事実婚で子供ができたらどうする?必要な手続きや考えておくべきことを解説!

事実婚の妊娠© iStock.com/Prostock-Studio

結婚のスタイルが多様化し、事実婚や内縁のような夫婦の形も選択できるようになりました。しかし、入籍以外の結婚への認識はまだまだ薄いのが現状です。

そんな事実婚の夫婦が子供を授かったら、どのような手続きが必要なのでしょうか。事実婚状態で子供ができた場合の手続きや選択、注意点についてご紹介していきたいと思います。

事実婚で子供を授かったら?

事実婚を決めたカップルの中には、子供は望まない選択をした方もいるでしょう。ですが、二人の結婚生活を続けていくうちに、環境はもちろん気持ちも変わっていくものです。

初めは子供の予定がなくても、気持ちの変化により事実婚状態で子供を授かることもあります。入籍をする結婚でも、子供を授かると様々な手続きが必要です。

それは事実婚でもいえることで、事実婚の場合、入籍していないために注意しなければいけないこともあります。

現在事実婚状態のお二人はもちろん、事実婚を検討している方は、子供ができた場合の対処法を知っておきましょう。

事実婚で子供ができた場合の疑問を解決!

子供ができた© iStock.com/ljubaphoto

事実婚で子供ができたら何から始めれば良いのかわかりませんよね。「こんなときはどうする?」という疑問についてお答えします。

Q.事実婚だけど子供ができた!まず何からすればいい?

A.まずは二人で「入籍」について話し合いましょう。

夫婦二人だけなら事実婚で十分だと考えていたカップルが、子供の心理状態や保育園などへの対策を考えて入籍をするケースも少なくありません。

自分たちはどうすべきか、家族全員の将来を見据えてしっかりと話し合ってください。

Q.認知届の提出は必要?そもそも認知届って?

A.父と子を戸籍上の親子関係にしたいなら、認知届の提出が必要です。

認知届とは、婚姻関係にない夫婦の間に生まれた子と父との間に法律的な親子関係を成立させるための届け出のこと。

事実婚の夫婦の間に生まれた子どもは、母親の戸籍に入り母親の姓を名乗ることになります。父親と子供を戸籍上の親子関係にするためには、子供を認知させることが重要です。

Q.出生届は父親でも提出できる?

A.胎児認知をしていないと父親の提出は認められないこともあります。

通常、子供が生まれた直後は母親も入院しているため、父親が出生届の手続きをすることも多いでしょう。

しかし事実婚の場合、生まれた子供と父親は法律上の親子ではありませんから、出生届の前に「胎児認知」の手続きをしないと出生届を受理してもらえない可能性があります。

胎児認知とは、子供が生まれる前に父親が「自分の子」と認める書類を役所に提出することでです。この手続きは必須ではありませんが、事前にしておいた方が後の手続きがスムーズに進められます。

Q.扶養控除の対象になる?

A.事実婚の配偶者同様、法的に子と認められない場合被扶養者認定はされません。

事実婚では、税金の配偶者控除や扶養控除などの税金の軽減は認められません。これらは法律で定める条件を満たす場合にのみ適用されるため、法律上の婚姻関係にない事実婚の夫婦は受けられないのです。

ですから、事実婚の夫婦の間に生まれた子供の場合も、配偶者同様法的に子と認定されない状態ですので、被扶養者として認定されません。年末調整の控除対象被扶養者の対象にもなりませんので注意が必要です。

Q.児童扶養手当の受給対象になる?

