新郎新婦側とゲスト側とでは構成が少し異なりますので、それぞれについてご解説していきましょう。まずは新郎新婦側のスピーチ構成からです。

新郎新婦側のスピーチは、

  1. 冒頭の挨拶
  2. 本題
  3. 結びの言葉

という構成で作ります。

構成 内容
冒頭の挨拶 結婚式に出席してくれたゲストへのお礼
本題

新郎新婦のエピソード(結婚の経緯、近況等)や結婚式を挙げられたことへの喜び等を語る

ウェルカムスピーチなら披露宴へのこだわり紹介も可

結びの言葉

・ウェルカムスピーチ
今日は楽しんでほしいという気持ちを伝える

・謝辞
祝ってくれたゲストへのお礼

上記の表のように三部構成で挨拶文を組み立てますが、本題部分はスピーチに使える尺によって文章量を調整する必要があります。

長くても5分以内に収まるようなスピーチにすると、聞き手の集中力も落ちませんよ。

結婚式のスピーチの構成:ゲストのスピーチ

ゲスト側のスピーチは、

  1. 祝福の言葉
  2. 自己紹介
  3. 新郎新婦とのエピソード
  4. はなむけの言葉

という四部構成にすると綺麗にまとまります。

構成 内容
祝福の言葉 新郎新婦及び両家に結婚のお祝いを述べる
自己紹介 新郎新婦とどんな関係なのかを説明
新郎新婦とのエピソード 新郎新婦の人柄が分かるようなエピソードを語る
はなむけの言葉 これからの結婚生活への幸せを祈る

あくまで主役は新郎新婦ですので、うっかり自分や会社のことを話しすぎないよう注意しましょう。

結婚式のスピーチ例文:ウェルカムスピーチ

ここからは、結婚式のスピーチ例文をご紹介していきます。まずはウェルカムスピーチから。ゲストの披露宴への期待感を高められるような、明るい内容にできるのがベストです。

構成 例文
冒頭の挨拶 本日はご多用の中、私たちのためにお集まりいただき、誠にありがとうございます。このようにたくさんの方々がお越しくださったこと、大変喜ばしく思っております。心よりお礼申し上げます。
本題

先ほど、この近くの△△教会にて親族のみの挙式を行い、夫婦の誓いを立ててまいりました。自分たちが晴れて夫婦となった姿を、一番にお互いの両親に見せられた事への喜びとともに、改めて妻と幸せな家庭を築かなければと、決意を新たにしました。

さて、これから皆様に楽しんでいただくお料理とお酒は、事前にすべて二人で試食試飲して、今日だけのオリジナルメニューに決めさせていただきました。どれもこだわり抜いたお料理ばかりですので、ぜひお楽しみいただければと思います。

結びの言葉 私たちが日頃からお世話になり、大切に思っている方々をお招きして祝宴を開くことができましたこと、大変嬉しく思っています。短い時間ではございますが、どうぞごゆっくりおくつろぎください。

披露宴の前に挙式を終えていて、挙式への参加者が限られていた場合は、事後報告という形で挨拶に盛り込むのもアリです。

ウェルカムスピーチですので、しんみりとした雰囲気ではなく、ワクワク感を掻き立てるような方向性にしましょう。

結婚式のスピーチ例文:謝辞

続いて、謝辞の例文です。結婚式における謝辞とは、出席いただいたゲストへの感謝を述べる一幕です。

新郎の父、もしくは新郎自身が行うスピーチですが、最近では新郎が話すのが一般的なスタイルになってきているようですよ。

構成 例文
冒頭の挨拶 本日は私たちの結婚式にお越しいただき、誠にありがとうございました。こうして無事に式を挙げることができましたのも、ひとえに皆様の温かなご協力があったからこそです。
本題

優香さんとは、現在も共に勤務しております△△社で出会いました。同期ということもあり、打ち解けるのに時間は掛かりませんでしたが、誠実な仕事ぶりといつでも前向きな姿勢に惹かれ、いつの間にか優香さん自身のことをもっと深く知りたいと思うようになりました。

お付き合いを始めたばかりの頃も同じことを思いましたが、今こうして優香さんの隣にいられることが、夢のように思えてしかたがありません。共に手を取り合い、幸せな家庭を築き上げてゆくことを、強く胸に決意しております。お互いを労わりながら、共に人生を歩んでゆく未来を、私たちはここに誓います。

