© iStock.com/Jelena-Danilovic
夫婦や家族のあり方は様々で、籍を入れない事実婚もその一つ。たとえ法律上の夫婦ではなくても、お互いを尊重し合える関係を続けられるなら、幸せな夫婦生活であるといえますよね。
しかし、事実婚の漠然とした想像はできても、詳しいことはわからないという方も多いのではないでしょうか。事実婚を考えているのなら、まずは事実婚の知識を深めることが重要です。
事実婚に関する記事をまとめましたので、事実婚を検討されている方は、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
事実婚の定義
©Nattakorn-stock.adobe.com
事実婚とは、双方が結婚の意思を持って生活を営んでいるものの、入籍の届け出をしていない状態のことをいいます。
事実婚は法律婚の対になる婚姻関係ですが、同居や扶養義務などの責任を果たし一定の証明ができれば、法律婚と同程度の権利や保障を受けることが可能です。
事実婚は内縁関係といわれることがありますが、内縁も事実婚と同様に婚姻届を提出していない状態であるため、大きく意味が異なるわけではありません。
場合によっては、意図して婚姻届を出さない状態を「事実婚」、何らかの事情で婚姻届を出せない状態を「内縁」と表現することがあるようです。
事実婚を選ぶ背景
事実婚は法律に縛られない結婚であるため、法律婚にはないメリットやデメリットがあります。
例えば、「夫婦別姓が叶えられるため各種変更手続きが不要になる」「事実婚を証明できるものがあれば法的な婚姻関係の夫婦と同等の権利を得られる」などが事実婚の良さでしょう。
一方で、税金の控除が受けられない、相続権が得られないなど、事実婚ならではの不便さもあります。
特に子供ができた場合は手続きが複雑になるため、事実婚のカップルが法律婚に切り替えることもあるようです。
事実婚に必要な手続きとは？
©Antonioguillem-stock.adobe.com
事実婚をする上で特別な手続きは必要ありません。
ただし、事実婚で法律婚の夫婦と同等の権利やサービスを受けるためには、 夫婦関係の事実を証明する必要があります。
遺族年金の受け取りや事実婚解消時の財産分与など、日常生活ではそう多くない場面ではありますが、起こり得る事態に備えておくのは大切なことですね。
事実婚の証明には住民票が役立つ！
公的な手続きや各種サービスを受けるためには事実婚であることの証明が必要で、それらを準備しておけばスムーズに手続きを進めることができます。
事実婚において二人が夫婦関係にあることを証明する方法としては、住民票を用いるのが一般的です。
住民票は住所や同居人・家族構成などを自治体に登録する書類であり、そのような公的証明があることで受けられるサービスや権利の幅が広がります。
事実婚で子供を授かったらどうする？
© iStock.com/Prostock-Studio
初めは子供を持つ予定がなくても、気持ちや環境の変化により事実婚で子供を授かることもあるでしょう。
事実婚で子供ができた場合、事実婚を続けるか解消すべきかなど、どんな選択をするかによって子供に与える影響も変わります。
事実婚の夫婦の間に生まれた子供は、未婚の母の子として扱われるため、戸籍上の父子関係にしたいのであれば、認知届の提出が必要です。
法的な夫婦であればスムーズに進められる手続きも、事実婚では手間がかかる場合があります。子供を授かったケースを想定して知識を増やしておくと良いかもしれませんね。
事実婚でも扶養に入ることはできる！
扶養には社会保険制度上の扶養と税法上の扶養があり、それぞれに扱いが異なります。
事実婚の場合、社会保険制度上の扶養を受けることはできますが、税法上の配偶者控除・配偶者特別控除については扶養を受けることができません。
ただし、被扶養者の範囲や収入要件などを満たす必要があるため、誰しもが扶養を受けられるわけではありません。
事実婚で扶養に入るためには、デメリットがあることも理解しつつ条件を確認しておくと良いでしょう。
日本と海外の事実婚事情
© iStock.com/encrier
日本と海外では結婚に対する考え方が大きく異なり、中でもフランスはカップル文化が強く、パートナーの存在をとても大切にします。
そのため、一般的な結婚に加えPACS（民事連帯契約）やユニオンリーブル（同棲）など、様々な結婚のスタイルが確立され、それぞれのカップルが自由に選択できるのです。
日本とフランスの結婚観の違いは、「結婚＝夫婦・家族」ではないということ。フランスでは、どんな夫婦の形であっても世間の偏見がなく、「夫婦＝パートナー」なのです。
日本でも注目されつつある事実婚ですが、海外における家族のあり方を知れば、より結婚の視野が広がるかもしれませんよ。
事実婚を選ぶなら知識を深めよう
事実婚という言葉を聞いたことがあっても、その内容を詳しく知る人は少ないと思います。
事実婚には、法律上の夫婦ではないからこその良さや不便さがあります。結婚を考える上で、少しでも事実婚を視野に入れているのなら、事実婚の理解を深めておくことが大切です。
事実婚を選択してから慌てたり後悔したりすることがないよう、事実婚に関わる知識を増やし、幸せな夫婦生活を叶えてくださいね。
