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「学生結婚」という響きに、なんとなく憧れめいたものを感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。確かに、人生の早い段階で伴侶を見つけられるのはとても素敵な事ですが、その一方で「早すぎるのでは?」という懸念の声があるのもまた事実です。
学生結婚をお考えでしたら、まずは大学生カップルが結婚することの意味やメリット・デメリットをよく知り、リスクを踏まえた上で踏み切る必要がありますよ。
目次
大学生のうちに結婚したい?恋愛事情を紹介
大学生での結婚が現実的かどうかは一旦置いておいて、学生のうちから結婚をしたいと考えている人は意外と多いようです。
内閣府機関の調査によると、現在の交際相手と「近いうちに結婚したい」「将来的に結婚したい」と考えている学生・無職の割合は、男性では46.8%、女性では58.1%ということでした。
アンケートの結果には学生だけでなく無職の方の意見も含まれているとはいえ、男女ともに約半数の方が現在の相手との結婚を考えているとのこと。
このように、早い段階で結婚願望を抱く人は多いため、それならばいっそ学生結婚でもいいのでは?と考える層がいても不思議ではないように思えますよね。
では、なぜ多くの方が早い段階での結婚を考えているのでしょうか。
結婚の意思決定に関する分析 ~「結婚の意思決定に関する意識調査」の個票を用いて~
学生結婚をしたいと思う理由
大学生同士で結婚をしたいと思う理由は、カップルによってさまざま。ここでは、その一部をご紹介していきます。
今の相手を手放したくない
今の相手とずっと一緒にいたい、手放したくないと考えた時、自然と「結婚」の二文字が頭をよぎるようです。この先社会人になり、共に過ごす時間が減ってしまうことや出会いの場が広がることを考えると、繋ぎとめておきたいという気持ちが生まれるのではないでしょうか。
婚期を焦らない・逃さずに済む
学生のうちに結婚してしまえば、この先婚期を焦ったり、逃してしまうことも無いと考える人も。確かに、誰かが結婚するたびに焦りを感じる心配がゼロだというのは、心理的な負担も大きく軽減されそうですよね。
早く子どもがほしい
早い段階で子どもが欲しいと思っているカップルも、学生結婚を検討する傾向が。結婚生活は学生のうちに楽しみ、出産は社会人になってからという考えもあるようですよ。
卒業後にいい人と出会うのが難しそう
大学は、同じような雰囲気や思考を持つ人間が比較的集まりやすい場です。これから社会に出て、自分と似た価値観の相手を探して、恋愛をして結婚まで……と考えると、なんだか気が遠くなってしまいますよね。
そう考えた結果、今以上の相手になんて出会えないのでは?と感じ、だったら学生結婚をしてしまおうかという結論に達する人も一定数いるようです。
人生を孤独に送りたくない
孤独死のニュースが後を立たない昨今、この先の人生をたった一人で生きていくのは耐えられない!という悩みが、より現実味を帯びるようになってきました。
人生を一人きりで送ることに恐怖を抱き、一刻も早く相手が欲しいと考えた結果、学生のうちに結婚してしまいたいという思いが生まれるとのこと。
大学生のうちに結婚するメリット
何かと問題もありそうな学生結婚ですが、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。まずはメリットからご紹介していきます。
人生設計を立てやすい
二人で生きていくことを早々に決めたことにより、この先の予定を立てやすくなります。余裕を持ったスケジュール組みができますので、何歳までに結婚して、このくらいの時期に家を建てて……といった計画も、焦らずおおらかな気持ちで練ることができそうです。
体力があるうちに出産・子育てができる
学生結婚からの妊娠・出産と考えると、大方20代前半でのイベントになると予想ができます。年齢が若いのでその分リスクも低くなる可能性が高く、産後の回復も比較的早くなるでしょう。
また、体力が必要になる子育てにも、肉体が若く健康なうちに臨むことができますよ。
相手との時間を長く共有できる
