【会費制結婚式のスピーチ】テーマが伝わる例文とお礼のポイント

会費制結婚式のスピーチ©Fusionstudio – shutterstock.com

会費制結婚式では比較的カジュアルでアットホームなパーティが多いため、どのようなスピーチをどのタイミングで行うか、誰にスピーチをお願いするか、スピーチをお願いした方へのお礼やお車代で迷ってしまうことが多いようです。会費制結婚式のスピーチで迷ってしまうポイントと、新郎の謝辞を例文にまとめました。

会費制結婚式でスピーチをする人とタイミング

会費制結婚式で行われるスピーチ一覧

会費制結婚式のプログラム内で行われるスピーチの一覧です。通常の結婚式とほぼ同じ構成ですが、会費制結婚式の雰囲気やゲストの顔ぶれによっては、省略されたりカジュアルな内容になったりします。

スピーチの種類 スピーチする人 スピーチの内容
開宴の挨拶 新郎(新婦と二人で行う場合も) 挙式報告とゲストへのお礼
新郎新婦紹介 司会またはゲストや新郎新婦本人 新郎新婦の経歴紹介
主賓挨拶 招待ゲスト代表。通常の結婚式では新郎新婦の招待客の中で社会的地位が高い人(会社の上司など)が一般的だが、カジュアルな会費制結婚式では友人が行ったり、乾杯の挨拶と兼ねるケースも多い。 ゲスト代表として新郎新婦への祝辞
乾杯の挨拶 新郎の上司・先輩・友人 新郎新婦への祝辞と乾杯の発声
ゲストのスピーチ 新郎新婦の親しい友人や同僚 会費制結婚式では事前にお願いナシでイベントとしてサプライズ指名するケースも。新郎新婦への祝辞や思い出エピソード
花嫁の手紙 新婦 両親はじめ家族・義両親への感謝の手紙朗読
父親謝辞 新郎の父親(または新婦の父親) 両家族を代表してお礼の挨拶。パーティによってはない場合もある。
新郎謝辞・閉会の挨拶 新郎(新婦と二人で行う場合も) ゲストへのパーティ列席への感謝と閉会の挨拶

ウエルカムスピーチ・謝辞

一般的な結婚式では新郎が1人で行うウエルカムスピーチや謝辞を、新郎新婦二人で行うケースが増えており、会費制結婚式では特に多いようです。
新郎新婦二人で行う場合は、内容がかぶらないよう、それぞれがゲストへのお礼と配慮を分担する必要があります。

新郎新婦二人で行うスピーチについてはこちらから
花嫁だってスピーチする!新婦の結婚式スピーチタイミングと例文

主賓挨拶はゲストの顔ぶれによっては乾杯の挨拶と兼ねる場合も

会費制結婚式は一般的な結婚式に比べカジュアルなケースが多く、ゲストの顔ぶれも友人中心の構成という二次会寄りのラフなパーティが多く見られます。
そういった場合は主賓は先輩や友人によるゲスト代表の挨拶といったアットホームなスタイルになることも。主賓と乾杯の挨拶をそのまま一緒に行うこともあります。

会費制結婚式のスピーチを上手に話す準備とポイント

会費制結婚式のスピーチ準備©NicoElNino – shutterstock.com

話す長さ

ウエルカムスピーチ、乾杯の挨拶

目安時間・・・1~2分
文字数・・・200~400字

パーティやプログラムの冒頭になる挨拶。この後もスピーチや食事が続くため、ゲストが飽きないように、簡潔に感謝を伝えるよう短くまとめることがポイントです。

主賓挨拶、ゲストによるスピーチ

目安時間・・・3~5分
文字数・・・600~800字

自己紹介、新郎新婦との思い出エピソードの内容が入ります。スピーチでゲストがじっくり飽きずに聞いてもらえる長さが約5分といいますので、その長さでおさめるよう工夫しましょう。短すぎても味気なく感じられてしまうので、3~5分を目安にして内容を組み立てましょう。

謝辞

目安時間・・・2~3分
文字数・・・400~600字

パーティの締めの挨拶です。結婚式を終える直前で、お酒の入ったゲストの集中力が切れかける頃。夜のパーティなら帰りの時間を気にかけるゲストもいます。ここは簡潔さが重要で、長くて3分以内にとどめておくのがベストです。

