結婚挨拶の場所や食事は実家・レストラン?「結婚の挨拶」の滞在時間と流れ

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結婚の報告や承諾を得るために自分や相手の両親にご挨拶に伺います。当日はとても緊張するでしょう。滞在時間中に、どのような立ち居振る舞いをして、会話のどのタイミングで「結婚させてください」と切り出すか、流れを押さえておくとスムーズです。自宅以外のレストランなど、お店を指定されたケースの結婚挨拶の流れを紹介します。

結婚の挨拶に行く前に事前準備をする

結婚の挨拶に行く前に、その日のための事前準備は済んでいますか?

  • お互いのご両親のプロフィールや情報集め
  • 当日の会話のための話題選びとシミュレーション
  • 結婚の挨拶に着ていく服装チェック
  • 当日持参する手土産選び

など、二人で話し合って準備しておきたいところです。

また、結婚挨拶の流れ、食事や場所も事前に下調べしておくと良いでしょう。

実家編:結婚挨拶の流れと注意点

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結婚挨拶の場所が実家の場合の流れと注意点を紹介しています。

実家での挨拶の流れ・シミュレーションチャート

相手の実家に結婚の挨拶をしに行った場合の流れのシミュレーションです。

  1. 実家に到着。身だしなみをチェックしてからチャイムを押す。
  2. 玄関先でご両親に挨拶。許可を得てから家に上がる。
  3. 居間に通される。席に着く(座る)前に手土産を袋から出して渡す。
  4. 全員が席に着いたら改めて挨拶をする。
  5. まず歓談を挟んで場を和やかにする。
  6. すぐに本題の結婚の承諾について切り出す。
  7. 本題の結婚を承諾してもらいたい件について切り出す。
  8. 挨拶後の歓談。結婚を承諾してもらえたら、顔合わせや結婚式についてなど。
  9. 二時間を目安に男性からおいとまを切り出す。
  10. 立ち上がる際には自分の席を整えてから。立ち上がったら挨拶を。
  11. この後に食事に誘われたら一度は辞退。もう一度誘われたら拒まずぜひ食事を。
  12. 玄関先で挨拶を。スリッパは重ねずに脇に寄せる。
  13. 玄関先で見送られたら一度振り返り会釈を。
  14. 帰宅後、ご実家に電話をして無事についたことと、今日のお礼を伝える。
  15. 挨拶の2~3日以内にお礼状を出す。

実家に伺う場合の訪問時間・滞在時間

実家に伺う場合の時間のかけ方での、マナーの判断基準は「先方にできるだけ手間をかけさせないようにする」考え方です。

訪問時間…ベストタイムは14時

特に両親サイドからの指定がなければ、昼食の用意がいらず、夕食の準備にとりかかる前の14時を指定しましょう。

訪問のタイミング…約束時間の2~3分後を目安に

実家サイドの準備を考慮します。両親は訪問時間に合わせて準備を終えて、二人の到着を待っていることが予想されるため、約束の時間ジャストではなく、ひと呼吸置いた2~3分後にチャイムを鳴らすのがおすすめ。5分すぎると本当に遅刻したと思われてしまうので、あくまでひと呼吸置いたタイミングで。

滞在時間…1.5時間~2時間以内で

今回の訪問の目的は「結婚への許可を承諾してもらう」こと。そのために両親の時間を割いてもらっているので、本題以外での長居はしないことがマナーです。

着席するときの座席位置と注意点

座る位置はマナーや礼儀に関わるので普段は意識しないかもしれませんが注意しましょう。

上座・下座…指定がなければ下座に着席

上座・下座
上座・下座

居間に通された際に、両親から特に座席位置を指定されなければ、二人は「下座」に座るのが正解です。下座を判断するのは部屋の入口。入口から近い位置にある席が下座になりますので、覚えておいてください。

下座に座ろうとして上座をすすめられた場合は、両親の指示に従いましょう。

手土産の渡し方…着席前がベスト

手土産を渡すタイミングは、居間に通され、席に着く際に、全員がそろったタイミングがベストです。着席前に、袋から手土産を出し両手を添えて差し出します。

「美味しいと評判のお菓子と聞いて」「私の実家のあたりでとても人気のもので」など、何か一言添えてお渡しするのが好印象です。

歓談の内容と会話の進め方

結婚の挨拶はコミュニケーションの場でもありますので歓談は重要です。

会話の切り出し…切り出しは男性主導で

挨拶から話題のきっかけ、本題の切り出し、おいとまの切り出しなど、会話と場の流れの主導は、男性が主導するほうが好ましい印象です。特に、男性側のご実家に女性が挨拶で伺う際には、本題の結婚の挨拶やおいとまに関して女性からは切り出しづらいものです。二人でタイミングを事前に打ち合わせして、この場は男性に仕切ってもらいましょう。

