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結婚の挨拶が終わったら真っ先にしなければならないこと、それはお礼状の送付です。
「今時手紙を出すの……?」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、いつの時代になっても、手書きのメッセージをもらうというのはやはり嬉しいもの。
手紙が苦手だったり、字を書くのが得意ではないとしても、真剣な気持ちを伝えるツールとして手紙ほど優秀なものはありません。マナーをしっかり身につければ、結婚挨拶後のお礼状を出すのも怖くはありませんよ!
目次
結婚挨拶の後にお礼状は書くべき?
「結婚の挨拶は無事終わったけど、お礼状って書いたほうがいいのかな?」と迷ってしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか?
結論から言うと、お礼状は書くべきです。
それがマナーだというのはもちろんですが、ありとあらゆるコミュニケーションツールが発達した現代で、わざわざ封筒と便箋を準備し、書き損じを繰り返しながら心を込めて手紙を書くという行為そのものが、相手をいかに大切に思っているかを伝える手段になります。
パートナーの両親と今後も良い関係を築いて行くための第一歩として、結婚挨拶後にお礼状を送るのはもはや必須と言っても過言ではありません。
結婚挨拶のためにスケジュールを調整し、出迎える準備をしてくれたパートナーの両親に感謝を伝えるためにも、礼を尽くす気持ちを込めて挨拶状を出しましょう。
お礼状を書く前に確認しておくことは?
お礼状を書く前に、確認しておくべきことがいくつかあります。詳しく見ていきましょう!
お礼状は便箋+封筒で出す
基本的に、お礼状は便箋+封筒で出しましょう。ハガキで送る方法もありますが、封筒で送ると他人からは内容が見えないため、より私的で親密なメッセージだという印象を与えることができます。
なお、便箋は縦書きのものを、封筒は白無地の長形4号を使いましょう。パートナーの両親との関係によっては、多少華やかなデザインの便箋を選んでも構いませんが、シンプルかつ上品なテイストの便箋にしておくのが無難です。
なお、茶封筒やイラストなどが書かれた封筒はマナー的にNGなので注意しましょう。
お礼状に使う筆記用具はコレ!
お礼状に使う筆記用具の格式は、高い順から
- 毛筆
- 筆ペン
- 万年筆
- ボールペン
となっています。
改まった印象にしたい場合は毛筆や筆ペンが望ましいのですが、書き慣れていない方は万年筆やボールペンでも構いません。
黒か青のインクのペンを使い、鉛筆や消えるボールペンなどでは書かないようにしましょう。
お礼状はハガキで出してもいいの?
なるべく封筒の方が適しているのですが、ハガキで出してはいけないというわけではありません。
書き込める面積が少ないこと、パートナーの両親の手元に届くまでに誰かしらの目に内容が知れ渡ってしまうことが欠点ですが、それでもいいという方はハガキで出しましょう。
お礼状を出さないなら電話でお礼を伝えよう
お礼状を送らない選択をした場合、結婚挨拶の当日中にお礼の電話を差し上げましょう。
帰宅後すぐが望ましいですが、もし遅い時間になってしまった時は翌日でも構いません。何よりも早さが重要だということを覚えておきましょう。
お礼状を書く・出す際の注意点
お礼状を書いたり出したりする際は、以下のことに注意するようにしましょう。
あらかじめ下書きをしておく
お礼状は翌日には送るのが理想とされているため、挨拶が終わってから文面を考えて書き始めるのでは、手紙が苦手だという方は特に時間がかかってしまいます。
そのため、
- 前日までにおおよその下書きを作っておく
- 挨拶が終わったら実際の訪問での感想や気持ちをつけ加えて推敲
- 完成したら速やかに清書
という手順で書き上げることを想定した準備をしておくと、スムーズにお礼状を書くことができますよ。
書き損じてしまったら必ず新しい便箋を
お礼状を書いている際に書き損じてしまった場合は、新しい便箋を使うようにしましょう。修正液や修正テープを使って書き進めるのは絶対にNGですので、注意してくださいね。
訪問から1週間以内に着くように出そう!