スピーチで気を付ける言葉

忌み言葉

お祝いの席では、「切れる」、「割れる」、「別れる」など、マイナスなイメージを連想させる言葉を「忌(い)み言葉」と呼び、その場にふさわしくない表現として、スピーチでは使わないのがマナーです。

呼び捨てやラフすぎる表現

友人など親密な関係性だからとスピーチ内で呼び捨てにするのは、結婚式のような席では好ましくない表現です。また、「ぶっちゃけ」「マジ」など日常ではよく使われる言葉は、こういった場ではあまり心地よくは受け取ってもらえません。このような表現はついポロっと使ってしまうことがあるので、注意しましょう。

スピーチの準備と話し方

基本的にカンペはひかえる

スピーチはできるだけカンペなしで行うのが好印象です。緊張して言葉に詰まってしまう不安もありますので、用意しておくのはかまいません。長いエピソードがある場合はポイントをさっと見て話せるようにするなど、できるだけ上を向いて話せるよう工夫を。

緊張と焦りによる早口に注意

大勢の人が見守る場は、どうしても緊張で早口になってしまいがち。焦っていることがゲストに伝わってしまう上に聞き取りづらくなるので、事前にスピーチを通しどのぐらいのテンポで話すか、声に出して最適な声のトーンとスピードを練習しましょう。

スピーチする相手を見る

新郎新婦ならゲスト側全体を、主賓や友人なら新郎新婦とゲスト側を、内容に合わせ相手をちんと見て話すことが大切です。カンペをしっかり見てしまうと伏し目がちでただ読んでいるだけの印象になってしまうので、要所要所で相手をまっすぐに見て、コンタクトをとることを心がけましょう。

会費制結婚式の新郎ウエルカムスピーチの内容と例文

会費制結婚式ではテーマがあるパーティスタイルが多く見られるため、新郎(および新婦)が行うスピーチは、ゲストへの感謝と結婚式のテーマがしっかり伝わるように工夫しましょう。

ウエルカムスピーチの内容三部構成

ウエルカムスピーチは次のような三部構成で内容をまとめることができます。

冒頭のあいさつ

スピーチのつかみです。忙しい中時間を割いてきてくださったゲストに対してのお礼と配慮を簡潔にまとめましょう。

本題、挙式の報告やエピソード

事前に挙式を行っている場合は挙式の報告を行います。また、入れると効果的なエピソード例として、

《パーティのテーマ》
料理とお酒に力を入れている・自由に楽しんでほしい・音楽を楽しんでほしいなど。
《ゲストの構成紹介》
自分たちをよく知る人だけお呼びしている、二人の共通の趣味のサークルや学生時代の友人が多い、など。
《近況報告》
新郎新婦の近況や報告・結婚式準備・挙式、入籍時のエピソードなど。

などの内容をさりげなく盛り込むと、二人がイメージするパーティの雰囲気が伝わりやすくなります。

結びの言葉

改めて、今日は楽しんでいってほしいこと、そのために準備をしてきたこと、今日集まっていただいたすべての人への感謝などを重ねて述べることで、結びの言葉とします。

ウエルカムスピーチ例文1

挙式を事前の別日に終えている「お披露目会」ケース

【冒頭】
本日はお忙しいなか私たちの結婚パーティに集まっていただき、本当にありがとうございます。あいにくの雨の中、このように多くの縁ある方々に集まっていただくことができ、感激しております。
【本題】
私たちは〇月〇日都内の〇〇神社において、両家親族立会のもと結婚式を執り行い、張れて夫婦となることができました。今日はいつも親しくお付き合いしてくださっている皆様に、お礼と感謝の気持ちを伝えたいと、ささやかながら披露パーティを開くことにいたしました。私たち二人で選んだ幾つかのお酒の用意もございますので、後ほどごゆっくりお楽しみください。
【結び】
限られた時間となりますが、皆様どうぞごゆっくりおくつろぎくださいませ。
(294文字)

ウエルカムスピーチ例文2

カジュアルな1.5次会ウエディング(挙式は宴内人前式)のケース

【冒頭】
本日はおいそがしい中、私たちのためにお時間を割いて一同にお集まりいただき、本当にありがとうございます。遠いなかはるばる駆けつけてくださった皆様、改めてお礼申し上げます。
【本題】
先ほど皆様に見守られ、誓いの言葉を立てさせていただきました。皆様からの温かい承認の拍手に、晴れて夫婦となった喜びと同時に責任を感じ、身が引き締まる思いです。妻〇〇は今日の式ために、今皆様がつけていらっしゃるロゼットを1つ1つ夜なべして手作りしておりました。その姿を見て私も、皆様と温かい時間を過ごせるよう、今日の準備を一緒にすすめて参りました。
【結び】
短い時間のなかで配慮が行き届かない点もあるかとは思いますが、どうぞ皆様、楽しく過ごしていただけたら幸いです。
(312文字)