早い段階の結婚だと、それだけ相手といられる時間も長くなります。この人と一緒に生きていきたいと思える相手と、より多くの時間を過ごせるというのは、大きなメリットではないでしょうか。
大学生のうちに結婚するデメリット
では、大学生のカップルが結婚することにはどのようなデメリットがあるのでしょうか。
金銭的に余裕がないことが多い
定期的に安定した収入が得られる社会人とは異なり、大学生の大半は十分な稼ぎがありません。家賃、光熱費、食費、日用品費など、生活するためのお金を学校に通いながら工面するというのは、かなり骨が折れるのではないでしょうか。
また、親の理解を得られないまま結婚したとしたら、学費も自分で支払って行かなければなりません。いくら奨学金があるとはいえ賄い切れるとは断言できませんし、子どもが生まれればなおさらお金がかかりますよ。
学業との両立が困難
生活費を稼ぐために授業に出られなかったり、子育てのために休学を余儀なくされたりと、学生の本分である勉強がままならないという事態になってしまうことも。
これではわざわざ大学に入った意味が無くなってしまいますし、最悪退学をしなければならない……ということにも繋がりかねません。
就活に影響が出るかも
女性は特に実感する機会が多いようですが、学生のうちに結婚したということで、入社早々妊娠や出産で辞められてしまうのでは?という疑惑をぶつけられてしまうようです。
また、早い段階での結婚を「決断力がある」と捉える人もいる一方で、「短慮、浅はか」と感じる人がいるのもまた事実。前者のように好意的に受け止めてくれる面接官ばかりならいいのですが、そううまいこと行かないのが現実です。
就活はある程度難航するものだと思って臨んだ方が、心理的な負担も大きくなりすぎず済みそうです。
両親や周囲への説得が難航する可能性
社会人経験の無い大学生の結婚という事で、両親や周囲の人々から難色を示される可能性も。よっぽど理にかなった説明をしない限り、納得をしてもらえないかもしれません。
好奇の目で見られてしまうことも
学内同士の結婚の場合は特に、噂があっという間に駆け巡ることも考えられます。人の噂も七十五日とは言いますが、あまりいい気はしません。
大学生カップルが結婚に踏み切るときに気をつけること
大恋愛の末に学生結婚、という前例がまったく無いわけではありませんが、それなりの苦労が伴うのもまた事実です。では、大学生カップルが結婚に踏み切るとき、どのようなことに気をつければいいのでしょうか。
明確な目的と覚悟が必要なことを肝に銘じて
学生という不安定な立場で結婚を決めるのでしたら、筋の通った目的と相当な覚悟が必要だということをまず自覚する必要があります。
「ただ好きだから」というぼんやりとした理由ではなく、何のために結婚するのか、お互いの人生の責任を負う覚悟があるのかなど、その一つ一つに明確な答えを出せるようでなければ、学生結婚はおすすめできません。
本当に「今」すべき結婚なのかを考える
その結婚は学生のうちにしなければならないものなのか、社会人になってからでは、生活の基盤が整ってからでは遅い結婚なのかを、十分に検討する必要があります。
結婚したら基本的に家庭が優先だという認識を
20代前半と言えば、まだまだ遊び盛り、やりたいこと盛りでしょう。ですが、結婚してしまえば基本的に家庭が優先となります。
独身の友人が好きなことをしていても、自分はそれと同じように振舞うことができない可能性があることを覚悟しておきましょう。
何よりもお互いの親の理解を
繰り返すようですが、成人しているといっても大学生は不安定な立場です。学業をこなしながらでは安定した収入は得られませんし、何より学費の支払いがあります。
そんな状況で親の反対を振り切り結婚、となってしまっては、生活は困窮すること間違いなしでしょう。親と壊滅的に関係が悪い場合は難しいかもしれませんが、そうでなければまずお互いの両親の理解を得ることが最優先事項です。
生半可な気持ちなら大学生で結婚はしない方がいい
当人同士だけでなく、お互いの家も巻き込んでするのが結婚です。大学生のうちに結婚しなければならない特別な事情と、相当な覚悟がない限り、学生結婚はおすすめできません。
もしどうしても学生結婚でなければならないのでしたら、親とよくよく相談する必要があると言えるでしょう。