©shevtsovy – shutterstock.com
花嫁の手紙とは、結婚式で今まで育ててくれた両親や一緒に暮らしてきた家族に向け、感謝を伝える私的な手紙です。が、冒頭の書き出し・締めの結びの内容の中に、その場にいるゲストや義両親へ感謝や気遣いを盛り込むことができます。ほんの少しの配慮で、会場内すべての人に花嫁の温かい気持ちが伝わる例文をまとめました。
目次
花嫁の手紙の基本的な書き方と盛り込む内容
花嫁の手紙の基本の書き方は3部構成
花嫁の手紙の長さは4分~5分程度で、字数は600~800字程度におさめると、ゲストが飽きずに集中して聞くことができるちょうどいい長さと言われています。この字数を目安に、内容を大きく3つの構成にしてまとめると、手紙にまとまりが出て、内容もぶれづらくなります。花嫁の手紙はとても私的な手紙ですので、聞いているゲストに分かりやすくまとめましょう。ゲストにも花嫁の気持ちがスムーズに伝わり、より一層感動的な手紙になります。
※花嫁の手紙の全般的な書き方の注意点についてはこちらから
花嫁の手紙で義両親やゲストへ配慮を盛り込むには
家族に向けた私的な手紙の中に、会場にいる全ての方々への気遣いや配慮を盛り込むことで、花嫁の手紙の内容をより深く共感してもらうことができます。
盛り込む箇所は「書き出し」か「結び」になります。全ての配慮を丁寧に詰め込もうとすると、花嫁の手紙が儀礼的に聞こえてしまったり、長くなって内容がぶれて誰に対しての手紙かわからなくなってしまうため、書き出しや結びのどちらかで、簡潔に伝えましょう。
書き出し(導入)
花嫁の手紙の導入部分です。ゲストが飽きないようにテンポよく、短く簡潔にまとめるのがポイントです。次のような内容を盛り込むと滑り出しがスムーズです。全て盛り込むと書き出しが長くなるため、1~2つに絞りましょう。入らなかった分は、最後に結びで補足することも可能です。
【書き出しの内容例】
・ゲストへの感謝
今日来てくださったゲストへの感謝の言葉
・ゲストへの断り
ゲストがいるフォーマルな場で、家族への私的な思いの手紙を読むことに対して断りと聞いてもらうことへのお礼。
・両親、家族への呼びかけ
手紙の本題に入る前に、家族や両親に対して手紙を書いた理由や今の心境・感謝の気持ちを伝え、本題であるエピソードへ続きます。
エピソード(本文)
花嫁の手紙の本題となる部分には、両親や家族との思い出にからめて率直な気持ちを伝えます。手紙の核になるため、字数と読む時間を重点的に使いますが、あまりに長すぎると感動的な気持ちが薄れてしまうため、伝えたいエピソードや気持ちをできるだけ絞って、まっすぐに家族に伝わるよう工夫しましょう。
【エピソードの内容例】
・両親や家族との思い出
・両親から教えてもらったことや学んだこと
・育ててもらったことへのお礼や感謝 など
結び(締め)
花嫁の手紙の締めくくりの部分です。エピソードを受けて、両親やゲストに新たに夫婦で人生のスタートをきる抱負や決意など、前向きに歩んでいくことを伝えると聞いている皆が安心できます。その他にゲストへのお礼や義両親(新郎の両親)へのメッセージなどを盛り込むと、パーティに参加している全員にたいして配慮していることが伝わるため好印象です。
【結びの内容例】
・両親や家族へ新しい生活への抱負や決意
エピソードから内容を受け、今後の抱負や改めての感謝の言葉につなげると長れがスムーズです。
・義両親(新郎の両親)に対してメッセージ
自分の両親だけでなく、新しい家族となる新郎の両親に対してメッセージを伝えましょう。
・ゲストへのお礼や感謝
私的な手紙を聞いていただいたこと、今日来てくださったことなどのお礼や感謝を伝えます。冒頭の書き出しでゲストに触れていない場合は、ここに盛り込んで手紙の締めの言葉として使うことができます。
花嫁の手紙の「書き出し(導入)」の例文集
ゲストへの断り・ゲストへのお礼
ゲストへの断りとお礼は内容をセットにして、書き出しの最初に組み込むと、気遣いがしっかり伝わり冒頭から流れがスムーズです。
文例1