結びの言葉 まだまだ未熟な二人ではありますが、皆様にはこれからも変わらぬご指導とご鞭撻をいただき、どうか温かく見守っていただければ幸いです。ご参列賜りました皆様、本日は誠にありがとうございました。

出会いの経緯や将来への決意など、「これまで」と「これから」について語るようにすると、あまり悩み過ぎずに話す内容が浮かぶかと思います。

感謝で始まり、感謝で終わるような構成で組み立てるようにしましょう。

結婚式のスピーチ例文:主賓スピーチ

次からはゲスト側のスピーチ例です。まずは主賓スピーチから見ていきましょう。

構成 例文
祝福の言葉 井上君、マキさん、ご結婚おめでとうございます。そして、両家のご家族やご親族の皆様にも、心よりお祝い申し上げます。
自己紹介 ご紹介に預かりました、井上君の勤務先上司の山田でございます。僭越ではございますが、ご挨拶をさせていただきます。
新郎新婦とのエピソード

新郎の井上君が入社したのは、今から5年前のことになります。
営業部に配属された井上くんは、入社後間もない頃から優秀な仕事ぶりを発揮しており、その姿を大変頼もしく思ったことが、まるで昨日のことのように目に浮かびます。

フットワークが軽く、いつも前向きに業務にあたっている井上君には、こちらも負けていられないと常日頃思わされています。彼の誠実さと明るい性格があれば、きっと温かな家庭を築くことができる。私はそう信じています。

新婦のマキさんとお目にかかるのは本日が初めてでしたが、式の前に少しお話をさせていただいたところ、はつらつとした表情と聡明さが魅力的な方だという印象を受けました。マキさん、どうか井上君とともに、明るい未来を歩んでくださいね。

はなむけの言葉

私自身も未熟者ではありますが、これから結婚生活を送ってゆく新郎新婦のお二人に、一言だけアドバイスをさせていただきます。それは、夫婦円満の秘訣は毎日の何気ない挨拶にあるということです。

仕事柄、帰りが遅くなり、ゆっくりとコミュニケーションを取る時間も無いという日が、この先あるかもしれません。ですが、そんな時こそ些細な挨拶を交わし、お互いの存在を慈しむことを忘れないよう心がけることができれば、自ずと思いやりに満ちた家庭を築くことができるでしょう。

長くなりましたが、お二人の輝かしい未来をお祈りして、お祝いの挨拶とさせていただきます。末永くお幸せに。

仕事にまつわる具体的な様子や、新郎新婦の人柄がわかるような話しを盛り込むと、聴きごたえのあるスピーチになります。

また、はなむけの言葉では、自身の体験や格言からアドバイスを語るのもいいでしょう。説教臭くならないよう、適度にまとめることを意識してくださいね。

結婚式のスピーチ例文:乾杯の挨拶

続いて、乾杯の挨拶の例です。友人・上司・親戚など、新郎新婦とどのような関係性であっても頼まれる可能性があります。

構成 例文
祝福の言葉 翔太君、由梨枝さん、ご結婚おめでとうございます。ご両家の皆様におかれましても、心よりお祝い申し上げます。
自己紹介 ただいまご紹介いただきました、新郎の友人、吉田と申します。誠に僭越ではございますが、乾杯の音頭を取らせていただきたいと思います。
新郎新婦とのエピソード 翔太君とは小学生からの幼馴染で、高校まで同じ学校に通っていました。翔太君は昔から少し心配になるくらい人が良く、困った時にはいつも手を差し伸べてくれる存在で、私は憧れのようなものを彼にずっと抱いてました。私が知る中で、翔太君は誰よりも優しく、気のいい男性です。由梨枝さん、どうか彼と幸せな家庭を築いてくださいね。
はなむけの言葉

それでは、新郎新婦の末永い幸せと、ご列席の皆様のご多幸を祈念いたしまして、乾杯をしたいと思います。

皆様、ご唱和お願いいたします。乾杯!

