【全文掲載】花嫁の手紙の実例から感動の内容の秘訣を知りたい

花嫁の手紙の実例©pyrozhenka – shutterstock.com

花嫁の手紙を書きだす際、誰に向けどんな内容で書いたらいいか、迷う花嫁さんは多いのではないでしょうか。両親に向け呼びかけから始めるか、手紙の最初にゲストへの断りを入れるべきか、結びで義両親に何かメッセージを入れるべきか。とても頼りになる30代卒花さんたちの全文を掲載し、例文としてポイントで解説します。

結婚式で読む花嫁の手紙に入れたい内容と手紙の長さ

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花嫁の手紙を書く前に、誰に向けて手紙を書くのかをはっきり決めて手紙を書くことがおすすめです。
卒花さんの多くは「両親」「兄弟姉妹」「夫の両親」「ゲスト」「夫になる人」に向けて手紙を書いているのですが、
 
・誰に対して
・花嫁の手紙のどの部分で
・どれぐらいの長さ・ボリュームで触れるのか
 
によって、聞き手が受ける手紙の印象が変わってきます。

感動する花嫁の手紙で押さえるべきポイントはここ!書き方の悩みを解決
みんなの実例が知りたい!花嫁の手紙・全文を例文にポイント解説

花嫁の手紙の相手を絞って書く

手紙の相手を両親、兄弟、一緒に暮らした相手までに絞って書く方法です。特に両親に絞って書くと、限られた長さと文字数の中で
 
・思い出のエピソード
・感謝の思い
 
などを、深く掘り下げて書くことができます。

夫の両親やゲストにも花嫁の手紙の中で触れる

手紙の「書き出し」、または締めの「結び」で、ゲストや夫の義両親に触れると、周囲に対して配慮している印象になります。ただ、範囲を広げすぎたり重点を置くと、全体的に長く儀礼的な印象になってしまうこともあるので、バランスを見て言葉をつなぎましょう。

ゲストへの断り

結婚式という場で、私的な手紙を読む時間をいただくことについて、一言断りを入れると、マナーに配慮している好印象を与えます。

夫の両親へのメッセージ

結婚を機に家族になる夫側の義両親に向けて触れたり、何か挨拶やよろしくお願いしますという言葉を入れると、相手の家族への心遣いと思いやりが伝わります。

未来への決意や抱負を入れる

結婚することで、新たな気持ちで人生を歩んでゆくための決意や抱負の言葉が最後にあると、社会的にも成熟した娘の姿を両親に見せることで安心させることができます。また、未来につながる清々しい言葉は、聞いているゲストの気持ちも明るくさせてくれます。

文例1:全文を父母に宛て素直な気持ちをつづった手紙

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友達のような母と亡くなった父二人だけに向けた感動の手紙

前置きや結びはなく、純粋に二人だけに溢れる感謝の気持ちを、自分らしい言葉で素直に伝える感動の手紙です。
両親ごとに向けた二部構成ですか、母・父に充てた前半・後半を見てみると、それぞれ【書き出し】【エピソード】【結び】の三部構成がしっかり分かれています。特にエピソード部分の聞かせどころがはっきりしていて、1000文字近いボリューム(読んでいる長さは約5分程度)を感じさせません。後半の亡くなった父へのエピソードと花嫁の思いは、聞く人の胸を打ちます。

ゆうこさん イベント会社勤務 31歳
 
【前半】
おかあさんへ
小さな頃、大好きな絵本を読んで、お母さんに
「ゆうこにも白馬に乗った王子様が迎えに来てくれるの?」って聞いたら
「ゆうこの王子さまは車に乗って来るんじゃない?」って、言われたのを今でも憶えています。
子供ながらに『どうして馬じゃないの?』って思ったけれど、今では確かに車で来たかも…と、妙に納得しました。
 
小さい頃は、手作りのお菓子やケーキを焼いてくれたり、お洋服を作ってくれたり、愛情いっぱいに育ててくれてありがとう。いろいろ話を聞いてくれてありがとう。
おしゃべりな私の話を聞くのは大変だったんじゃないかと思います。それに、いつも我儘ばかりで困らせてたよね。迷惑もたくさんかけて、勝手な娘でごめんね。
 
こんな私も今日、結婚しました。結婚しても家は遠くないし、行き来が出来たらいいです。
大人になってからお母さんと話をするのは、友達と話をしているみたいで楽しかったです。
これからも、そんな風にいろいろ話が出来たらいいなって思っています。
今まで育ててくれて、本当にありがとう。
身体に気を付けてこれからも元気でいてね。
 
【後半】
天国のお父さんへ
お父さんは、怒るとすぐに大きな声を出すし、頭ごなしに怒ったりするイメージがあって、ちょっと苦手だと思うことがありました。心配してくれたり、娘の扱いに戸惑っていたのかなって、今では思います。
でも、本当は優しい人だということはわかっていました。
 