会費制結婚式の新郎の謝辞の内容と例文

謝辞の内容三部構成

結婚式のしめくくりの挨拶となる謝辞も、ウエルカムスピーチ同様に内容を伝わりやすい三部構成にまとめて、ゲストにお礼の気持ちを率直に伝えましょう。

冒頭のあいさつ

ゲストへ今日のパーティでの感謝とお礼を簡潔に伝えます。

本題、報告やエピソード

結婚式という今日1日を振り返り、感じたことやこれからの抱負、協力してくれた方々への感謝の言葉を盛り込みます。エピソード例として

《結婚式での感想》
祝辞の内容で嬉しかったや感動したことなど、今日の感想を盛り込むとゲストへの思いが伝わりやすいです。
《今回お世話になった方々への感謝》
スピーチや余興を引き受けてくれた方へのお礼や特にお世話になった会場スタッフへのお礼。
《今後の誓いや抱負》
今後の結婚生活に向けての抱負や決意など。

以上の内容を盛り込むと、結婚式を通しての新郎新婦の成長や今後の明るい未来が、ゲストにもより具体的に伝わりやすくなります。

結びの言葉

今後も変わらない末永いお付き合いのお願いやゲストの幸せや健康を願うなど、感謝の言葉とともにオーソドックスな結びのことばで締めくくります。

新郎の謝辞の例文

【冒頭】
本日はご多用の中、私たち二人のためにお集まりいただき、本当にありがとうございました。皆さまから温かく嬉しいお言葉をたくさん頂戴しましたこと、あらためて感謝を申し上げます。
【本題】
今日主賓を快く引き受けてくださった〇〇様の激励の言葉や、遠路はるばる駆けつけてくれた友人△△くんからの祝福、妻〇子の同級生の方々の心のこもったコーラス、そのほかにも皆様から数えきれないほどのお祝いの言葉をいただき、感動の気持ちでいっぱいです。一生大切にしたい思い出になりました。新たな門出に、皆様から力強く背中を押していただいたこと、深く感謝いたします。
【結び】
〇〇とお互いに支え合い、思いやりと共に人生を一歩づつ歩んでいきたいと思います。未熟なふたりではございますが、今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いします。そして皆様と末永いお付き合いをお願いできればと思います。本日は誠にありがとうございました。
(385文字)

会費制結婚式でスピーチをしてくれた方へのお礼

結婚式と違ってゲストに金銭的負担をかけない会費制結婚式では、スピーチをお願いしたゲストへのお礼の相場は一般的な結婚式より控え目で、おおよそ次項目のような目安になります。ただ、スピーチを頼むほど仲が親密なゲストは、会費以外でご祝儀を包んでくださるケースも多いのです。そういった場合は、スピーチのお礼以外に、包んでいただいたご祝儀の1/3~半額程度の内祝い(ギフト)を、お礼とは別にお返ししましょう。

主賓・乾杯の挨拶

一般的な結婚式では主賓の方へのお礼は10000円とお車代として送迎のハイヤー代往復分の金額が目安ですが、会費制結婚式では5000円~10000円の範囲内で、新郎新婦の判断で決められるようです。現金を包むのではなく、相当分のギフトをお返しする、という考え方もあります。

友人ゲスト

パーティの最中に友人代表として、事前にスピーチをお願いした方々へのお礼は、3000~5000円が一般的な結婚式での目安です。会費制結婚式では1000~3000円程度のギフトをお渡しすることが多いようです。

会費制結婚式のスピーチ例文とお礼のまとめ

会費制結婚式はカジュアルなパーティが多いですが、スピーチの内容やタイミングはさほど変わりません。会費制結婚式ではテーマがあるパーティスタイルが多く見られるため、新郎新婦が行うスピーチは、ゲストへの感謝と結婚式のテーマがしっかり伝わるように工夫しましょう。スピーチを頼んだ方へのお礼は、会費制の主旨から一般的な結婚式のお礼より低めの相場ですが、感謝の気持ちが伝わるよう、できる限りの配慮が必要です。