A.事実婚の実態がある場合児童扶養手当の対象にはなりません。

児童扶養手当とは、父母が離婚するなどして片親からしか養育を受けられない、一人親家庭の児童を対象に支給される手当のことです。

そのため、夫婦が婚姻の意思を持って生活をしている事実婚では対象になりません。夫婦の同居はもちろん、単身赴任などで夫婦が同居をしていなくても、事実婚として生計を同一にしている場合は支給対象とならないので注意しましょう。

事実婚で子供ができた時の選択

子育て© iStock.com/Nadezhda1906

事実婚で子供ができた時、事実婚を続けるか解消すべきか迷われるご夫婦もいると思います。

どんな選択をするかによって子供に与える影響も変わりますから、できるだけ慎重に考えたいですよね。どのような選択肢があり、どんなことに注意すべきかをみていきましょう。

事実婚を継続する

子供が生まれてからも事実婚を続けることはできます。ただし、次のような注意点がありますので、起こり得る事態を想定しておくことが重要です。

  • 法律的に配偶者・子と認識されないことを理解する
  • 認知しないと戸籍上の親子関係として認められない
  • 認知を行っても親権は母親で親権の共有ができない
  • 保育園や学校などの手続きで困る・不信に思われる
  • 相手の不貞行為の際、慰謝料・養育費請求ができる
  • 柔軟な価値観や考えを持って子育てすることが可能

ここで挙げたものは一例ですが、事実婚のまま子育てをする場合、法律婚の夫婦に比べて手続きが多くなったり、手続きをしないことで不具合が生じたりすることがあります。
通常の親子関係よりも複雑ではありますが、常識にとらわれない自由な環境で子育てができるというメリットもありますので、しっかりと先を見据えて子育てに踏み切ると良いでしょう。

事実婚を解消する

子供ができたことをきっかけに事実婚を解消する夫婦もいます。事実婚を解消する場合、入籍か離婚の2パターンです。それぞれみていきましょう。

【事実婚解消後に入籍】

  • 子供を授かったことで入籍の意思が固まった
  • 養子ではないか、と誤解されることを考えた
  • 事実婚のままでいることを周囲に反対された

【事実婚解消後に離婚】

  • 妊娠中の相手の浮気や不倫が発覚した
  • 子育てに関する価値観が大きく違った

子供ができたことで二人の考えや周囲の意見が変わり、入籍に踏み切るカップルも少なくありません。ですが、一方で事実婚後に「離婚」の形をとるカップルもいるのです。

事実婚を解消してどうすべきかは二人の問題であり、決まりはありません。入籍と離婚どちらの選択をしたとしても、二人以外に子供の将来があることをしっかり認識しておきましょう。

事実婚夫婦の間に生まれた子供の心理

子供の心理© iStock.com/fizkes

事実婚で子供を授かった場合、子供の立場になって考えることも大切です。事実婚の両親の子として生まれた子供がどんなことを思うのか想像しておきましょう。

  • なぜ結婚してないのかわからない
  • なんとなく他の親と違う気がする
  • 父親と苗字が違うことが気になる
  • 大人になったら考えが理解できた

自分の親に対して疑問を持つ子供は多く、幼稚園や小学校に上がり友達の親と自分の親と比べた時に「なんで結婚してないの?」「お父さんと苗字が違うのはなんで?」と思うことがあるはずです。

いくら血が繋がっているとはいえ、両親の考えていることは子供にはわかりません。なぜ事実婚という夫婦のあり方を選んだのかを不思議に思うのは自然なことでしょう。

ただし、幼少期は理解できなかった両親の考え方も、大人になってわかることがあります。事実婚の夫婦に育てられた子供は柔軟な価値観を持って成長する可能性があるので、大人になった時に両親の考えが理解できるのかもしれません。

どちらにせよ、事実婚で子供を授かったら、子供の気持ちや将来を考えて選択していくことが大事ですね。

事実婚で子供ができた場合の手続き方法を知ろう!

夫婦二人だけなら事実婚で良いと思っていたカップルでも、生活や心境の変化によって子供を授かる場合があります。

何も心の準備をしていない状態で子育てを始めるよりも、ある程度の事を想定し何が必要かを知っておくのは重要なことです。

そして、自分たちの気持ちを大切にすることはもちろんですが、子供が困らないように対処することも忘れてはいけません。

子供の出生には親の責任が伴います。事実婚で子供を授かり慌てることがないよう、先を見据えて計画的に手続きを進めましょう。

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