リングピローとは?歴史ある意味や結婚式とその後の使い方

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結婚式の挙式で、結婚指輪交換の際に使われるアイテム・リングピローとは、どのような意味があるかご存知でしょうか。長い歴史の中で培われた、デザインや大きさに結婚を象徴する意味が込められています。現在の結婚式でのさまざまな使い方や、なぜピローが必要なのか、その後の使い道など、ピローのすべてをまとめました。

リングピローとは?歴史から見るデザインと大きさの意味

リングピローの歴史・デザイン・大きさ・意味©Andrii Oleksiienko – shutterstock.com

リングピローとは結婚式当日の挙式で指輪交換を行う際に、新郎新婦の結婚指輪を置いておくために使われるアイテムのこと。クッションに指輪をつなぐリボンがついたものが、広く知れ渡っていますが、現在ではデザインや様式がさまざまです。
欧米の結婚式では、リングベアラー(指輪を運ぶ小さな子供)がリングピローに乗せて入場します。子供からリングピローを司祭が受け取り、司祭から差し出されたリングピローを新郎新婦が受け取り指輪交換を行います。
結婚の誓いのあとに指輪交換を行うことは、長い歴史のある儀式です。挙式の大きな見せ場で撮影ショットチャンスでもあるため、近年の結婚式ではリングピローのデザインにこだわるプレ花嫁が増えていますが、リングピローには歴史や由来からデザインや大きさにまで意味があります。

歴史

リングピローの歴史は古代エジプトの結婚式で、装飾を施した枕状のものに宝石を乗せ、結婚相手に贈っていたことが始まりとされています。この習慣は西欧に伝わり、貴重な品物を運ぶ際にクッション(ピロー)に乗せる習慣へ受け継がれ、 やがて庶民の結婚式に伝わって、宝石や指輪をピローに乗せて運ぶというスタイルが広がり定着しました。

デザインの意味

リングピローについている長いリボンは、「約束」を意味しています。
古代ヨーロッパでは、リボンや縄で一つに結ぶ行為は約束を意味し、結婚を象徴していました。 そのため、リングピローから伸びるリボンに結婚指輪を結ぶことは、新郎新婦の永遠の愛の誓いを込めて結ばれているのです。

リングピローの平均的な大きさ・サイズの意味

現在のリングピローは、両手にすっぽり収まる約15cm~20cm程度の大きさのものが平均的ですが、ひと昔前は今の倍以上あり、小さなクッションほどのサイズが一般的でした。ピローの中身も上質な羽毛を使ったものも多かったようです。というのも、結婚式で使ったリングピローを二人の間に生まれた赤ちゃんのファーストピローにすると、子供が幸せに育つという伝承が西欧にあるため。リングピローの大きさにも意味が込められていました。

リングピローはいつ使う?結婚式当日での使い方

現在では、挙式だけでなく、さまざまな活用方法があります。

指輪交換の際に

メインの使い方。もともとキリスト教式の結婚式で使われていたリングピローですが、現在では人前式・神社での神前式・祝言など日本で行われる多くの挙式の中で「指輪交換」が行われ、挙式の雰囲気に合わせたリングピローが使用されます。

挙式の演出として

結婚指輪を乗せたリングピローを運ぶ「リングベアラー」の演出に注目が集まっています。一般的にリングベアラーで知られているのはリングボーイ・リングガールの小さい子供です。が、西欧ではアッシャーやブライズメイドが運ぶのも一般的です。また新郎新婦が飼っているペットなど、「リングピローの運び方」自体が、挙式の注目演出として取り入れられています。

ウエルカムスペースや高砂の演出用の小物として

挙式後、使用したリングピローをウエルカムスペースや高砂の演出小物として飾るアイデアも多いです。現在リングピローは結婚式のテーマに合わせデザインされたものが多く、挙式が済んだことをゲストに報告する演出小物として披露宴でも使われます。

前撮り・後どりの持ち込み小物やペーパーアイテムの演出として

リングピローを使用するのは挙式ですが、前撮りや後撮りの演出小物として、撮影の際に使用するアイデアがあります。撮ったデータをペーパーアイテム(招待状やプロフィールブック)に利用したり、結婚報告のはがきに利用できます。

