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ここ数年30代の結婚と結婚式の事情は大きく様変わりしています。30代で結婚式を挙げる人の率は確実に増加傾向。ゲストでの参加経験を生かし、テーマ性とオリジナリティが強い魅力的な結婚式を挙げ、トレンドをけん引しているのです。結婚式を挙げる意味もしない理由も、20代以上に強い30代結婚事情をまとめました。
目次
30代の結婚式は現在まったく痛くなく恥ずかしくない
30代で結婚する人の率は確実に増えているのに、いまだ根強くWEBの検索で上位にあがってくる「30代・結婚式・痛い・恥ずかしい」の文字に踊らされてはいませんか。マイナスな理由ばかりが注目されがちなネット記事がありますが、よく見ると3~5年前に書かれた情報ということも多いのです。結婚式の初婚平均年齢はここ5年以上高止まりを続けており、現在の結婚式のトレンドをけん引しているのは、明らかに30代です。
初婚の平均年齢はここ数年高止まりしている
厚生労働省人口動態調査(2018年6月発表)によると、現在日本の初婚年齢の平均は男性(夫)31.1歳、女性(妻)29.4歳でした。
さらに、東京都の初婚平均年齢は男性32.3歳・女性30.4歳と、女性の初婚年齢が30代を超え全国で一番高い結果となりました。
実は例年の調査で結婚平均年齢は、2014年から高止まりのまま横ばいが続いています。その前はというと、13年前の1995年の平均を見ると男性が27.3歳・女性が23.2歳でした。女性の平均年齢が急速に上昇し、かつ男性と差がなくなってきていることがわかります。
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厚生労働省人口動態調査(2018年6月発表)
結婚式を挙げる30代の率は高い
現在、結婚式をしないことを選択した「ナシ婚」率は、“挙げた人:しなかった人”の割合が半々ほどで、急速な結婚式離れが進んでいると言われています。
しかし大手結婚式場が一般の方々に行った2016年の市場調査でナシ婚カップルの年齢の内訳を見てみると、結婚式またはそれに関連するイベントをまったく何もしなかったカップルの割合は20代が40%と高く、一方で30代は約60%が結婚式で挙式・披露宴共に挙げており、何もしなかった人の率は26%でした。
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アニヴェルセル株式会社「アニヴェルセル総研」
ナシ婚を選んだ人の理由とは
【ナシ婚の理由TOP4】
・経済的な理由・・・21.8%
・セレモニー的な行為が嫌・・・19.6%
・おめでた婚・・・19.0%
・結婚式以外のことでお金を使いたい・・・8.2%
全体でナシ婚を選ぶ大きな原因が経済的な理由がトップなことを見てみると、就職して数年が経過し、経済的基盤が固まっている30代のほうが現在の結婚式は挙げやすい、検討しやすい現状がうかがえます。また、経済的に結婚式の費用より次のライフステージについて考えなければならないおめでた婚の率も、20代前半のおめでた婚率が約40%であるのに対して、30代のおめでた婚率は10%以下。結婚を決める際の二人のおかれている状況が、結婚式を検討する上で、比較的前向きに検討しやすいのが30代であると言えるでしょう。
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みんなのウェディング「ナシ婚」に関する調査2018
結婚式をあげる=経済的基盤と社会的な安定感
この結果からも、30代の結婚式が「痛い」「恥ずかしい」と言われていたのは、完全に一昔前の古い話といえるのが現状です。
30代で結婚して結婚式をあげる明確な理由
30代カップルが挙げる結婚式は、結婚式をあげるテーマと意味が非常に明確です。
社会的に成熟した年齢に差し掛かり、フォーマルな結婚式に何度も招待され立ち会ってきたからこそ、「結婚式をする意味」を考え、それをゲストに分かりやすく伝えるパーティを計画するカップルが多い傾向です。
今までお世話になった人たちに感謝の気持ちを伝えたい
ここ数年で結婚式のトレンドと流れを大きく変えている考え方です。「ゲストからお祝いしてもらう」結婚式ではなくゲストに感謝を伝える結婚式にしたい、という意味合いが強い結婚式が増加しています。2016年頃からトレンドの結婚式の演出で「ゲスト参加型」「ゲストとのふれあい」を重視したイベントがふえており、30代が結婚式の流れをけん引しているとも言えます。また、ご祝儀を頂くことに代わってゲストに金銭的負担をかけたくない配慮から「会費制結婚式」が首都圏を中心に増加しつつあります。
世間体
形式的なものを合理的に見直しつつ、世間体を気にするのが30代です。自分のパートナーを大切に思うからこそ、お互いの関係者全員に「パートナーを正式にお披露目をする」ことに大きな意味があることを理解しています。SNSで簡単に結婚を報告できる時代だからこそ、親しい関係者に直接パートナーを紹介することの価値は相対的に上がっています。
