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神前式で結婚式をおこなうとき、招待状へどのように説明を記しておくとよいのでしょうか。招待状の基本構成から、神前式で多くみられる親族のみや、挙式のみのパターン別での文例もご紹介します。
目次
結婚式の招待状、基本構成
神前式であっても、通常の結婚式と同じような構成で招待状は書きます。招待状に記す内容は以下のようになります。
必ず記す内容
・頭語・結語
・時候のあいさつ
・本文
・差出日
・挙式と披露宴の日時・結婚式場の案内
・返信期日
・差出人(新郎新婦、親)
招待状はあいさつ言葉である「頭語(とうご)」から始まり、締めの言葉である「結語」で終わります。頭語と結語には決まった組み合わせがありますので、確認して記しましょう。頭語のあとは、時候のあいさつ(季節のあいさつ)から文章を始めます。結婚式の時期ではなく「招待状をだす時期」の言葉を選ぶことがポイントです。本文が終わり、結語で結んだら、招待状の差出日を入れます。差出日は具体的な日にちまで、書く必要はなく、「〇年〇月 吉日」と書けば問題ありません。差出人は、新郎新婦の立場や家族の状況、招待するゲストによっても、変わってきます。新郎新婦だけで判断せず、両親に相談をして差出人を決めましょう。
場合によって記しておく内容
・ドレスコード
・挙式のみで、ご祝儀をいただかないとき
神前式は控室が畳であることや、儀式で神殿に上がるなど、靴を脱ぐ機会もあります。会場の環境を記しておくと、ゲストが服装を選ぶときに安心です。また、挙式のみ神前式でおこなう場合は、招待状に書いて送るのがおすすめです。その際には「ご祝儀などのお心遣いはなさいませんようお願い申し上げます」と一文付け加えましょう。
神前式の結婚式 招待状文例
差出人 新郎新婦の場合
謹啓 〇〇の候
皆様にはご健勝のこととお慶び申し上げます このたび私たちは 結婚式を挙げることになりました
つきましては 皆様により一層のご指導を賜りたく
神前式にて挙式をおこないたいと存じます
お多用とは存じますが ご出席賜りますよう
ご案内申し上げます
謹白
令和〇年〇月吉日
新郎氏名
新婦氏名
記
令和〇年〇月〇日
挙式 午前〇時
場所 〇〇神社
東京都〇〇〇
電話番号 03-1234-5678
なお お手数ですが ご出欠のお返事を 〇月〇日までに賜りますよう お願い申し上げます
入籍して間もない場合や、報告がまだのときには、新姓のあとに旧姓を併記するようにします。招待状を発送したあと、結婚式の前に入籍するケースでは、旧姓を記載します。
差出人 親の場合
謹啓 〇〇の候 皆様には益々ご清祥のことと
お慶び申し上げます
このたび
〇〇(新郎父もしくは母の名)次男 〇〇(新郎の名)
〇〇(新婦父もしくは母の名)長女 〇〇(新婦の名)
は結婚式を挙げる運びとなりました
つきましては 幾久しくご懇情を賜りたく
神前式にて挙式をおこないたいと存じます ご多用中誠に恐縮ではございますが
ご来臨の栄を賜りたく
謹んでご案内申し上げます
謹白 令和〇年〇月吉日
新郎父または母姓名
新婦父または母姓名
(以下略)
親を差出人にする場合は、子どもたちが結婚することになったので、式にお越しくださいと招待する内容になります。親の連名で招待状をだす場合は、丁寧で格式高い文章にすることが一般的です。
ケース別でみる、神前式招待状の書き方
神前式のパターンが違っても、基本構成をベースにして、結婚式の内容を考慮した文面に仕上げましょう。
親族のみ
謹啓 〇〇の候
皆様にはご健勝のこととお慶び申し上げます かねてより お知らせさせていただいておりましたが
この度 私たちは結婚式を挙げることになりました
つきましては 日ごろお世話になっております皆様のお立ち会いのもと
神前式をおこないたく存じます
お多用とは存じますが ご出席賜りますよう
ご案内申し上げます
謹白
令和〇年〇月吉日
新郎氏名
新婦氏名
なお 既に出席をご快諾いただいておりますので 返信はがきは省略させていただきました
ご了承ください
記
令和〇年〇月〇日
挙式 午前〇時
場所 〇〇神社
東京都〇〇区〇〇〇
電話番号 03-1234-5678
神前式では、ふたつの親族同士が結びつく考えにのっとった儀式もあり、親族のみでおこなわれることも多いです。親族のみ場合、少人数で出席の確認が取れていれば、返信はがきは送らなくても問題ありません。その際は、文例のように返信はがきを省略することの断りを入れておくと親切です。
神前式のみ
謹啓 〇〇の候
皆様にはご健勝のこととお慶び申し上げます
私たちはこのたび 結婚することになりました
つきましては 親しい皆様の末永いお力添えをいただきたく
神前式で挙式をおこないたと存じます
ご多用中 恐縮ではございますが
ぜひご出席くださいますようお願い申し上げます
なお 誠に勝手ながら披露宴はおこないません
ご祝儀などのお心遣いはなさいませんよう お願い申し上げます
謹白
(以下略)
挙式だけのウエディングの場合は、ご祝儀を辞退することが多いようです。ゲストにも分かりやすく、ご祝儀について明記しておきましょう。このほかに、披露宴ではなく、挙式のみに参加してもらう旨が伝わるように記すことも大切。できれば招待状送付前に、事前に伝えておくと安心です。
神前式の招待状は、差出人や挙式パターンに合わせた文面にしよう
神前式であっても、招待状の内容は通常の結婚式と同じような構成で書きます。神前式の招待状のポイントは、ゲストが分かりやすいように、神前式で挙式をおこなうことをしっかり書いておくことです。招待状の差出人が親の場合は、丁寧で格式高い文章にすることが一般的になります。親族のみの場合は、事前に出欠の確認が取れていれば、返信はがきは必要ありません。このほかに、挙式のみのときは、ご祝儀の辞退を必ず明記しておきましょう。マナーを守って、心を込めた招待状の準備をできるとよいですね。