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結婚式でゲストが涙をする場面と言えば「花嫁の手紙」。この日まで育ててくれたご両親への感謝と、これから新たな道を歩んでいく決意を伝える場。絶対にミスを起こしたくない、結婚式のクライマックスですよね。感動的な花嫁の手紙にする為のアドバイスや、例文、注意点などをこの記事でご紹介します。
目次
結婚式で読む花嫁の手紙【構成・長さ・便箋選びなど】
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花嫁の手紙を作成する上で、知っておきたい基本的な情報をお届けします。
手紙の流れ
基本的には下記の流れに沿って言葉を当てはめて、手紙を完成させると綺麗にまとまります。
1)前置き
2)書き出し
3)エピソード
4)義理の両親へのメッセージ(入れられれば)
5)将来への決意
6)結び
特にスムーズに書くために、どんなエピソードを入れるか事前に考えてからとりかかりましょう。
花嫁の手紙は900文字前後3分程度で
ほとんどの花嫁は手紙を読む際に泣いてしまいます。3分程度で手紙を作っていても、当日は倍の時間をかけてしまうことも。感動を与える手紙も、長くなってしまうとゲストが飽きてしまいます。なるべく3分以内で作成しましょう。
花嫁の手紙の便箋や封筒選び
便箋は結婚式にふさわしい、白基調の便箋がベストです。花嫁の手紙で義理の両親へのメッセージも書く際は、封筒を2つ用意します。そうすることで、手紙を読み終えたら両家に渡せます。
両親の呼び方
「お父さん、お母さん」と呼ぶ方が多いですが、「普段通りパパ、ママ、と呼ばせて頂きます。」と前置きをして、いつもの呼び方で呼んでも問題ありません。
花嫁の手紙の最後にはプレゼントを贈ろう
花嫁の手紙の最後に、ギフトを渡す方も多いです。両親の好きな曲のオルゴールだったり、新郎新婦が生れた時と同じ重さのぬいぐるみのギフトなどが人気です。
手紙に句読点を付けても大丈夫?
「区切りをつける=別れを連想」から、結婚式では句読点をつけないのがマナーです。招待状でも句読点をつけないのが基本ですよね?ただしお手紙の場合は、句読点なしでは読みにくいもの。手紙は両親しか見ないものですし、もし両親が気にしない人なら句読点を付けても問題ありません。
結婚式での花嫁の手紙【例文】
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花嫁の手紙の参考になる例文を、手紙を書くパーツごとに分けてご紹介します。
前置き
花嫁の手紙の前置きには下記のどちらかの内容を入れましょう。
・家族に対する呼びかけ
・ゲストに対する呼びかけ
手紙の例文(1)家族への呼びかけ
お父さん、お母さん
今日という日を迎えるまで29年間、優しく、時には厳しく、そして温かく育ててくれてありがとう。この場を借りて、今までちゃんと伝えられなかった感謝の気持ちを、お二人に伝えさせてください。
手紙の例文(2)ゲストへの呼びかけ
皆様、本日は私たちのためにお集まりいただき、誠にありがとうございます。この場を借りて、私の両親に感謝の気持ちを読ませていただきますこと、お許しください。しばらくのお時間、お付き合いいただきますと幸いです。
書き出し
書き出しにはメインである「エピソード」に繋がる簡単な文章を入れます。エピソードの前置きと考えるとわかりやすいと思います。
手紙の例文(1)
〇〇家の長女として生まれた私ですが、いつもお父さんとお母さんに甘えてばかりで、あまり長女らしくなかったと思います。結婚式の準備中にも「これどうしよう」「〇〇手伝って!」などと、沢山甘えてしまったね。この年齢にもなって結婚もするのに、相変わらずの甘えん坊な長女でごめんなさい。今まで私の沢山のわがままを聞いてくれてありがとう。
手紙の例文(2)
泣き虫だった幼少期、わんぱく少女だった小学時代、少し反抗もした中学時代、受験で沢山悩んだ高校時代、自由奔放に過ごした大学時代。私の人生のどの瞬間も、お父さんとお母さんは変わらない愛情で、温かく接してくれましたね。
