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皆さんは「祝言」って聞いたことありますか?祝言は婚礼を意味する言葉になります。実は神前式よりも古くからあると言われているのはご存知でしょうか。そんな日本の伝統的でもある祝言は実際にはどのような流れでおこない、どんなウエディングスタイルになるのでしょうか?それぞれご紹介いたします。
目次
祝言とはどんなこと?
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祝言(しゅうげん)は古きよき日本の伝統ある結婚式の形になります。神社での神前式よりも歴史が古く、江戸時代以前におこなわれていました。「祝言」の結婚式スタイルは古来、自宅で身内を招いて人前の結婚式をおこなっていました。
現代では料亭など結婚のお祝いができる会場を貸し切っておこなうことが多いようです。家と家、人と人を結び、絆を大切にする結婚式の形になります。
新郎の自宅でおこなわれていたウエディング
祝言は新郎側の家で、おこなわれるものでした。祝言をおこなう当日は、新婦が自宅で着付けやお化粧など花嫁支度を済ませ、夕方から夜に新郎の家に向かいます。
結婚の誓いの儀式を済ませたあとは、祝宴が始まる流れに。祝宴は夜通しおこなわれ、翌日には知人や近所の人まで訪れ、さらに翌々日まで続くこともあり盛大にお祝いをしていました。
祝言と結婚式の違い
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祝言と結婚式の違いは、結婚を誓うときの証人する相手が異なります。「祝言」はチャペル式や神前式のように神様の前で結婚の誓いをするのではなく、新郎新婦を今まで見守ってきてくれた家族とゲストに結婚の証人になってもらいます。
また、祝言は古来、三々九度の杯を酌み交わし、家族の契りを交わした後は三日三晩宴会をおこなう流れでした。そのような流れの中でおこなう祝言は現代でいうと、披露宴や人前結婚式に近いスタイルになります。
祝言の流れ
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日本の伝統的な祝言はどのような挙式の流れになるのでしょうか。主な儀式や内容を見ていきましょう。
- 挨拶の儀
- 新郎新婦入場
- 開式の辞
- はこせこの儀
- 三献の儀
- 誓詞朗読
- 指輪交換
- 固めの杯の儀
- 三礼の儀
- 閉式の辞
式の所要時間は大体20~30分ほどになります。
挨拶の儀
挙式が始まる前に両親に改めて感謝の言葉を伝える時間になります。
はこせこの儀
花嫁道具の一つを新婦の母親に支度の最後の仕上げをおこなう儀式で、チャペル式のベールダウンのようなイメージです。
三献の儀
神前式では三々九度に当たります。三度お神酒を酌み交わすことで過去・現在・未来を結び今後生涯を共にする誓いを立てることです。
誓詞朗読
これからの決意と誓いの言葉を列席者の前で伝えます。
固めの杯の儀
新郎・新婦・両親に順にお酒を注ぎ、全員が同時に飲み干す儀式。両家が一つの家族になったことを表します。
三礼の儀
挙式に参列してくれたすべての縁ある方への感謝の気持ちを三度の礼で伝えます。
祝言の良いところと気をつけたい点
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古くから伝わる伝統的なスタイルの祝言ですが、どのような良い点があるのでしょうか。気をつけたい点と合わせて紹介します。
良いところ
祝言の内容は、感謝の気持ちを伝えることや家族との絆を結ぶ儀式が含まれています。家族の繋がりを大事にしたい新郎新婦には、祝言は心に残る結婚式のスタイルになるでしょう。
また、ゲストとの距離も近く皆に見守られながら祝言をおこなえることもこの結婚式のよさ。厳かでありながら温かな雰囲気の中で結婚のお祝いをできるところも魅力です。
気をつけたい点
祝言は家族・親族が中心に集まる少人数の結婚式であることが多いです。そのため、家族・親族以外に招待するゲストの人数が多いときには、会場の収容人数を事前に確認しておくことが必要です。
祝言は参列してくれたゲストが結婚の証人となる人前式になります。神前式やチャペル式など、挙式で神様に結婚の誓いをおこないたい場合は祝言は向かないことになります。ですが、最近では祝言スタイルとして祝言に挙式をカスタマイズできるプランのある会場もあります。
祝言を知って自分たちらしい結婚式をしよう
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祝言は、江戸時代以前におこなわれていた現代でいう和風の人前結婚式です。家族の絆や家と家を結ぶ儀式が多くあり、家族とゲストへのおもてなしを大切にした内容です。
祝言と結婚式の違いは、結婚の誓いをする証人が異なります。結婚式は神様に新郎新婦が結婚を誓う儀式になります。祝言は神様ではなく、参列した人たちが結婚の証人です。
祝言は、ゲストとの距離が近く、厳かでありながら温かな雰囲気の中で結婚のお祝いをできるところが魅力的です。お二人が、これからの歩みをはじめる結婚式を、祝言で叶えてみてはいかがでしょうか。