親孝行
今まで自分を一生懸命育ててくれた両親に人生の門出の姿を見せることで親孝行したい…という理由も非常に大きいです。結婚式を海外やリゾート地で行うことで両親に感謝の旅行をプレゼントしたり、花嫁の手紙や記念品贈呈などのイベントを組み込むことで感謝の気持ちを素直に伝える場にできます。結婚式のような場でないと、なかなか素直な気持ちを面と向かって伝えられない…という意見はとても多いようです。
人生のけじめ
男性側に非常に多い、結婚式の意味を「人生のけじめ」とみる考え方は、これからは自分1人ではなく2人で生きていくという決意の表れです。けじめとは区別の意味で、今までの人生とは違ったステージになることへの、強い気持ちが感じられます。結婚式をして、今までのつながりのある方々を一同に招待し、縁を確かめ合うことで、自分達が今まで歩んできた道とこれから歩む道を再確認することができます。
30代で結婚しても結婚式をしない理由
30代で結婚式をしない理由として、次のような理由が挙げられます。
【結婚式をしない理由】
・儀式的なものに魅力を感じない
・結婚式にお金をかけたくない
・恥ずかしい
結婚式をすることにも大切な意味がありますが、30代で結婚式をしないことにも大きな理由と考え方があります。30代で結婚式をしない選択をした人は、金銭的な理由より、結婚式という儀式に価値を見出せない、結婚式自体が恥ずかしいから、無理にお金をかけたくないという理由が大きいようです。
特に30代という年齢は経済的基盤が安定することによって、出産・育児・教育・住宅購入・介護といった次のライフステージのイベント、それに伴うお金の見通しが確実にはっきりしつつある年ごろです。結婚式にかける費用より、確実に近い未来の二人と家族のためのライフイベントである出産・育児・教育・住宅購入・介護のために使う費用に回したいと考える堅実なカップルが多いのもうなずけます。
30代にはさまざまな結婚式の選択肢がある
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結婚式を「ゲストや両親に感謝を伝える場」ととらえる30代カップル向けに、今までの定番の結婚式では対応できなかったパーティや挙式のスタイルを、ニーズに合わせて選択できるようなサービスが充実してきました。また、結婚式のスタイル自体が変わりつつあります。
会費制かご祝儀か選べる
ご祝儀をいただき、フォーマルで手厚いもてなしをする結婚式を選ぶカップルが多いのですが、北海道や一部地域のみだった会費制結婚式が首都圏を中心に人気になりつつあります。会費制にするとこでゲストに金銭的負担をかけないため、派手なことはしたくないカップルが格式にとらわれることなく、自由にラフなスタイルを選んで結婚式を計画することが可能です。
挙式・披露宴・二次会の見直し
結婚式の意味を見直した上で、挙式・披露宴・二次会の中から自分の気持ちに合ったスタイルのパーティのみを選択するカップルが増えています。けじめとして身内と挙式と食事会だけにしたり、二次会まで行うと長くかかるパーティスタイルを見直して披露宴と二次会を兼ねた1.5次会というスタイルを選ぶことも可能です。
衣装は王道かカジュアルか選択できる
王道のタキシード&ウエディングドレスという選択肢以外に、現在ではリアルクローズに近いモードなドレスとジャケパンスタイルといった衣装の選択肢や、ゲストとの距離感をグッと縮めてスーツ&ワンピースなど、カジュアルなスタイルまでさまざまです。もはや新郎新婦の衣装に昔の派手なだけのイメージはありません。自分のスタイルに合った衣装を選択できますし、結婚式会場も衣装持ち込みに関しては、かなりおおらかになっている傾向です。
派手な演出は必要ない
結婚式で行う派手なセレモニーの数々のイメージで「恥ずかしい」ととらえてしまう人が多いのですが、30代で結婚式を行うカップルの多くは、余興やゲームや派手なイベントはプログラムに組み込まない傾向が強いです。新郎新婦とゲストも同じ30代。結婚式に出席しなれているため、お祝いの席の盛り上げ方やお祝いムードの高め方を知っています。派手なイベントなどなくても歓談中心のスタイルで十分場が持つケースがほとんど。また、同窓会のノリでパーティでの歓談を楽しみにしているゲストが多いのです。
30代の結婚式をあげる意味としない理由のまとめ
初婚の平均年齢がほぼ30才に近い現在では、30代で結婚式を挙げることはむしろ一般的です。しない理由として、現在の日本では結婚式以上に次のライフイベントにかかる費用が重要であることや、結婚式自体に意味を見出せないことが大きいといえます。
結婚式を挙げない20代が増えている中で、むしろ30代は結婚式を重要な意味があると考えているカップルが多い傾向と言えます。そんな30代の気持ちやニーズに合わせた結婚スタイルの選択肢が増え、結婚式のパーティ内で、二人の考えたテーマを明確に打ち出せるプランが計画できます。
結婚式をあげる・しないで少しでも迷いがあるなら、気になる会場やウエディングプランナー・結婚相談カウンターに、まずは相談してみませんか。