結婚を考えた時に、結婚相手に求める条件として収入面を挙げる方は少なくありません。「現在の年収で安定した結婚生活はできるのか」「結婚するために必要な収入の最低ラインはどのくらい?」など、結婚するにあたってお金の面で、不安や心配を抱えている方は多いのではないでしょうか。
そこで、出産や子育てなど結婚するとかかる費用がどのくらいか、幸せな結婚生活を送るために必要な収入の最低ラインはいくらくらいかなど、併せて考察していきましょう。
目次
結婚生活に必要な年収の最低ラインは490.3万円
はじめに、結婚生活に必要な年収の最低ラインがどれくらいなのかを見ていきましょう。
平成26年に発表された厚生労働省の調査によると、「 結婚生活をスタートさせるにあたって必要だと思う夫婦の年収(税込み)はどのくらいだとお考えですか」の質問に対し、平均490.3万円という結果が出ました。
一人で490万と考えるとハードルが高く感じられるかもしれませんが、共働き世帯が増える今、夫婦二人で490万に達すればよいと考える方も少なくありません。
自分たちの望む生活スタイルを想定するためにも、結婚生活で必要となる最低ラインをチェックしていきましょう。
参考サイト結婚できる年収の最低ラインは400万?
1か月あたりの生活費平均は22万円
生活費とは、生活のために必要となる費用のことを指します。安定した結婚生活を送るためには、生活費に含まれる項目が何かを把握しておくことも大切ですので、ご紹介していきます。生活費と称される主な内訳は、以下のとおり。
- 住居費
- 食 費
- 公共料金(水道・電気・ガス)
- 通信費(携帯電話・プロバイダー・ケーブルテレビ代など)
- マイカー維持費(ガソリン代・駐車場代・自動車保険・自動車税など)
- その他(保険費、被服費、雑貨、外食費、レジャー費など)
リクルートブライダル総研の新生活準備調査2016によれば、1か月あたりの生活費の平均は22万円(夫婦二人)という結果でした。
上記の値はあくまでも統計的な平均値であり、年収が同じでも共働きかどうかによっても生活費にかかる費用は変わってきますので、一定の基準として家計の収支バランスに取り入れてみるといいでしょう。
データ参照:新生活準備調査2016(リクルートブライダル総研調べ)
日本人の平均年収は436万円
職種や年齢によりますが、周りの人がどれくらいの年収を貰っているのか、または自分が貰っている給料は平均的かどうかなど、いろいろと気になるものですよね。
令和2年に発表された国税庁の民間給与実態調査によると、日本人の平均年収は436万円という結果となりました。上述した「結婚生活に必要な年収の最低ライン」は490.3万円となりましたが、平均年収はそれを下回る結果となりました。
- 300万円~400 万円以下:17.0%
- 200万円~300万円以下:14.9%
- 400万円~500万円以下:14.6%
- 500万円~600万円以下:10.1%
- 1,000万円~1,500万円以下:3.5%
- 2,000万円~2,500万円以下:0.2%
国税庁の給与階級別分布によると300万円~400万円以下の割合は17%と、日本人の中で最も多い年収額となっています。
結婚生活に必要な490万というラインは思ったよりもハードルが高いことが分かります。
データ参照:国税庁「令和元年分 民間給与実態調査」
年収だけでなく手取りも知っておこう
なんとなく、年収をみて「このくらいは最低ライン」と考えている方もいるかもしれませんが、現実的な生活を想定したときに額面だけではなく手取りについても知っておく必要があります。
額面が高くても税率の関係で手元に残る額は少なくなるということもあるので、しっかりと把握しておきましょう。
年収とは?
年収とは、会社から年間で支払われた総支給額のことを指します。「基本給」「諸手当」「賞与」「残業代」「家族手当」これら全てを含めた1月~12月までに会社から支払われた金額のことであり、「額面年収」と呼ばれることもあります。
手取りとは?
手取りとは、所得税や住民税などの各種税金、厚生年金、保険料などが差し引かれた金額のことです。手元に残るお給料のことで、総支給額から「控除の合計額」を引いた金額は、一般的に給料明細に「差引支給額」として記載されます。
新生活の準備費用、出産・子育てなどにかかる費用をチェックしよう
次に、結婚後にかかってくる基本的な費用をチェックしていきましょう。今後マイホームを検討している場合や子どもを望む場合など、自分たちが結婚してからどのように過ごしていきたいかによって、かかってくる費用はさまざまです。
結婚後にかかる代表的な費用の平均を、一部抜粋してご紹介していきたいと思います。
- 新生活準備費用:72.3万円
- 妊娠・出産にかかる費用:約17万円
- 子育ての費用(第一子3歳まで):約380万円
新生活準備費用
リクルートブライダル総研「新生活準備調査2016 調べ」によると、インテリアや家具等の購入における新生活の準備費用は、72.3万円という結果となりました。
妊娠・出産費用
妊娠・出産の際には「出産育児一時金」が42万円支給されるので、17万円は出産の準備をするタイミングで必要な費用となってきます。また共働き家庭の場合、女性が育児による離職や休職をした場合の計画的な収入プランを立てていくことが、大切となってくるでしょう。
子育て費用
内閣府「平成21年度インターネットによる子育て費用に関する調査」で、第1子の子育て費用として(衣類・食費・保育・教育・貯金など含め)3歳までに約380万ほどかかるとされています。
その他の費用
この他にも、結婚式を検討している場合や新婚旅行を計画したい場合など、お二人が望む結婚のスタイルによって、必要となる費用がさらに加算されることとなります。例えばマイホーム検討を考えている場合、月々のローン返済は10万~12万円程度となっており、購入時の年齢によって返済期間も変わってきますので、夫婦で返済期間を含めたライフプランを早いうちから相談しておくと良いでしょう。
データ参照:新生活準備調査2016 リクルートブライダル総研 調べ
データ参照:内閣府「平成21年度インターネットによる子育て費用に関する調査」
ライフプランと併せて必要な年収を考えよう
「結婚生活に必要な年収の最低ライン」は490.3万円というデータはあるものの、住む場所や年齢、共働きか子供はどうするかなど、それぞれのライフプランによって必要な年収は変わってきます。
結婚するうえでお金について考えることはとても大切なこと。何にお金がかかるのか、自分の希望を叶えるためにどのくらいの費用が掛かるのか、一度洗い出すのもおすすめです。不安な場合には専門家に相談してみるのも良いでしょう。
一概に490万ないから結婚できない、生活が苦しくなると決めつけるのではなく、自分自身のライフプランと併せて必要な年収を検討していきましょう。