エピソード
花嫁の手紙を書く際は、エピソード部分の構成を考えてから、書き出しを考えるとスムーズに書けます。花嫁の手紙のエピソードには下記のような内容を入れると良いでしょう。
・両親への感謝の気持ち
・一番の思い出
・過去の過ちへの謝罪
・他の家族への感謝
例文をみましょう。
手紙の例文(1)
お父さんへ
お父さんに言った一番のわがままは「東京の大学に行きたい」ということだったかな。お父さんは都会での一人暮らしには絶対反対だったのに、最後には私のわがままを聞いてくれてありがとう。
あんなに県外の大学に行くことを反対していたお父さんなのに、受験勉強に関してはいつも気にかけてくれて、翌日朝早くから仕事なにも関わらず、夜遅くに予備校にも毎日迎えに来てくれてたね。あの時の私は受験のことでいっぱいで、ちゃんと感謝を伝えられなくてごめんなさい。
でもあの時のお父さんの支えがあったので、無事に〇〇大学に合格をすることができて、今の私があります。いつも温かく支えてくれて、私の大好きなお父さんでいてくれてありがとう。
お母さんへ
いつもお母さんにべったりだった子供のころ。そんな私も中学生の時は反抗期を迎え、お母さんを困らせることを沢山してごめんなさい。それでも、いつも温かく見守ってくれてありがとう。
お母さんは私にとって母親であり、時には友人のような存在でもありました。嬉しいことも、辛いこともいつもお母さんに一番に相談をしていたね。笑顔で的確なアドバイスをくれるお母さんは、私の尊敬できる、頼れる人生の先輩です。
私も結婚をした今、お母さんのようになりたいと思っています。お母さん、今まで育ててくれてありがとう。
手紙の例文(2)
お父さん、お母さん
私は二人の娘として生まれて、本当に幸せに感じています。
口数は多くないけど、アウトドア好きでいつも私たち姉妹に沢山の経験をさせてくれたお父さん。おしゃべりで明るくて、料理上手で家族を支えてくれたお母さん。二人ともいつも自分のことを二の次にして、何においても私たちのことを優先してくれましたね。本当に、感謝をしてもしきれないほど、お2人からは沢山の愛情を与えられたと思っています。
お父さん、お母さん、今までありがとう。みんなで行った旅行の数々や何気ない家族の日常、全てが私にとって最高の思い出です。これからは私の新しい家族ともに、みんなで旅行に行けたら良いな。まだまだ沢山親孝行をしたいので、お二人とも体を大事にして、元気で長生きをしてください。
義理の両親へのメッセージ
花嫁の手紙では義理の両親へのメッセージは必須ではありませんが、お付き合いをしているころから良くさせていただいている場合は、何かメッセージを伝えると喜ばれますよ。ご両親へのメッセージ程長くなくても大丈夫です。
手紙の例文(1)
△△家のお父さん、お母さん
初めてお会いした日から優しくしてくれて、結婚の報告をした際も温かく家族に迎え入れてくれてありがとうございます。
私は〇〇さん(新郎)の優しいところと、丁寧に人の話を聞いてくれるところが好きです。彼がこのように育ったのも、お父さんとお母さんの温かな愛情を受けてきたからだと思っています。そんな温かい家族である△△家の一員として迎えていただけたことを、嬉しく思っています。
至らぬ点もありますが、△△家のような温かい家庭を築けるように、精一杯頑張ります。これから末永くよろしくお願いします。
手紙の例文(2)
〇〇さんのお父さん、お母さん
この度は家族として迎えていただきありがとうございます。〇〇さん(新郎)とお付き合いをしていたころから、お父さんとお母さんの話しはよく聞いていました。
お父さんとお母さんのような、優しいオシドリ夫婦になることが私たちの目標です。私たちも笑いの絶えない、楽しい家族を築けるように、頑張っていきます。
これからもどうぞよろしくお願いします。
将来への決意
エピソードの最後に、これからの夫婦生活の目標や決意を簡単に入れましょう。
手紙の例文(1)