病気が判かって、お医者様から本当のことを告知されても、ほんのわずかな可能性を信じて、前向きに病気に立ち向かう姿は忘れられません。お父さんの前向きな姿に、前向きな姿勢に私たち家族はとても救われました。
末期ガンだったから、痛かったと思うし、辛かったよね。そして、不安だったんじゃないかと思います。それなのに、泣き言ひとつ言わずに亡くなるその時までずっと前向きだったお父さんは、私の尊敬する人です。
 
お父さんが亡くなって11月で8年が経ちました。生きている間に、もっと親孝行ができればよかったけれど、何もできなくてごめんね。
お父さん、ゆうこも今日結婚しました。今日、この日をお祝いに来てくれていると信じて、お父さんの席も用意していただきました。きっと来てくれているよね。
お父さん今までありがとう。
 
2人の娘に生まれてとても幸せでした。本当にありがとうございました。 ゆうこ
(965文字)
 
《卒花本人のポイント解説》
ポイントは感謝の気持ちです。
父親は他界していたので、母だけでなく父宛にも手紙を書こうとは思っていました。
「できるだけ凝縮して書くこと」と、何かしらのエピソードを加えて「思い出してもらえるよう」に意識しました。
もっとこうすればよかった…と思っているのは、「今までありがとう」の両親への手紙と思って書いたので、自分の父母宛だけになってしまったことです。相手のお母さん宛にもなにかメッセージとかすればよかったなと後から思いました。

文例2:両親から学んだことを海外で生かす強い決意の手紙

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両親に安心してもらいたいための決意を本題に

両親のエピソードを生かした展開で、両親に育ててもらったことを生かして外国生活への抱負を語る「未来への決意」を本題にもってくる、異色の構成になっています。
これから日本と距離がある外国で暮らすことに対して、両親が不安にならないように、「両親から学んだことを生かしていきたい」という力強くも清々しい希望に満ちた姿を見せ安心させる、あたたかい思いやりが感じられます。
また最後の結びでは、ゲストへの配慮と義両親へさりげない心遣いも忘れていません。成熟した大人として、知性があふれる花嫁の手紙の文例です。

淳子さん 新聞社勤務 35歳
 
【書き出し・呼びかけ】
お父さんお母さん
35年間、どんな時も味方でいてくれて、信じてくれて、溢れるほどの愛情で育ててくれて、本当にありがとうございました。
安心して帰れる家があるって、どんなに幸せで心強いことか、感謝でいっぱいです。でも、その優しさに甘えて沢山心配かけてごめんね。
 
【エピソード】
お父さん、毎朝1番に出社、本当に尊敬しています。私に病気の疑いがあった時、驚くほどの確信で絶対大丈夫だと励ましてくれてありがとう。忙しくてどんなに家に居なくても、誰より深い愛情を感じていたから、小さい時から今でも変わらず、ずっとパパが大好きです。
お母さん、私が父親を尊敬できるのは、まさに一家和楽を築き、家庭を守ってくれたお母さんのお陰です。いつも笑顔で優しく包み込んでくれて、ありがとう。理想の母親です。
 
【展開・未来への決意】
小さい時から、こんなに恵まれた環境に産まれてきた意味は何だろう?人生を何に使えばいいのか?と考えてきました。そして、Sさんと出会い、これからフランス語を身に付け、アフリカや貧困について学び、社会の役に立つ人間に成長して参ります。Sさんと共に、自身の成長が恩返しと決め、力を付けていきます!
私は2人の娘に生まれてきて、本当に幸せです。ちゃんとした価値観を身に付けさせてもらい、本当に感謝しています。これからは、少しゆっくりして体に気を付けてね。いつでもワイン贈ります。
 
【結び・義両親とゲストへ】
そして、聡さんのお父さんお母さんこれからお世話になりますが、宜しくお願い致します。
今日、参加してくださった皆様、本当にありがとうございます。
感謝と決意にかえて。 淳子
(645文字)
 
《卒花本人のポイント解説》
感謝で始まり決意で終わる手紙です。
両親への一言は、ゲストの皆さんの前で話すので、二人に喜んでもらえる言葉を選ぶようにしました。特に両親には、結婚後の異国の地での生活を安心してもらえるように、これからの自分の人生の目標を入れました。
年齢的にもみっともなく泣かないことを心がけ、最後の締めは「決意のこもった声でしっかり読むこと」「簡潔にすること」に特に注意しました。

「花嫁の手紙」全文の文例と書き方の内容・長さのまとめ

花嫁の手紙の内容は、誰に向けて書いたのか、どの人にどこまで触れるのかによって、聞いている人の印象が変わります。また、手紙の長さも変わってくるため、エピソードを深く掘り下げたい場合や、両親以外の多くの人にメッセージを送る場合は、手紙のどの部分で伝えるか整理しましょう。伝えたい相手にまっすぐな心が伝わることで、聞いている人に自然な感動を生み出す内容になるはずです。

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