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お見合いをする際に必要な「釣書」。実際にどんなものか、また、どのような書き方をするのか、知らない方が多いのではないでしょうか。釣書はお相手の家族も目を通すものなので、マナーを知って準備する必要があります。釣書について、具体的な書き方など詳しくご紹介します。
目次
釣書とは?
「釣書」はお見合いがあった際に、相手と互いに渡し合う書面のことです。「つりがき」「つりしょ」と読みます。
自分のプロフィールを書いた自己紹介書で、イメージは就職のときに書く履歴書のようなものになります。
一般的に、釣書は関西圏の言葉、関東圏では身上書と呼ばれているものです。
釣書に書かれているプロフィールやイメージ次第で、お見合いの展開に影響する場合もあるのでマナーを知って準備をしましょう。
釣書に書く内容とは?
釣書はどのような内容が必要になるのでしょうか。基本的な内容と書き方を見ていきましょう。
氏名・生年月日・身長
【氏 名】
氏名は略字を避け、正確な文字で丁寧に書くとよいでしょう。読み方が難しい漢字であれば、相手が読みやすいように、ふりがなを打っておくと親切です。
【生年月日】
特に年齢を書く必要はありませんが、西暦と和暦をつけて、正確に書くようにしましょう。
【身 長】
身長は必ず記載する項目となっています。体重は必ずしも必要ではありません。
本籍地・現住所
【本籍地】
本籍地は必ずしも記載するとは限らず、略することもあります。
【現住所】
氏名・生年月日のあとに記すのが「現住所」。マンションやアパートの住まいであれば、建物の名称や部屋番号まで略さず、正確な記載を心がけましょう。地名が読みにくい場合も、ふりがなを忘れずに書きます。
学歴・職歴・勤務先
【学 歴】
中学卒業以降の学校名を書きます。予備校や留年などの経歴は書かなくても問題ありません。ただし、中途退学をしているときは、あとで知られるよりも正直に書いていた方がよいですね。退学の理由も「新しい目標を見つけた」など、前向きな事情や内容の書き方にしておきます。
【職 歴】
学生時代のアルバイトではなく、最終学歴以降の勤務を書きます。転職の回数が多い場合、相手の家族によい受け取られ方をしないので、現在の仕事のみでよいでしょう。勤務先は「会社名・部署名」などの情報を書きます。
資格・趣味・特技
【資 格】
運転免許証など持っている資格を記します。たくさん資格があるときは、3~5つに絞り国家資格の順に記載するとよいでしょう。
【趣味・特技】
相手との相性を量ることができ、自分のアピールをするポイントになります。特に書き方の決まりはないですが、学生の頃にしていたスポーツを記したり、音楽のジャンルなど具体的に書いておくとよいでしょう。そこから共通の話題へと発展させることができそうですね。
その他のアピールポイント
その他に相手に伝えておきたいことは、最後に記載しましょう。お互いが事前に知っておくことに大切なことは、宗教や既往症などがあります。
また、結婚生活に自分が希望したいことを記しておくことも良いでしょう。
- 親との同居について
- 子供を希望するかどうか
- 勤務上起きる転勤の有無 など
このほかに、結婚後の経済面に関係してくる住宅や車のローン、奨学金の借入などがあるときは、正直に記しておきましょう。
釣書のマナーと注意点
釣書は、相手のご家族の目にも触れる大切な身上書です。機械的に印字されたものや、市販の履歴書に記入されたものでは、会う前からイメージダウンしてしまいますよね。
釣書の基本的なマナーと、注意したい点に気を付けて正しい釣書を作成しましょう。
縦書きで、手書きが基本
釣書は、縦書きで手書きが基本とされています。ボールペンやシャーペンは避け、筆ペンや万年筆で略字など使用せずに手書きをしましょう。
うまく書ける自信がない方は、代筆を請け負う業者にお願いする方法や、PCで作成したものを提出する場合もあるようです。
しかし、字を書くことに自信がなくても、丁寧に書くことが大切です。その方が、相手に対しての誠実さも伝わりますよね。
用紙とサイズ
用紙は、正式には上質な和紙とされていますが、上質紙や便箋でもかまいません。A4・B4・B5程度のサイズの用紙を用意しましょう。
折り方と封筒
釣書の折り方は、最初に読む部分が上になるように三つ折りにします。封筒には「釣書」または「身上書」と書き入れます。
封筒は中に入れる用紙に合わせて、上質なものを選びます。白無地の郵便番号枠がないものを使い、封筒にはのりやテープを貼らず、開いた状態で渡します。
同封する写真
通常お見合いの釣書には、写真を同封します。お見合い写真は男女ともにフォーマルなスタイルで撮影してください。
このほかにスナップ写真も同封します。スナップ写真は、普段の自分をさりげなく伝えられるものにします。
普段とはいえ、友人と撮ったものや、異性が写りこんでいる写真は避けましょう。一人あるいは家族といっしょに撮ったもので、人となりが伝わる印象の写真がよいでしょう。
家族書や親族書とは?いっしょに用意するもの?
