茶婚式とは?特徴・費用・流れなどを紹介

茶を点てる人© iStock.com/sot

最近、結婚式のスタイルとして人気が高まる和婚ですが、そんな和婚ブームの中、今回は日本古来の奥ゆかしい茶道の精神にのっとった「茶婚式」に注目しました。茶婚式の魅力や、気になる式の流れ、会場選びや費用まで紹介します。茶道を取り入れた、話題の茶婚式を見ていきましょう。

茶婚式とは?

茶道の考えや精神にのっとって行われる結婚式のこと。皆さん、茶道の精神と呼ばれる代表的な二つの精神をご存じでしょうか。茶道の精神とは、「和敬清寂」=和らいだ心でお互い接し、敬うこと。「一期一会」=その場は二度と訪れないこと・互いに誠意を尽くす心がまえのことを指します。茶婚式では、そういった茶道の精神や作法にのっとり執り行われる、新しい形の結婚式です。

神前式や人前式との違い

神前式は、さまざまな儀式を通じて結婚を誓い合います。人前式は、宗教によらず行われる式です。茶婚式の流れのなかには、神前式で行われる「夫婦固めの儀」などの儀式部分も取り入れられていますが、宗教にとらわれたスタイルでもありません。茶道の精神や作法にのっとって進められる「茶婚式」は、どちらの要素も兼ねそろえた式と言えます。

茶婚式の魅力

茶婚式の魅力は、宗教にとらわれないスタイルでありながら、茶道の精神や作法を取り入れているため、厳かな雰囲気で行うことができることです。また、神前式でも行われる儀式「夫婦固めの儀」などで、家族や親族との絆を感じることができます。茶婚式の魅力を見ていきましょう。

茶道の精神にのっとった厳かな雰囲気

茶道の精神にのっとった茶婚式は、神前式ほどの宗教を感じさせる式ではありませんが、日本伝統を感じさせる厳かな雰囲気の中で執り行うことができます。宗教にとらわれず、茶道の精神や作法にのっとって進められ茶婚式は、格式を感じることもできます。

一体感が生まれる温かな空間と、式の流れ

茶道の精神や作法を取り入れた茶婚式は、厳粛で趣があります。そういった中でも、茶人が点てた濃茶を参列者で味わい、お茶菓子をいただくことで和やかな一体感を生みます。小さな空間で執り行われる式は、両家の距離もぐっと近づくことでしょう。

両家の繋がりを感じさせる儀式

茶婚式には、「夫婦固めの儀」と「親族固めの儀」を行います。「夫婦固めの儀」は、新郎新婦が、茶人が点てた濃茶を飲み交わし、夫婦の契りを誓う儀式。家族間を繋げるという意味を持つ「親族固めの儀」は、両家の親や親族、友人たちが同じ濃茶とお茶菓子をいただきます。どちらも両家の繋がりや人との絆を感じられる儀式となっていますよね。

茶道ならではの日本文化に触れられる

日常の中で茶道に触れ、茶道の経験がある方はどれほどいるのでしょうか。普段は触れる機会が少ない日本古来の伝統で行えることも、魅力の1つと言えるでしょう。式の進行はシンプルですが、茶道ならではの作法の元進められる茶婚式は、日本古来の文化に触れて行える結婚式の新しいスタイルと言えるでしょう。

茶婚式の流れ

茶婚式は、一体どのような流れで進められるのでしょうか。お茶会の慣わしと一緒で、茶人=「お手前をしてもらう人」を迎えて進めていきます。茶室の広さによって変わりますが、多くの場合親族のみで行われることが多いようです。神前式や人前式と大きく違うのは、茶を点てる茶人を迎えること。では、茶婚式の基本的な流れを見てまいりましょう。

1.参列者・新郎新婦着座

両家の親族、お茶を点てる茶人、式を進行する司会者、友人など参列者全員が順に入場し着座します。続いて新郎新婦が着座します。

 
 
 
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2.濃茶手前(こいちゃてまえ)

茶道において「濃茶を点てること」。次の夫婦固めの儀において、新郎新婦が飲み交わすお茶を茶人が点てます。

※濃茶は茶道の主役とされており、茶道において濃茶は1つの茶碗を回し飲みされるもの。

 

 
 
 
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3.夫婦固めの儀

茶人が点てた濃茶を、新郎新婦が飲み交わします。神前式などで行われる、夫婦が永遠の契りを誓うために盃を交わす、三献の儀(三々九度)と同じです。1つの器で交互に飲むことは、固い絆を結び一生苦楽を共にするという意味が込められています。

4.誓詞奏上(せいしそうじょう)

新郎新婦が誓いの言葉を読み上げ、誓いを立てます。

5.親族固めの儀

両家の親族、友人など参列者全員で濃茶とお茶菓子をいただきます。結婚は夫婦の繋がりだけではなく、両家が結ばれることでもあります。両家が1つの家族として絆が生まれる儀式とされています。

6.指輪交換

新郎新婦がそれぞれ指輪を交換します。

7.新郎新婦 両家両親一礼・退席

参列者に一礼し、退席。以上で終わりとなります。神前式と似た進行ですが、よりシンプルな流れとなっています。

茶婚式、かかる費用と行える場所

茶道を取り入れたスタイルの茶婚式。茶人を迎えることや、茶室を借りることで費用もかかるのでは……?と思われる方もいるのではないでしょうか。ここでは気になる費用と、茶婚式を行える場所を紹介します。

茶婚式の費用相場

場所や会場の規模により変わりますが、茶婚式の挙式料は、会場使用料・挙式進行料・介添え料含め約15~20万円ほどと言われています。通常の結婚式会場とは違い、着物の着付けやレンタル、ヘアセット等は含まれていないことがほとんどなので、その点に気を付けて予算を考えると良いでしょう。

行える場所

基本的には茶室で行われ、身内だけの少人数で行うことが多いようです。そのため、茶室で行われることが一般的ですが、茶室がありお手前ができる場所であれば、挙げることができるようです。また、最近では和婚が注目されていることで、ホテルや料亭でも対応するところが増えてきました。しかし、どの会場でも執り行えるわけではないので、近くの会場で対応しているか調べてみてくださいね。

奥ゆかしい茶道の精神で、絆を感じる茶婚式を

茶道 濃茶© iStock.com/Tetsuya-Irisawa

茶婚式は、茶道の精神にのっとり行われるため、しっかりと和の格式を感じとれる式として注目されています。茶人を迎えて進められますので、茶道の経験がなくても安心して式に臨むことができます。日本伝統の茶道の精神や作法を通して、家族の結びつきや絆を感じることができる、新しい結婚式のスタイル「茶婚式」を取り入れてみませんか?