乾杯前の挨拶になりますので、長くならないよう気をつけましょう。最後に「乾杯!」の一言で、会場に乾杯を促すことを忘れないようにしてくださいね。

結婚式のスピーチ例文:友人スピーチ

次に、友人スピーチ例のご紹介です。友人スピーチとはその名の通り、友人から新郎新婦に贈るスピーチになります。

仲のいい友達が結婚する時、頼まれるかもしれないという心構えをしておきましょう。

構成 例文
祝福の言葉 良平さん、桃子さん、並びにご家族の皆様、本日は誠におめでとうございます。
自己紹介 ただいまご紹介にあずかりました、友人代表の柚木と申します。桃子さんとは、高校の同級生でした。
新郎新婦とのエピソード

同じ演劇部に所属していたこともあり、桃子さんとはすぐに仲良くなりました。当時から明るく人気者だった桃子さんは、いつも笑顔を絶やさず、その姿に救われた数は両手の指ではとても足りません。楽しいことばかりではない毎日も、隣に桃子さんがいてくれるだけで、かけがえのない日々になるような心地でした。

卒業してからもそれは変わらず、桃子さんに会える日を指折り数えて楽しみにしていた程、私は桃子さんのことが大好きでした。良平さんとの結婚の報告を受けた時には驚きましたが、桃子さんの朗らかさと、良平さんの穏やかな優しさにあふれた家庭は、きっと幸せなものになることと思います。

はなむけの言葉 寂しい気持ちも少しだけありますが、それ以上に喜びで胸がいっぱいです。良平さん、私の大切な友達をどうかよろしくお願いします。お二人の幸せを、心からお祈りしています。

堅めの呼び方にどうしても違和感を覚えてしまう場合、

「かしこまると緊張してしまいそうなので、いつものように▲▲ちゃんと呼ばせてください」

と前置きをすれば、多少砕けた呼び方をしても大丈夫です。友人ならではのエピソードを、情感たっぷりに読んでみましょう。

結婚式のテーブルスピーチが回ってきたら?

事前に知らされているなら安心ですが、テーブルスピーチは結婚式の当日にいきなり指名されることも少なくはありません。

備えあれば憂いなしですので、あらかじめ「新郎新婦の人となりが分かるエピソード」を頭に入れておきましょう。

  1. お祝いの言葉
  2. エピソード
  3. 締めにもう一度お祝いの言葉

という順で話す、ということを忘れないようにしておけば、混乱して支離滅裂なスピーチになってしまうことはないかと思います。

その場でスラスラ話せる自信が無い方は、軽く予習をしておくと安心ですね。

結婚式のスピーチで注意することは?

結婚式のスピーチで、お祝いムードに水を差してしまうことは極力避けたいものです。注意すべき点をしっかりと確認しておき、当日のスピーチを成功させましょう!

新郎新婦を傷つける・聞き手が不快になる話題はNG

たとえ最終的に上げるための布石でも、新郎新婦を貶めるような発言はNGです。

また、新郎新婦の過去の恋愛に触れたり、「新郎が新婦の愚痴を言っていた」というようなマイナスの暴露話も避けましょう。

加えて、他のゲストが聞いていて不快になるような話題も出しません。間違っても、下品だったり、誰かを傷つけるような発言はしないようにしてくださいね。

奇抜なスピーチは諸刃の剣

奇をてらったスピーチは、面白ければ会場を湧かせることができるでしょう。ですが、多くの場合は思いっきり滑って終わります。

会場の雰囲気も微妙なものに様変わりしてしまいますので、スピーチの腕によっぽどの自信がない限り、誠実さを意識した内容にした方が安全です。

長くなりすぎないよう気をつける

どれだけ感動的な内容のスピーチでも、長々と話していれば聞いている方は飽きます。長くても5分前後の内容にまとめることを意識しましょう。

忌み言葉・重ね言葉は使わない

日常的に使っていても、結婚式にはふさわしくないという言葉が多数あります。すべてを把握するのは難しいかもしれませんが、極力使わないように努力する必要がありますよ。

別れ・再婚を連想させる言葉 最後に、去る、失う、去る、終わる、離れる、別れる、切れる、嫌う、飽きる、疎遠になる、冷える、繰り返し、再び、何度も
不幸を連想させる言葉 亡くなる、苦しい、朽ちる、病気、倒れる、壊れる、泣く、崩れる、滅びる、流れる痛ましい、衰える、倒れる
重ね言葉 時々、いよいよ、重ね重ね、わざわざ、たまたま、いろいろ、たびたび、どんどん、だんだん、しばしば、みるみる、日々、 相次いで

結婚式のスピーチは構成さえ分かれば怖くない!

結婚式でのスピーチと聞くと、何か大層なことを話さなければいけないのかと不安になってしまう気持ちもあるでしょう。

ですが、構成さえ覚えてしまえば、結婚式のスピーチはそこまで複雑なものではありません。

スピーチの内容が良ければ、それだけ自信もつくはず。当日を堂々と迎えられるよう、完璧なスピーチ文を目指して文章を組み立てましょう!

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