本人の身上書とは別に、家族や親族の身上を記した書類を用意する場合もあります。それぞれの内容と書き方を見ていきましょう。
書く内容は簡単でよいので用意する
家族書はお見合い前に交わす釣書(身上書)とは違い、結納時に交わすことの多い書面です。内容は家族や親族の名前、続柄を書いておきます。
家族の紹介を兼ねて、お互いの家族が話したり、質問したりするきっかけにできます。家族書を交わすのは当然と考える親世代もいるので、用意しておきましょう。
家族書に書く項目
年長から順番に書きます。
- 本人との続柄
- 二親等以内(父・母・祖父・祖母・兄弟・姉妹・兄弟姉妹の配偶者)
それぞれの名前 - 本人の名前
ここより下の項目は、必ずしも書くことが決められているわけではないので、事前に仲人さんや世話人の方、親族間で確認しましょう。
- 生年月日
- 最終学歴
- 勤務先
親族書に書く項目
父方と母方に分けて、父方から書きます。
- 本人との続柄
- 三親等以内(伯父、伯母、叔父、叔母、おい、めいなど)
それぞれの名前 - それぞれの世帯で現在住んでいる住所
こちらも、生年月日等は簡略化されることが多く、どの程度まで記すのか事前に親戚等で話し合いましょう。
最近では、二親等までにこだわらず「同居している家族を家族書」に書くことが多いようです。ただし、別居して暮らしている未婚の兄弟・姉妹は親族書に記しましょう。
※本人または配偶者から見て
一親等:父母、子
二親等:祖父母、孫、兄弟姉妹
三親等:曾祖父母、曾孫、おじ・おば、おい・めい
親を経るごとに、一親等ふえると考えましょう。
恋愛結婚にも釣書は必要?
結婚はお二人が夫婦になることのほかにも、全く他人同士だった家と家が結びつくためのものになります。そのため、相手の情報をしっかり知っておきたいと考える方もいらっしゃるでしょう。
親戚にいろいろと聞かれた場合でも、釣書などで情報が分かっていれば答えやすいものです。また、地域によって釣書を交わすことが当然のこともあり、風習によっても変わってきます。準備をするかどうか、両親に相談して準備をしましょう。
釣書の正しい書き方を知って、相手によい印象を持ってもらおう
釣書はお見合いがあった際に、相手と互いに渡し合う書面のことです。自分のプロフィールを書いた自己紹介書になるので、釣書に書かれている内容次第で、お見合いの展開も変わるかもしれません。
書き方をきちんと理解して、自分の紹介をしましょう。相手が安心できるように、正しい書き方を知って準備をしてくださいね。字を書くことに自信がなくても、丁寧に書くことが大切です。その方が、相手に対しての誠実さも伝わりますよね。