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婚姻届を出さず実質的な夫婦生活を営む事実婚。事実婚に特別な届け出はいりませんが、法的な手続きやサービスを受ける際には事実婚の証明を必要とする場合があります。
そんなとき事実婚を証明するために有効な証拠となるのが、自治体に対して住所や同居人を公的に登録する住民票です。
事実婚における住民票の役割や記載方法についてご紹介していきましょう。
目次
事実婚を証明するには?
当人同士に結婚する意思があり、共同生活を営んでいるのであれば事実婚として成立します。
そのため特別な届け出をする必要はありませんが、公的な手続きや各種サービスを受けるためには、事実婚であることの証明が必要です。
主な方法には、住民票の届け出や公正証書の作成などがあり、それらを準備しておけばスムーズに手続きを進めることができます。
事実婚における住民票
住民票は、住所や同居人・家族構成などを自治体に登録する公的な書類のため、事実婚の証明にも役立ちます。
事実婚において、二人が夫婦関係にあることを証明する場合に住民票の登録を行うのが一般的です。住民票のような公的証明があることで、受けられるサービスや権利の幅が広がります。
事実婚での住民票の記載方法
法律婚における住民票の記載(夫が世帯主の場合)は、続柄の男性記載の欄に「世帯主」、女性の欄に「妻」と記載されます。
一方、事実婚の場合、夫が「世帯主」なら妻は「妻(未届)」(逆の場合は「夫(未届)」)と記載できるのです。
この記載があれば、同居や同棲と区別することができ、婚姻の意思がありながら法律上の手続きを行っていないことも証明できます。
事実婚でこんな時はどうする?
事実婚といっても、カップルによって様々な事情がありますよね。事実婚の証明や書類の書き方に不安がある場合の解決方法をご紹介します。
事実婚だけど別居はあり?
事実婚を成立させるためには、同居や同一生計であるなど共同生活の実態が必要です。
しかし、中には仕事の関係で夫婦別々に暮らしている方もいるでしょう。その場合、事実婚として認められるのか不安になりますよね。
結論からいえば、お互いの認識が合致しており、双方が合意しているのであれば単身赴任などで別居状態にあっても問題はありません。
ただし、事実婚では同居していることがポイントの一つでもあります。そのため、同居をしていない理由が対外的に評価された場合、わかりにくいことが難点であるともいえるでしょう。
年末調整の世帯主はどうすべき?
法律上の夫婦ではない場合、書類の書き方で困る場面があると思います。中でも、年末調整の世帯主欄で迷ってしまうという人は多いよう。
事実婚のように正式に入籍していない場合、世帯主は以下のパターンが考えられます。
それぞれを世帯主とするケース
最もシンプルなのは、それぞれを世帯主とし世帯を別にしている事実婚です。この場合は、各々の年末調整申告書に「世帯主:本人の氏名」「続柄:本人」と記載します。
どちらかを世帯主とするケース
事実婚では同一世帯として登録し、どちらか一方を世帯主にすることが可能です。その場合、世帯主となった側は「世帯主:本人」と記入してください。
一方、世帯主ではない側は「世帯主:夫の氏名」「続柄:妻(未届)」または「世帯主:妻の氏名」「続柄:夫(未届)」と記載します。
事実婚の証明に役立つ住民票
事実婚は対外的に証明することが難しい関係のため、事実婚であることを証明する材料を揃えておくことが望ましいです。
そこで一役買ってくれるのが「住民票」。住民票は事実婚の証明に役立ち、事実婚を証明できれば、お二人が受けられるサービスや権利の幅が広がります。
充実した生活が送れるよう、事実婚における住民票の役割や重要さを知っておきましょう。