本題前の歓談内容…プロフィール・季節・気候・趣味

結婚の承諾についての本題を切り出す前の歓談は、お互いの自己紹介や季節の話題など、あたりさわりなく場が和むものから話をすすめましょう。

本題後の歓談内容…結婚について

本題を切り出した後はだいぶ気持ちが軽くなっているため、比較的会話もスムーズに進むはず。ただ、両親は今後の二人について、いろいろ聞きたいでしょう。

結婚や結婚式に向けて、既に二人の間で具体的に話が進んでいるようであれば、そのあたりについてご両親に相談しましょう。両家顔合わせについても、このタイミングでおおまかに予定を聞いておくとベターです。

本題「結婚の承認の申し込み」の切り出し方

本題の切り出し方は、会話の流れやご両親の雰囲気などでタイミングが変わるため、一概にこれが正解とは言えないこともあります。大切な話ですから、切り出す男性側がベストと思ったタイミングが一番です。一般的にベストと言われるタイミングを2つ挙げておきます。

歓談を挟む場合

初対面であったり、雰囲気が落ち着かずに大事な話をするような空気でなければ、全員が落ち着くタイミングまで歓談で場を和ませるようにしましょう。

多少自分の人柄がわかってもらえた上で切り出したほうがスムーズですし、両親も心の準備をする余裕があり、なにかと失礼がありません。

すぐに本題を切り出したほうがいい場合

実家に伺うアポイントを取った段階で、今日何の話をしにきたか、すでに両親も知っているはず。そのため、最初からそわそわしてしまっている…という空気であることも多いようです。こういった場合は日常会話を挟むとじれったく思われてしまうこともあるので、最初から本題を切り出したほうがいいことも。自分の性格的に会話が弾んでしまうとなかなか本題にたどりつかないと予想できたり、会話の切り出し方にあまり自信がないようであれば、全員そろって着席し、お茶を出されひと呼吸おいたタイミングで、切り出すようにしてもいいでしょう。

食事の誘い・宿泊の誘いの対応

結婚式の挨拶のあと、両親からこの後の食事や泊をすすめられることがあります。その場合の対応も検討しておきましょう。

食事の誘いは一度は断るのがマナー

結婚の挨拶の後、「この後予定がなかったら家で食事でも」「どこか外に食事に行こう」

と誘われることがあります。この場合は、両親に食事の用意の手間をかけさせてしまったり、時間を割いてもらう形になるので、一度は辞退するのがマナーです。あくまで自分の都合ではなく、両親に申し訳ない、といった辞退の形を取りましょう。

「用意していただく手間をかけさせてしまうので、また日を改めて」「これ以上お時間を割いていただくのも申し訳ないので」といった前置きをするとかどが立ちません。

ただ両親サイドは、気遣いから既に食事が用意されていたり、結婚が決まった喜びを分かち合いたいと思っていることがほとんどです。ぜひ、ともう一度言われたら喜んでお誘いをお受けしましょう。

遠方で宿泊を勧められたら…事前にホテルを予約し断るのがマナー

食事と違って、少しハードルが高い宿泊の誘いです。パートナーの実家が遠方で、宿泊が必要な距離であれば、男性・女性ともに自分の宿泊先は事前に予約しておき、パートナーには実家に泊まってもらいましょう。

宿泊を実家で用意していただくのはかなり手間をかけさせること。婚約後や結婚後は甘えさせていただくこともあるでしょうが、挨拶の時は宿泊を勧められても、予約を理由に辞退したほうが無難です。もともとパートナーの両親と温かい関係が築けているようであれば、その限りではありません。

結婚の挨拶後の「お礼の電話」「お礼状」の現状

結婚の挨拶の後、帰宅後にお礼の電話をする、お礼状を書いて出す、というマナーがあります。最近の傾向としては、電話をかけるのは大げさと受け取られることもあるようです。夜21時以降の電話は不安を与えることもありますので、遅くなってしまったら、やめて翌日にしておきましょう。直筆でお礼状をしたためるか、お礼の電話にするか、どちらか一方にすることが現在は多いようです。

お店・レストラン編:結婚挨拶の流れと注意点

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結婚挨拶と食事を兼ねてお店やレストランで行う場合の流れと注意点を紹介しています。