これからは〇〇さん(新郎)と一緒に幸せな家庭を築いていきます。私たち夫婦をどうぞ温かく見守ってください。
手紙の例文(2)
お父さんのように優しくて頼りになる〇〇さん(新郎)なので、安心してください。また二人で、お母さんの美味しいお料理を食べながら、お父さんとお酒を飲みに行くね。
結び
前置きと同じですが、花嫁の手紙の結びには下記のどちらかの内容を入れましょう。
・家族に対する呼びかけ
・ゲストに対する呼びかけ
手紙の例文(1)家族への呼びかけ
今まで本当沢山お世話になりました。結婚をしても二人の娘に変わりはないので、これからもどうぞ宜しくお願い致します。まだ未熟ですが、今後は私たち夫婦を温かく見守ってください。お父さんお母さん、今までありがとうございました。
手紙の例文(2)ゲストへの呼びかけ
今日という日を迎えられたのも、ご両親をはじめ、今日お越しいただきましたゲストの皆様のおかげだと思っております。今までは「私の友人」「〇〇さん(新郎)の友人」だった皆様も、今日この日を通して「私たち夫婦の友人」となれば幸いです。未熟な私たち夫婦ですが、今後温かく見守ってくださいますようお願い申し上げます。
結婚式での花嫁の手紙【NGワード】
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結婚式では避けるべき言葉があります。最近では言葉によっては気にしない人も増えてきましたが、できれば花嫁の手紙にはマイナスの言葉は入れないようにしましょう。
忌み言葉
不幸を連想する言葉を花嫁の手紙に入れるのは避けましょう。
最後、終わり、負ける、病気、亡くなる、落ちる、相次ぎ、飽きる、割る、捨てる、死、悲しむなど
別れを連想する言葉
離婚を連想する言葉も気を付けて。
離婚、別れ、離れる、流れる、無くす、切れる、割れる、捨てるなど
重ね言葉
繰り返しを意味する言葉や、同じワードが続く重ね言葉は離婚を連想することから、避けるのが一般的です。
わざわざ、度々、色々、再び、繰り返し、次々、たまたま、くれぐれなど
花嫁の手紙を書く上でのアドバイス
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先輩花嫁たちの経験談から、特に知ってほしいアドバイスをお伝えします。
前日に手紙を書かないで
花嫁の手紙を書きながら泣く場合も多いです。前日に花嫁の手紙を書いて、泣いて、結婚式当日目がパンパン!なんてことにならないように、1週間前~遅くても3日前に書くようにしましょう。
一番伝えたいことを考えてから作成する
何を一番に伝えたいかを最初に考えて、花嫁の手紙を作成します。特に、エピソードに入れる内容は始めに考えましょう。幼少期の思い出なのか、高校時代の思い出なのか、謝りたいエピソードなのか、感謝をしたいエピソードなのか。軸を決めてから書き始めます。
パソコンやスマホで文章を作成すると良い
いきなり手紙に書き始めると間違えたり、後から直したい時に最初から書き直すことになります。一旦パソコンやスマホで文章を作成して、一晩寝かせてから「もう修正がないぞ!」というレベルになってから花嫁の手紙を書くと、スムーズに書けますよ。
花嫁の手紙は必ず読むべき?
結婚式で手紙を読む花嫁の数は圧倒的に多いようです。しかし、「必ず手紙を読まないといけない」ものでもないので、読まない方もいます。読まないことを選択する理由には、「感謝は個別に伝える」「自分も両親もあがり症」などが挙げられますが、こういう場合には手紙の代わりにありがとうの言葉とともに、プレゼントをお渡しする人もいます。花嫁の手紙がなくても、感動的な結婚式にはできるのでご安心を。
花嫁の手紙でご両親に想いを届ける
結婚式を迎えるまで育ててくれたご両親。花嫁の手紙を読みながら、いろんな想いが込みあがってくることでしょう。また、ゲスト全員の前でマイクで話すことも、大変緊張をすると思います。いろんな想いが込みあがる中で読む花嫁の手紙。プレッシャーに負けずに、感謝の気持ちをしっかりとご両親に伝えたいですね。