覚えておきたい結婚式や二次会での「黒」の服装マナーとルール

結婚式や二次会での黒のマナー©Dmity Trush – shutterstock.com

結婚式の服装で黒という色は、季節を問わずに着用ができ、フォーマルの場で間違いのない色のため、お呼ばれの際に選ぶ人がとても多い反面、お葬式を連想させるカラーという側面を持っています。お祝い事の席で服装に黒を取り入れる際は、黒を華やかに魅せる配慮とテクニック、マナーに沿った着こなしが大切です。

結婚式・二次会での黒のマナーと取り入れ方

結婚式二次会での黒の取り入れ方©Anastasiia Kryzhanska – shutterstock.com

喪服のような黒はNG

結婚式はお祝い事なので、お祝いの気持ちを服装で表現します。正反対の喪を連想させるようなコーディネートやアイテムは、マナーとして新郎新婦や周囲に対し失礼にあたるということ覚えておきましょう。

お葬式や喪服を連想させるような素材やデティールはNG

黒でも特に気を付けたいのが喪服に使われるマッドな素材や、シンプルすぎるデザインの服装です。同じ礼服でも葬式用の喪服は慎みを表現するために、華やかさをできるだけ抑えた素材・デティールになっていて、結婚式用の華やかな礼服とは大きく違っています。

全身黒のコーディネートはNG

「通年使えるから」「落ち着いて派手に見えないから」「どんな場でも使えるから」と、服装から靴・小物まですべて黒、または申し訳程度に一部だけカラーを取り入れるようなお呼ばれコーディネートが一時期多く見受けられました。最近ではそれを避けたいと考える新郎新婦が多く、ドレスコードに「黒以外で」と指定を入れるケースが増えています。メインのドレスやスーツで取り入れるなら、それ以外の羽織りやバッグはカラーのものに、靴やバッグを黒にするなら服装はカラーのものにするなど、一目見て華やかになる工夫がわかるよう配慮のある着こなしを意識してください。

黒が全てダメなわけではない

黒はシーズン選ばず選ぶことができ、ファッション性を取り入れ上手に着こなせばスタイリッシュで華やかなコーディネートも可能です。着こなしでは次のことに注意しましょう。

素材やディテールが華やかで上品なものを選ぶ

同じ黒でもパーティのために作られた女性のドレス、男性のスーツ素材は、光沢感がある華やいだものを使っています。特に女性はパーティの華となる存在。光沢感やエアリー感のある、パーティ向きの素材で作ったものを選びましょう。また、黒はシンプルなカラーの分、フリル・リボン・レース・細身のシルエットなど、ちょっとしたディテールが目立ちます。お祝いの気持ちが伝わるパーティらしい華やかなデザイン選びを。

友人ゲスト同士で真っ黒にならない配慮を

黒は選びやすい色なので、招待ゲストがほぼ全員黒を着用していた…という結婚式は多く見られます。また、グループ同士で写真を撮った時など全員が黒のグループになってしまうと気不味いものです。何も配慮しなければ、そうなってしまうのは否めません。
友人同士連れだって結婚式や二次会に招待されていることが多いため、友人同士で何を着て行くか、色の打ち合わせをするというのも大切です。事前に着て行くものを簡単に確認し、黒が多くかぶるようなら、誰かが配慮することができます。

会場とパーティスタイルに合わせた着こなしの検討を

現在では結婚式・二次会ともに、選ばれる会場のタイプやパーティスタイルが新郎新婦のテーマに沿って多様化しています。パーティの服装はカジュアルな流れにあり、女性だけでなく男性サイドも全身をフォーマルな黒を選ぶ人が少なくなっています。楽しいパーティの内容を理解して、服装をできるだけ新郎新婦の意向に沿って考えることが大切です。

結婚式・二次会での女性の黒の服装マナー

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黒のドレス・ワンピース・パンツスタイル・スーツ

OKです。
服の素材とデザインに注意し、できるだけ華やかなものを選んでください。黒のパンツスタイルやスーツは、ドレスに比べ、女性らしい華やかさに欠けるため、靴・バッグ・アクセサリーでカラフルさや華やぎを意識して取り入れましょう。

ドレス・ワンピース

冠婚葬祭使える、といったものではなく、きちんとパーティシーン用に作られたドレスを選ぶことをおすすめします。実はシーズンで生地の厚みや素材も変わり、同じ黒でも風合いや見え方、雰囲気が大きく変わります。シンプルな黒だからこそ、シーズンに合わせたものを選ぶ意識がおしゃれにつながります。

パンツスタイル・スーツ

ドレスに比べると華やかさに欠けると言われているため、小物選びやヘアメイクは特に意識してカラーを取り入れましょう。

黒の靴・ハイヒール

OKです。
カラードレスに合わせやすく、マナー的には何の問題もありません。ですが冠婚葬祭使えるマッドなパンプスは、パーティ用としては地味でドレスとテイストがあっていないことが多い印象です。素材はエナメルやサテンクロス・デザインはビジュー付きやバックリボンのデザインなど、パーティらしいものを意識して選びましょう。

