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「おもてなし婚」というスタイルをご存じですか?
これまでの人生でお世話になったゲストに感謝を伝えるため、おもてなしの精神を軸にして作り上げられた結婚式を指すようですよ。
最近取り入れられ始めた新しい価値観の結婚式、おもてなし婚は、どのような方法でゲストにおもてなしの心を伝えるのでしょうか?
目次
おもてなし婚って?
かつては新郎新婦のお披露目の場という意味合いが強かった結婚式も、次第にその在り方が変わりつつあります。
「自分たちの姿を見てもらいたい、結婚を祝って欲しい」という思いよりも、「これまでお世話になった方々へお礼の気持ちを伝えたい」と考える方が、増加傾向にあるようですよ。
ゲストに対する精一杯の感謝を示し、楽しかった、良い式だったと満足してもらいたい。そんな思いから、おもてなし重視の結婚式、「おもてなし婚」というスタイルが新しく打ち出されたのです。
次からは、おもてなし婚がどのような背景で生まれたのかを詳しくご紹介していきます。
おもてなし婚が生まれた背景
かつて主流だった結婚式の考え方として、第一に「お披露目」という意識が強い傾向がありました。
そのため、新郎新婦を華やかに演出するプログラムを中心に式が構成されていたのですが、新郎新婦の希望が最優先になるがあまり、ゲストへの配慮が疎かになってしまうことも珍しくはなかったのだとか。
例えば、
- 派手な演出、凝った衣装なのに料理や引出物が貧相
- 内輪ノリの余興ばかりで疎外感を覚えるゲストが続出
- ロケーションは良いがアクセスが悪い会場
- 新郎新婦の記念日や安いシーズンを優先し、暑すぎるor寒すぎる季節の結婚式に
といった具合で、どれを見ても参加したことを後悔してしまいそうですよね。
ですが、人々は次第に自分の幸せだけを追求した結婚式に疑問を感じ始め、「ゲストへの感謝」という要素を無視してはいけないと考える新郎新婦が増えていきました。
その結果、おもてなし婚というスタイルが台頭したのです。
ゲストが満足感を覚える結婚式の特徴を大まかに分類すると、
- 料理が美味しい
- 新郎新婦との触れ合いが多い
- 会場の一体感
- 新郎新婦からの心づかいが感じられる
という4つの軸があるようです。これらの項目を中心に、結婚式における「おもてなし」を考えるようにすれば、新郎新婦とゲストの両方が幸せに式を終えることができるはずですよ。
では、おもてなし婚のおもてなし例をいくつかご紹介していきましょう!
「おもてなし婚」のおもてなし例①:クオリティ重視の料理でアレルギーにも対応可
料理のクオリティは、ゲストの満足度を大きく左右します。
いくらゴージャスで感動的な結婚式だったとしても、料理の質が低いというその一点で、ゲストは「自分たちに使う費用をケチったのでは?」と疑問を抱いてしまうでしょう。
必ずしも最高ランクの料理を振舞う必要はありませんが、最低限式の内容に見劣りしないレベルは保っておくのが無難ですよ。
加えて、ゲストの食物アレルギーに対応した料理を提供できる式場を選ぶと、よりベストですよ。
「おもてなし婚」のおもてなし例②:お色直しは1回
ゲストは、新郎新婦の晴れ姿を見るために結婚式へ参加しています。
せっかくの結婚式だから色々な衣装を着たい、と思う気持ちは間違っていませんが、お色直しの回数を増やせば増やすほど、新郎新婦が中座する時間は長くなってしまいますよね。
中には、新郎新婦が席を外す時間の方が長くなってしまう結婚式もあるのだとか……。
少しでも長く新郎新婦とゲストが一緒の時間を共有するためには、お色直しの回数を削るのがもっとも有効です。
お色直しは多くて1回、あるいは全くしないという新郎新婦もいらっしゃるようですよ。
お直しの回数を減らした分の費用を他に充てれば、演出を少し豪華にしたり、料理の質を上げることもできちゃいます!
「おもてなし婚」のおもてなし例③:ゲストによって引出物を変える
ゲストの人数があまり多くない結婚式なら、ゲストごとに引出物を変えてみるのはいかがでしょうか。
自分のことを思って選ばれた贈り物をもらうことは、どの年代の方にとっても嬉しいものです。ましてや結婚式に参加するほどの仲だったら、それはなおさらでしょう。
一律の引出物に比べると、ゲストにとってその価値は何倍にも膨れ上がることは、想像に難くありません。
「おもてなし婚」のおもてなし例④:席札に手書きのメッセージ
席札に手書きでメッセージを記入し、おもてなしの心を伝えたという新郎新婦も。そのまま持ち帰ってもらえれば、ゲストの手元に結婚式の記念品として留めておくことができますよね。
普通にメッセージカードを書くよりも、「結婚式の思い出」としてより強くゲストの心にも残り続けるのではないでしょうか。
「おもてなし婚」のおもてなし例⑤:高砂を設けない
高砂があることによって、何となく新郎新婦に話しかけづらかったという経験はありませんか?それならばいっそ、高砂を設けないという考え方もありますよ。
新郎新婦とゲストとの物理的な区切りを取り払うことによって、心理的な距離もグッと近くなりますので、カジュアルな結婚式にはかなりおすすめです。
なお、フォーマルな結婚式にはあまり向かない場合がありますので、パートナーや両親と相談した上で取り入れるかを決めましょう。
「おもてなし婚」のおもてなし例⑥:ゲスト参加型の演出を取り入れる
内輪でいくら盛り上がる演出でも、当事者以外は確実に蚊帳の外になります。
すべてのゲストにとって「この時間ってなんなんだろう……」という瞬間を作らないために、余興を削ってゲスト全体が参加できる演出を取り入れるという手も。
新郎新婦がすべての席を回るような演出だと、会場の一体感が生まれるのに加え、新郎新婦とゲストとの触れ合いも増えるのでおすすめです。
おもてなし重視=新郎新婦の我慢ではない!
ここまで、ゲストへのおもてなしについてご紹介してきましたが、間違えていけないのは「おもてなし重視=新郎新婦の我慢」ではない、ということです。
ゲストは新郎新婦の幸せな姿を見るために式へ参加しているのに、当の本人たちが無理をしていることが伝われば、申し訳ない気持ちで胸がいっぱいになってしまうことでしょう。
自分たちのやりたいことを我慢しておもてなしに徹する、という考えは、結果的に誰のことも幸せにしません。
「新郎新婦の希望を叶えつつゲストへのおもてなしを忘れない」というスタンスで、うまくバランスを取りながら結婚式を作り上げて行くことが、おもてなし婚を成功させるコツですよ♪
おもてなし婚は新しい結婚式のカタチ!
新郎新婦とゲストの両者が幸せな気持ちで会場を後にする、そんな結婚式にできるのが理想的ですよね。
まだまだメジャーではないおもてなし婚ですが、結婚式に対する価値観の変遷をたどると、これから主流になって行く可能性は十分にあります。
結婚式を「お世話になった方々へ感謝を伝える儀式」とお考えの方にピッタリな、おもてなし婚という新しい結婚式のカタチを、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。