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婚前契約とは、結婚を控えたカップルが交わす約束事のことで、資産の区分や結婚生活上のルールなど、結婚生活に関するさまざまな決めごとを定めることを指します。
日本ではまだ馴染みのない文化ですが、アメリカなどの国では婚前契約を結ぶカップルも少なくないのだとか。
国際結婚をする際に相手から婚前契約を求められることもあるそうなので、どのような契約を交わすことになるのか、事前に知っておきましょう。
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婚前契約書(プレナップ)は主にアメリカで慣習化している
婚前契約書(プレナップ)の作成は、主にアメリカで慣習化している制度です。結婚生活における取り決めなども含まれるそうですが、メインは財産に関連する契約なのだとか。
元は高額な資産を所有する人が結婚をする際に交わしていた契約でしたが、現在では一般にも広く認知されているようですよ。
結婚前に離婚のことを考えなければいけないことに抵抗を感じる、という意見もあるようですが、婚前契約を結んでおけばお二人が納得できる形で資産を引き受けることができます。
例えば、婚前契約を交わさずに離婚した場合、多くのケースでは夫婦の財産は50%ずつ振り分けられます。
ですが、各々が所有している資産に大きな格差があったり、何らかの理由で共有財産を折半することに支障を感じる夫婦もいるのだそう。
そんな時に婚前契約があれば、夫婦間で大きなトラブルを起こすことなく、スムーズに離婚に向けての話し合いを進めることができるでしょう。
別れ際の揉め事、特にお金に関するトラブルは、両者に多大なストレスをもたらします。仮に離婚するとなった時、相手へのリスペクトを失わないまますっきりと別れるために、婚前契約はかなり有効ですよ。
日本で婚前契約を交わすことはできる?
日本で婚前契約を交わすことは、不可能ではありません。ですが、まだまだ浸透していない文化ということもあり、お相手の同意が得られないことも間々あるそう。
もし婚前契約を交わしたいと思ったら、どのような意図の契約なのか、契約を交わすことによってどんなメリットやデメリットがあるのかなど、基本的な質問に答えられるよう準備しておきましょう。
国際結婚の場合に婚前契約書の作成を求められることも
国際結婚、とりわけ婚前契約が盛んな国で生まれ育った相手と結婚する際は、婚前契約書の作成を求められることもあります。なので、いざ提案された場合に慌ててしまうことのないよう、心構えをしておきましょう。
婚前契約書を作ることが決まったら、どちらの法律を適用して契約書を作成するか、十分に相談する必要があります。
カップルによって判断基準は異なりますが、メインの居住地の法律を使うとトラブルになりにくいので、迷った際はぜひご参考にしてみてください。
婚前契約を結んでおけば離婚の手続きがスムーズになる
婚前契約を結んでおけば、離婚をする際に手続きで手間取ってしまうことがありません。縁起でもないと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、備えあれば憂いなしというもの。
もし離婚しなかったら「必要なかったね」と笑って済ませばいいですし、いざ離婚するとなった時も、あまり揉めずにすっきり別れられると想定できます。
お互いにとって婚前契約をすることがプラスだと思えるのならば、契約を交わしてみてもいいのではないでしょうか。