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※この記事は2020/5/29現在の状況を鑑みて執筆されたものです。
新型コロナウイルスの流行で、結婚式の開催に大きな影響が出ています。緊急事態宣言が全国的に解除されたとはいえ、流行の第二波への懸念もあり、まだまだ予断を許さない状況です。
そのような中、公益社団法人日本ブライダル文化振興協会から、5月14日に「結婚式場業『新型コロナウイルス感染拡大防止ガイドライン』」が発表されました。
今後しばらくの指針となって行くガイドラインですが、結婚式での感染を発生させないためにはどのような点に注意しなければならないのか、詳しくご解説していきます。
目次
結婚式での新型コロナウイルス感染防止策のガイドラインが発表された
2020年5月14日、日本ブライダル文化振興協会から 「結婚式場業『新型コロナウイルス感染拡大防止ガイドライン』」が発表されました。
こちらは、厚生労働省が発表した「新しい生活様式」を受け策定された、
「結婚式の参列者や、結婚式に関わるすべての従業員を新型コロナウイルスの感染から守る」
ためのガイドラインです。直近では5月21日に改訂されており、今後も各地域の感染状況を踏まえて、随時見直されていくようですよ。
これから先、完璧に安全とは言い切れない状況で、結婚式の感染防止策を講じつつ挙げるために必要な指針だといえるでしょう。
結局、結婚式を挙げてもいいの?
「社会生活を維持するうえで必要な施設」として、自粛要請の対象外になっている結婚式場ですが、諸手を挙げて開催するにはまだまだ不安が残る現状ですよね。
そのような中、延期や中止を選択される方がいらっしゃる一方、「なんとかして結婚式を挙げたい!」と考える方も少なくないのではないでしょうか。
結婚式を挙げるための指針が発表された今、式を執り行うことはまったくの不可能ではなくなりました。
ですが、どうしてもゲストへの感染が不安な場合は、結婚式を自粛することや、二人だけで挙式のみをするといった選択肢を視野に入れた方がいいでしょう。
では、さまざまな状況を鑑みて結婚式を挙げることを決めた場合、どのような点に気をつけながら準備を進めるべきなのでしょうか。次からご紹介していきます。
データ参照:結婚式場業「新型コロナウイルス感染拡大防止ガイドライン」について | 公益社団法人日本ブライダル文化振興協会
結婚式での感染防止策:新郎新婦
ウエディングプランナーや式場スタッフと共に、ガイドラインに沿って感染防止策を講じる必要があります。
ガイドラインを参考にすることはもちろんのこと、できる限りの工夫を考えて準備をしましょう。
①招待状に感染防止への協力を記載
マスク着用やこまめな消毒などへの協力を、招待状に記載しておきましょう。事前にお願いしておくことでスムーズに対応をしてもらえますし、角も立ちません。
②感染リスクの高いゲストの招待は控える
高齢者や妊婦、小さいお子様や何らかの持病がある方など、感染や重症化のリスクが高いゲストの招待は控えましょう。
健康状態に不安が無く、本当に親しい相手のみを呼ぶようにすれば、ゲストの数を最小限に抑えることができますよ。
③料理はビュッフェではなく個人ごとに
ビュッフェスタイルは感染のリスクが非常に高いため、個人ごとに提供されるコース料理を選ぶことが必須になります。
④テーブル数を増やして距離を取る
通常時よりもテーブル数を増やすことで、ゲスト同士の十分な間隔を確保できます。少し寂しい印象があるかもしれませんが、やむを得ないと割り切る必要があります。
⑤受付や待合室を設けない
ご祝儀は送金、芳名帳ではなくゲストカードへの記入をお願いするなど、工夫次第で受付を廃止することができます。
また、待合室を設けないことで、狭い空間でのゲスト間の接触を減らすことができるでしょう。この二つを減らすことにより、人と人との接触機会がかなり軽減されますよ。
⑥開催時間を短縮する
換気や消毒の徹底が施されるとは言え、同じ空間に複数のゲストが集まっている状況が長く続けば、感染のリスクは高くなってしまいます。
⑦予備マスクを設置する