結婚の挨拶のお礼状は、マナー的に間を開けていいものではありません。
できる限り早いに越したことはありませんが、どれだけ遅くても1週間以内に到着するように送るのが目安です。
お礼状を出すのが遅くなってしまった場合
お礼状を出すのが1週間以上遅れてしまった場合には、
- 遅くなってしまったお詫びの一言を入れる
- 手紙に時候の挨拶を入れる
という配慮が必要です。
「なぜ今ごろ?」と思われてしまうことは避けられませんが、できるだけ誠意が伝わるよう、より丁寧な内容にする必要があります。
このような事態にならないためにも、お礼状はなるべく早く出しましょう。
結婚挨拶後のお礼状の構成
例えお礼状を書くことに慣れていなくても、構成さえ知っておけばあまり難しいことはありません。
基本の型を覚え、それに自分なりの言葉を当てはめていけば、意外とすんなり書けてしまいますよ。
(1)頭語
頭語とは、手紙の一番初めに置く言葉で、「こんにちは」「ごめんください」などを意味します。結語と対になる言葉が決まっていますので、ちぐはぐになってしまわないよう気をつけましょう。
一般的に使われる頭語・結語として、以下のようなものが挙げられます。
手紙のスタイル | 頭語 | 結語 |
一般的な手紙 |
・拝啓(はいけい) |
・敬具(けいぐ) ・拝具(はいぐ) ・かしこ〈※差出人が女性の場合のみ〉 |
かしこまった手紙 | ・謹啓(きんけい) ・謹呈(きんてい) ・恭啓(きょうけい) |
・謹言(きんげん) ・謹白(きんぱく) ・敬白(けいはく) |
なお、丁寧な手紙の文例などによく出てくる「時候の挨拶」は、お会いしてすぐの相手に送る場合には不要なので、書かなくて大丈夫ですよ。
(2)前文:挨拶のお礼を述べる
時間を作っていただいたことのお礼 と、ご実家にお邪魔させて頂いたお礼を簡潔にまとめ、書き出しとします。
(3)本文:挨拶当日の心に残った内容と今後について
一番力を入れて書くべき箇所でしょう。例としては、
- 結婚を承諾頂いたお礼
- 食事をご馳走になったり、手土産をいただいたことへのお礼
- 当日心に残ったことやご両親の印象
- 「今後もよろしくお願いいたします」という気持ちの表明
といったところでしょうか。
なお、結婚の挨拶のお礼以外で、私的な用事などの内容は盛り込まないように気を付けましょう。
(4)末文:改めてのお礼と〆の挨拶
「末筆ながら、お二人のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。」
「今後ともご支援ご厚情を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。」
など、最後に改めてお礼を述べて本文を締めくくります。
(5)結語
頭語の対になる手紙のきまり言葉で結びます。
(6)日付、自分の署名、ご両親の名前
書いた日付、または送った日付を書きます。縦書きの場合は、西暦ではなく元号で漢数字に統一しましょう。 自分の署名はフルネームで、日付と一行変えて下に寄せて書きます。
また、パートナーの両親の名前は上に揃えて書きましょう。
結婚挨拶後のお礼状の例文
基本の型を覚えたら、あとは書くのみです。結婚挨拶の感触や、パートナーの両親との関係によってニュアンスを変えつつ書くのがいいでしょう。その一例をご紹介していきます。
丁寧でかしこまった雰囲気
拝啓
先日はお忙しい中、私たちのためにお時間を作っていただきまして、誠にありがとうございました。
ご挨拶の際、私たちの結婚を快く認めていただき、本当にありがとうございます。 こちらからの申し出でお時間を作っていただいた上、お食事まで用意してくださり、感謝の思いでいっぱいです。
まだまだ未熟者ですが、これからお二人にいろいろ教えていただき、家族の一員として認めていただけるよう努力したいと思います。
今回はこのようにお二人にお目にかかる機会を作っていただきまして、誠にありがとうございました。重ねてお礼申し上げます。
敬具
親しみを込めたお礼状
一筆申し上げます。
昨日はお時間を作っていただき、挨拶に伺わせていただきまして、本当にありがとうございました。
お父様とお母様には何度もお会いしていますが、昨日結婚をお許しいただけたことで、よりいっそうお二人を身近に感じています。 本当の娘と思っていただけるよう、今後よりいっそう努力したいと思いますので、至らない部分については遠慮なくご教示いただけたら幸いです。
改めまして、〇男さんとの結婚を認めてくださいましたこと、本当にありがとうございました。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
かしこ
結婚の挨拶が微妙な空気だった時はどんなお礼状を出せばいい?
結婚の了承が得られなかったり、頷いてはくれたものの微妙な空気になってしまった場合は、より丁寧さを意識したお礼状を送りましょう。
間違っても、快く承諾してくれなかったことへの不満や、弁解の言葉などを書いてはいけません。あくまでお礼にとどめておき、可能であれば再度挨拶に伺うことを記しておきましょう。
うまくいけば、今後の関係改善につながるきっかけになるかもしれません。
挨拶がうまくいかなかった場合のお礼状例文
拝啓
昨日はお忙しいなかお時間を作っていただき、誠に感謝しております。また、つたない結婚の挨拶に真摯に耳を傾けてくださったこと、重ねてお礼申し上げます。
当日は大変緊張しておりまして、配慮が至らずお二人に十分なお話ができなかったこと、深く反省しております。
お二人のお話をお伺いして、結婚のお許しをいただけなかったのは、未熟な私に至らない部分が多かったと理解しております。
今後、少しでも〇〇さんにふさわしい人間になれるよう、精進してまいりたいと思います。ご指導、ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
まずは、昨日挨拶に伺わせていただいたお礼を申し上げます。誠にありがとうございました。
敬具
結婚挨拶の後はお礼状で真心を伝えよう!
いつの時代になっても、手書きの文字は相手に気持ちが伝わるものです。それが結婚挨拶のお礼状なら、書く方ももらう方も、その感慨はひとしおでしょう。
また、お礼状を送ったら丁寧な返事を送ってもらえた、という場合があります。
その際は、こちらから手紙が届いたお礼を電話でお伝えするか、パートナーから「返事の手紙が届いて、とても喜んでいた」ということを伝えてもらうようにしましょう。
この先も末永く良い関係を築くことができるよう、結婚挨拶後にはお礼状を送って真心を伝えましょう!