黒のバッグ

OKです。
ただし、デティール・素材・大きさに気を付けてください。シンプルなクロス素材のハンドバッグはお葬式のバッグを連想するため、あまり好まれません。ビジューやスパンコール・パールなどがついた、パーティらしいと一目でわかる華やかなデザインのバッグがおすすめです。
また、大きさに注意を。黒はカラーとしては引き締め色ですが重たく見えるため、ドレスアップのスタイルに大きめのものはバランス悪く映ります。小ぶりの華奢な大きさを選びましょう。

黒のネックレス・コサージュや小物

OKです。
カラードレスなどに合わせてコントラストを楽しみましょう。ただし、ブラックパールを選ぶ際は注意が必要です。一連のものはお葬式を連想しやすいため、2連・3連のものか、ロングネックレスにするなど喪中の使い方とは明確に違う差別化を。

黒の羽織り

OKです。
黒のフォーマル用のコンパクトなジャケットやボレロは使いやすいですし、行きかえり用の羽織りとしても重宝します。ただ、ストールやロングカーディガンのように身体を覆う面積が大きい羽織りは要注意です。ドレスアップしたスタイリングには、素材をエアリーなものにするなど工夫しないと、非常に重たく見えます。

黒のストッキング・タイツ

NGです。
お葬式やお通夜では基本マナーの黒ストッキング・黒タイツ。結婚式や二次会での着用はやめましょう。冬場に寒いから、足が細く見えるからと黒タイツを履くのもNGです。
例外で上品な細かい網目の網タイツはOKですが、黒が強調されるようなキツい柄はフォーマルなパーティでは上品さに欠けて見られますので、注意して選びましょう。

黒のふくさ

基本的にはNGです。
黒を含む寒色系のふくさはお葬式や通夜での香典を包む用・暖色系が結婚式のご祝儀などお祝いを包む色です。中間で紫はどちらにもつかっていいことになっています。
最近では、結婚式用に黒のビジューやパールが付いたふくさが出ていたり、黒レースつきのふくさは冠婚葬祭使えるといった商品もありますが、他の人がぱっと見て分かりやすいデザートになっていないと、マナーを知らいないと取られてしまうことがありますので注意して選んでください。

黒のネイル

基本的にはNGです。
黒のネイルはスタイリッシュですが、基本お祝いごとなのでNGです。どうしても選びたい場合はカラードレスに合わせたり、ラインストーンで華やかにしたり、一部使いにするなど工夫が必要です。

結婚式・二次会での男性の黒の服装マナー


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ブラックスーツ

OKです。
男性のフォーマル用ブラックスーツはフォーマルな服装の中でも格が高いスタイルです。自分の体形にしっかりあったものを選びましょう。ちなみに、葬式に着て行く礼装のブラックスーツと同じですし着用はかまいません。華やかな席である結婚式用に着用するブラックスーツは細身で華のあるスタイリッシュなもの、葬式用のものは限りなくトラッドでマッドなもの、と使い分けをしている男性も多いようです。

黒のベスト・ジレ

色合わせによってOKです。
グレーやネイビーのダークスーツに黒のベストを合わせるのはいいのですが、ブラックスーツに黒のベストを合わせると真っ黒になってしまうため、お祝いの席は避けるのがマナーです。ブラッククスーツにはグレーなど、華やかさな印象に見えるカラーのチョイスを。

黒の靴

OKです。
男性が結婚式で着用する靴は、黒のひも付きのストレートチップかオープントゥがベストとされています。

黒のバッグ

OKです。
ただし、黒で大きすぎるものやビジネスバッグはパーティシーンにそぐわないためマナー違反とされていますし、スポーティすぎるのもやめておきましょう。フォーマルなおしゃれを意識したクラッチバッグやミニダレスバッグがおすすめです。

黒の靴下

OKです。
ブラックスーツ・ダークスーツに合わせるのには黒がおすすめです。逆に白の靴下はマナー違反になります。

黒のネクタイ

基本的にはNGです。
一般的にはお葬式を連想させるためNGとされてきました。ですが、現在では欧米のおしゃれな結婚式での服装やコーディネートの影響が強くなり、二次会やカジュアルな結婚式では黒のネクタイの着用が増えつつあります。目上の方や年配の方が多いフォーマルな披露宴ではおすすめできませんが、カジュアルなパーティであればスタイリッシュに黒のネクタイを決めるのもあり、という傾向です。

黒のシャツ

NGです。
黒のシャツを使ったスーツorジャケットコーデはデイリーシーンではおしゃれですが、フォーマルな場には適していません。カジュアルな結婚式でも選ばれることが少ないため、スッキリと糊が効いた白いシャツの着用を。

黒のふくさ

NGです。
女性の時と同様、黒や寒色系のふくさはお葬式や通夜の香典を包むものです。男性だからと黒や寒色系を選ぶのはマナー違反。暖色系のふくさを使用してください。

結婚式と二次会の黒の服装マナーと取り入れ方まとめ

結婚式や二次会のハレの場では、服装や小物への黒の使い方に注意が必要な場合があります。黒はフォーマルウェアとして間違いありませんが、着こなしや選び方によっては、他の人から見てお祝いの席にそぐわない雰囲気になっていることもあるのです。結婚式や二次会の服装は、お祝いの気持ちを表現するものとして特に重視され、他のゲストも見ている部分です。黒の色合いがもつ、アイテムごとの意味合いに注意して、黒を効果的に、スタイリッシュに着こなしましょう。

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