事情によりマスクを手配できなかったり、トラブルで汚してしまったというゲストのために、予備のマスクを設置しておくと安心ですよ。
結婚式での感染防止策:参加者全員
新郎新婦とゲストが、当日に気をつけるべきこともいくつかあります。徹底的に守ることが、感染防止への第一歩ですよ。
①マスク着用・頻繁な手指消毒を
「せっかくドレスアップしたのに……」という気持ちをグッとこらえ、マスクの着用をして式に臨みましょう。
また、頻繁に手指の消毒をすることも大切です。会場の各ポイントに設置しておけば、ゲストの密集を防ぐことができますよ。
②間隔を十分に空けることを意識
結婚式は楽しい催しですので、自然と距離が近くなってしまうこともあるでしょう。ですがこのご時世ですので、普段以上に意識して距離を取るよう気をつけてくださいね。
③大声での演出・余興は避ける
声を張り上げるほど、飛沫は遠く、広く拡散します。気持ちが盛り上がると自然に声が大きくなりがちですので、十分な注意が大切ですよ。
④写真撮影は直前までマスクをつけて
写真撮影の際はさすがにマスクを外しますが、ギリギリになるまで着けておく必要があります。
また、必要以上に密着するようなポーズや、マスクを外してからのおしゃべりは極力控えるようにしましょう。
⑤なるべく動き回らない・接触しない
結婚式は、新郎新婦との関わりが深いゲストが一堂に会するイベントです。
当然、古い友達に会って気分が上がるといったシチュエーションが考えられますが、ここは涙を呑んで話しすぎないよう心がけることが重要ですよ。
また、頻繁に立ち上がるとそれだけ感染リスクが高まりますので、ゲスト個人が写真を撮ることは最小限に留めておきましょう。
結婚式での感染防止策:式場側
新郎新婦やゲストと同じかそれ以上に、式場側もまた感染防止策の徹底をしてくれます。具体的には、
- 式場の定期的な換気の徹底
- ドアの開閉はスタッフ対応
- 施設内の設備を定期的に消毒
- ゲストに「密」が起こらないよう手配・誘導
- マスク・フェイスシールドの着用徹底
- 従業員の勤務管理(休憩室に密集しない、検温の徹底など)
- ガイドラインに準じた掃除やゴミ処理
などの対応に加え、結婚式準備の段階でも全面的に協力をしてもらえるでしょう。
重要なのは、密な「コミュニケーション」です。
感染防止策のために何をすべきか、どのような点で協力してくれるのかなど、情報のすり合わせをきっちりとしておくことで、より万全の対策ができるでしょう。
結婚式での感染防止策として「オンライン」という手がある
仮に感染対策を徹底したとしても、感染者を100%抑え込める訳ではありません。また、準備の段階で担当者との打ち合わせに不安を覚える方もいらっしゃることでしょう。
そんな時におすすめなのが、「オンライン」という手段です。
- オンライン相談カウンター
- オンライン式場見学
- オンライン打ち合わせ
という段階で結婚式の準備を進めることが可能ですし、最終的に「オンライン結婚式」を挙げれば、すべての工程をオンラインで行ってしまえることになりますよね。
この方法なら、結婚式に参列したことによるゲストの感染リスクを、「減らす」のではなく「ゼロにする」ことができますよ。
なお、すべての式場が対応している訳ではないので、入念に下調べをした上で計画に移すようにしましょう。
結婚式の感染対策には「ガイドライン+新郎新婦の工夫」が不可欠
結婚式の感染防止を考える上で、ガイドラインを参考にすることは欠かせません。
ですが、それにプラスして新郎新婦自身もまた、ゲストを危険に晒さないために何ができるかを思案する必要があるでしょう。
ガイドラインを主軸に据えた上で、式の開催について多角的な視点で準備をすることが、これからの結婚式には必要不可欠になります。
自分たちだけで抱え込むのではなく、広い意見を参考にしながら、相談を重ねていくことが重要ですよ。
感染対策を万全にして、慎重に結婚式を挙げよう
これから先、新型コロナウイルスの感染が終息するまでは、これまで通りの結婚式を挙げることは難しくなるでしょう。
ですが、大切なゲストを感染させないためにも、最大限の努力をしていくことが必要になります。
結婚式で感染を起こさないためにも、対策を十分に練り、実施する努力を重ねて行きましょう。