お店での挨拶の流れシミュレーション・チャート

お店やレストランで結婚の挨拶を行った場合の流れのシミュレーションです。

  1. 予約のレストラン前に5~10分前には到着し、身だしなみを整える
  2. レストラン前でご両親と待ち合わせをする。お会いしたらすぐ挨拶をする。
  3. お店に入る。個室に通されたら、着席前に手土産を渡す。
  4. 水のグラスが運ばれてきたら改めて挨拶。挨拶後、コース・飲み物などを注文する。
  5. 料理が出てくる前に、本題の結婚を承諾してもらいたい件を切り出す。
  6. 料理が運ばれてきたら和やかに歓談を。内容については自宅編参考に。
  7. 食事がすべて済み、歓談が一区切りついたところで会食のお開きを切り出す。
  8. 支払いはトイレに行く際などに事前に済ませる。
  9. 全員が立ち上がったらもう一度挨拶をする。
  10. レストランを出て、帰路が分かれる際に、最後の挨拶をする。
  11. ご両親をお見送りする。
  12. 今日のお礼の電話、お礼状などの配慮を。

レストランの手配の際の注意点

両親が住む自宅以外を希望された場合は、落ち着いて話ができる場所を手配します。自宅以外での結婚の挨拶は、食事をしながらゆっくりと、というケースがほとんどです。

場所は両親の自宅寄りの場所で、アクセスがいい店を検討しましょう。よく選ばれるのは、落ち着いて静かな時間が過ごせるレストラン・料亭・ホテル内のレストランがおすすめです。人目を気にせずに話せるよう、必ず個室がある店で。和洋中など料理の内容は両親の食の好みを聞いて選びましょう。

レストランの場合の訪問時間・滞在時間

レストランで挨拶をする場合の訪問時間と滞在時間を見ていきましょう。

待ち合わせ時間

時間帯は、両親の都合を聞いて、ランチかディナーどちらがいいか選んでもらえるといいでしょう。
特に指定がない場合は、帰りがあまり遅くならない時間で配慮しましょう。

待ち合わせ場所

お店の前や最寄り駅で待ち合わせをして、一緒に店内に入ります。
待ち合わせ場所には決してお待たせしないように、5~10分前には到着しているようにしましょう。

滞在時間

ゆっくり食事と会話を楽しんだとして、2~3時間ほどの滞在が目安です。

お店で着席の際の座席の位置と注意点

実家への挨拶同様にお店やレストランでも座る位置には注意しましょう。

上座・下座

お店の上座・下座
お店の上座・下座
お店の上座・下座

レストランや料亭で個室の場合の上座・下座の考え方は、基本は入口から遠い場所を上座・近い場所を下座としますが、部屋の作りによって通常と決め方が異なるケースがあります。

個室で長めのいい窓がある場合は、窓がよく見える佚を上座として、上座から左に順番が下りていきます。

料亭で床の間がある場合は、床の間を上座として、床の間から見た左を上座・右を下座とします。

手土産の渡し方

一般的な丁寧なマナーでは、自宅訪問と同じように紙袋から手土産を取り出して渡し、その後に「こちらをお使いください」と紙袋を渡すことになっています。

ですが、お店の中で手土産を渡すのに、袋から出して渡すのは少々不自然です。最近のビジネスマナーでは、個室に通された後に、渡すタイミングは席に着く前なのは自宅と変わりませんが、袋に両手一言を添えて自然にお渡ししましょう。

本題「結婚の承認の申し込み」の切り出し方

レストランなどお店で結婚の挨拶をする場合、本題である結婚の承認の切り出すタイミングは、料理が来る前に済ませることをおすすめします。

というのも、料理を目の前にしながら話すシチュエーションは、真剣な話には向いていません。席につき、お冷やがテーブルに配られメニューを頼んだ後の、料理が出てくるまでの間が、切り出すベストタイミングになります。

支払いのタイミングと負担分担

支払いはこちらで済ませます。事前に、パートナーとどちらがどれだけ負担するのかを話し合っておきましょう。会話と食事が一通り済んだタイミングで、お手洗いに行く際に会計を一括で済ませておくのがスマートです。

結婚挨拶で親から反対された場合の対応

結婚の挨拶の場で、結婚を反対されてしまうこともあります。理由はさまざまですが、その際にその場で「なんでダメなんですか?」など食い下がるようなことをすると、関係が悪化してしまう恐れがあります。その場は一度話を持ち帰らせてもらい、パートナーから両親に反対の理由を聞いてもらいましょう。その部分を改善または解決した上で、また改めて挨拶に伺うことをおすすめします。

結婚挨拶の流れを把握して臨もう

結婚の挨拶は緊張しているうえに、礼儀・マナーに気を配ることも多いため、事前に流れや会話のきっかけ、タイミングを知っておくことで、だいぶ気が楽になると思います。多少間違いやしくじりがあっても、誠実な対応でのぞむことが大切です。

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