今日はこんなにもたくさんの方々にお集まりいただき、心からお礼申し上げます。この場をお借りして、育ててくれた両親・一緒に過ごしてきた家族へ感謝の手紙を読ませていただくことをお許しください。
文例2
皆様、今日は私たちの披露宴にご列席いただきましたこと、本当にありがとうございます。
ここで少しお時間をいただき、私事ではございますが、大切な家族へ手紙という形で思いを伝えさせていただきたいと思います。
両親への呼びかけ
両親への呼びかけは、手紙の一番冒頭にもってくると家族への思いがダイレクトに伝わってインパクト大です。ゲストへの断りの後から続けるとゲストに配慮が行き届いた印象で、構成的に流れがスムーズになります。
文例1
お父さんお母さん。
35年間、どんな時も味方でいてくれて、信じてくれて、溢れるほどの愛情で育ててくれて、本当にありがとうございました。
文例2
お父さん、お母さん、そして〇〇ちゃん(妹の名前)に、この場でどうしても伝えたい気持ちがあります。どうか最後まで聞いていただけると嬉しいです。
花嫁の手紙の「結び(締め)」の例文集
抱負や決意
両家の両親や聞いているゲストが安心できるような、明るく前向きな内容がベストです。
文例1
ようやく晴れ姿を二人に見せることができましたが、これからもお父さんとお母さんのような夫婦になることを目標にして、〇〇さんと一歩ずつんでいきたいと思います。どうかずっと見守っていてください。
文例2
こんなにたくさんの皆様に私たちの新たなスタートを見守っていただくことができ、〇〇さんと幸せな家庭を築いていきたいと改めて強く思いました。皆様、今日は本当にありがとうございます。
義両親(新郎の両親)へのメッセージ
新郎の両親へ、今後も長く家族の一員としてのお付き合いをお願いするメッセージや、結婚への抱負などを伝えましょう。
文例1
それから、〇〇さん(新郎の名前)のお父さんとお母さんへ、家族の一員として温かく迎え入れていただいたことに、この場で改めて感謝の言葉をお伝えしたいと思います。お互いの家も近いので、これから行き来をするのがとても楽しみです。どうぞよろしくお願いいたします。
文例2
〇〇さんのお父さん・お母さん、初めてご挨拶に伺ったときから、温かく迎えてくださり本当にありがとうございます。お二人のように仲の良い夫婦として〇〇さんと連れ添うことが、私の目標です。どうかご指導のほどよろしくお願いいたします。
ゲストへの感謝
花嫁の手紙の締めくくりとして、ゲストへの感謝で終わると配慮が行き届いて良い印象で終わることができます。冒頭でゲストに触れていない場合は、締めの部分でふれることができます。
文例1
結びに、今日ご列席いただいたゲストの皆様にお礼を申し上げます。このような手紙を最後まで聞いていただきまして、本当にありがとうございました。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
文例2
今日という日を迎えることができたのも、今日お集まりいただいた皆様のお力添えがあったからと心から感謝しています。今後とも、まだ至らないところがある私たち二人を、見守っていただけたらと思います。本日はまことにありがとうございます。
「最後になりましたが」の注意点
結婚式のスピーチ等で、不吉や不幸を連想する言葉である使ってはいけない「忌み言葉」の1つに“最後”があることをご存知でしょうか。締めくくりの結びの言葉として使い勝手がいいため、現在ではそこまで気にせず使っているケースが多いようです。
花嫁の手紙は家族への素直な気持ちを表現する手紙なので、そこまで気にする必要はありませんが、年配の方が多い結婚式や、新郎のご両親の反応が気になるようでしたら、「最後に」を「結びに」という言葉に言い換えることができますので覚えておいてください。
花嫁の手紙の書き出し・結びの例文集まとめ
花嫁の手紙は、今まで育ててくれた家族や一緒に暮らしてきた家族に対して感謝を伝える私的な手紙ですが、冒頭の書き出しと締めの結びの内容の中に、その場にいるゲストや義両親へ配慮や気遣いを盛り込むことができます。ほんの少しの気遣いで、周囲の人たちに花嫁の温かい気持ちがストレートに伝わります。ぜひ参考にしてください。