リングピローの用意の方法

古い歴史や由来・デザインにも意味があるリングピローですが、現在はどのように用意するのが一般的なのか、用意の方法についてまとめました。

縁のある人に作ってもらう・譲ってもらう

母親・姉妹・友人など、縁のある親しい人がプレゼントとして作ってくれるケースが多いようです。また、サムシングフォーの言い伝えで、母や兄弟・友人が使ったリングピローを譲り受けるというケースもあります。

自分で手作り・DIY

結婚式のテーマやコンセプトの統一感にこだわる新郎新婦は、イメージに合わせDIY・手作りして用意することが増えてきました。既製品より材料費のみで安く作れるため、節約のために作ることも。簡単に作成できるリングピローのキッドや、100均ショップやホームセンターで購入できる材料で作れる作り方など多くの情報をWEBで検索できます。

業者・作家にオーダーして購入

現在ではさまざまなデザインのリングピローがブライダルショップやWEBショップで購入できます。また個人で作成したものがフリマアプリを通じて購入できます。リングピローを専門に作るショップや作家なども増え、SNS等を通じてオリジナルデザインをオーダーすることが可能です。

会場でレンタル

会場側が、挙式スタイルや挙式会場に合わせてリングピローを用意しているケースがあります。神社や教会でも用意があり、貸出してくれます。用意がないこともありますので、会場に確認してください

ジュエリー・ドレス・アイテムショップの特典

結婚指輪を購入したジュエリーショップ・ドレスショップやブライダルショップの購入特典で、オリジナルリングピローがついてくるケースがあります。ドレスショップによっては、ウエディングドレスとお揃いの生地でピローをデザインし作成してくれるサービス(有料)もあります。

結婚式にリングピローは必要?いらない?

リングピローは必要・いらない©Alexander Baitelman – shutterstock.com

リングピロー自体は指輪交換の際に台座にするためだけの役割のため、短い使用時間だからいらないのでは?という意見も多いようです。必要派・いらない派の意見はそれぞりにもっともな主張があるので、新郎新婦が何を大切にするかを見極めてくださいね。

必要派の意見例

・2人の結婚を確かめ合う象徴的なもの
・挙式で最も注目されるシーンなので見栄えが大事
・自宅でインテリアなどにも使える

いらない派の意見例

・短時間の使用のため費用が無駄になる
・使った後に使用方法が思い浮かばない
・交換だけなら保管用のリングケースで十分

結婚式その後のリングピローの使い道

結婚式後のリングピローは、当日の思い出や結婚式を象徴するアイテムとしてその後も末永く大切にしているカップルが多いようです。現在はデザイン性が高いものも多いため、さまざまなその後の活用方法があります。

新居にインテリアとして

ジュエリーボックスタイプやモチーフタイプのリングピローを、新居のインテリアとして飾る方法があります。結婚式後は部屋に飾りたいとその後をイメージして、デザインを決めることも多いです。

ファーストピローとして

結婚式で使ったリングピローを、その後二人の間に生まれた子どものファーストピローとして、生まれてから3日間枕に使うと幸せに育つと西欧では言われています。
そのため、リングピローを赤ちゃんの枕にできる大きさのクッションタイプで選ぶと今後が楽しみなのではないでしょうか。

大切な人に受け継ぐ

祖母から母親へ、そして娘へといった代々受け継がれる古いものを花嫁が身に着けると、幸せになる「サムシングフォー」という西欧の伝承があります。
祖母・母・兄弟など身内が使ったリングピローを受け継ぐのが一般的でしたが、最近ではSNSやフリマアプリで卒花が「お譲り」として、プレ花嫁に譲り渡すケースも増えてきました。

リングピローとは?歴史・意味・結婚式とその後の使い方まとめ

結婚式の挙式で使うリングピローには、長い歴史の中で培われた、デザインや大きさに結婚を象徴する意味が込められています。リングピローが必要かいらないかは・カップルによって考え方は違いますが、現在では結婚式だけでなく、その後にもさまざまな使い方や活用アイデアがあります。古来から続く結婚式の伝統や意味を受け継いで、二人のためだけのリングピローを用意することは素敵なことではないでしょうか。

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