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※本記事は2020年4月3日時点の情報をもとに書かれています。
全世界で感染の拡大が続いている新型コロナウイルス。
2020年の夏に開催予定だったオリンピック・パラリンピックは延期が発表され、他の大型イベントなども自粛が相次いでいます。
その余波はブライダル業界にも広がり、新型コロナウイルスによって結婚式を自粛するカップルも増え続けています。
では、この時期に結婚式を予定していたすべてのカップルは、開催を諦めなければならないのでしょうか?
目次
新型コロナウイルスが蔓延している今、結婚式は自粛すべき?
テレビや新聞、インターネットやSNSなど、ここ最近報道されるニュースの主役はほとんど新型コロナウイルスについてです。
ライブ、舞台、スポーツ観戦、コンサート……。オリンピックのみならず、多くのイベントがやむなく中止に追い込まれ、在宅勤務が推奨されるようになって参りました。
「不要不急の外出を控える」ことを求められている今、果たして予定通りに結婚式を決行していいものかと悩んでしまいますよね。
どのような決断を下したとしても、その責任は新郎新婦に降りかかります。仮に自粛をしないと決めたなら、相応のリスクヘッジが求められるでしょう。
自分たちの気持ちも大切ですが、ゲストの安全が第一だということを忘れず、コロナの影響下で結婚式を挙げるべきか否かを、真剣に検討する必要があります。
新型コロナウイルス流行の現状から結婚式にリスクはある
新型コロナウイルスは感染拡大の一途をたどり、その勢いは留まるどころかむしろ増しているような感覚すらあります。
不安な日々が続きますが、ただ恐れているだけでは行動のしようがありません。まずは現状を正確に把握し、それからアクションに移ることを強く心がけるようにしましょう。
感染者は2020/4/2時点で2381例
2020年4月2日12時時点で、クルーズ船の感染者を含めない国内感染例は、2,381例に上っていると厚生労働省は発表しています。
他国の感染状況と比較すると、日本は比較的感染者が少ないようにも感じられますが、予断を許さない現状は変わりません。
大規模感染が認められた地域は現時点ではまだありませんが、新型コロナウイルスは潜伏期間が長いため、仮に大規模感染が起こっていたとしてもすぐには気づけないという特徴があります。
国内退院者が505名にまで増えているようですが、安心していい状況だとはとても言えないでしょう。
重症化リスクはインフルエンザよりも高い
季節型インフルエンザが重症化した際の入院日数は、中央値で3日間です。しかし、新型コロナウイルスに感染・重症化してしまうと、その日数は11日間に増加します。
特に高齢者の死亡率が高く、現在確認されている国内の死亡者60名のうち、50名が70代以上とされています。
「三密」により感染の確率が上がる
「三密」とは、
- 密閉空間(換気の悪い空間)
- 密集場所(多人数の密集)
- 密接場面(互いの手を伸ばしたら届く距離での会話や発生が行われる)
という環境を指します。
これまでの調査で、上記3つの条件が同時に重なる場で感染拡大のリスクが高まってしまうということが分かっています。
この状況下では、たとえ咳やくしゃみが出ていなくても、感染の可能性が大きくなるようです。
新型コロナウイルスに伴うキャンセルにブライダル保険は適用されない
不測の事態に備えて加入するのがブライダル保険ですが、新型コロナウイルス流行による結婚式の中止には保険適用されないという発表が、2020年3月26日にされています。
ウイルス感染による近親者の死亡や、感染が認められた新郎新婦に対し医師の外出自粛指示が出た場合のみ、保険が適用されます。
そのため、「保険に入っているから中止になっても大丈夫!」とお考えの方は十分に注意してくださいね。
以上のような状況を踏まえ、それでも結婚式の決行を決めたのなら、何よりも配慮が必要になる相手は参加予定のゲストです。
予断を許さない状況で行われる結婚式に、足を運んでくれようとしているゲストのためにも、安全対策を徹底する必要がありますよ。次からご紹介していきます。
新型コロナ流行中に結婚式を実施するなら:プランナー・式場へ相談
まず、担当のプランナーや式場に連絡を入れ、今後の見通しを大まかにでも立てるようにしましょう。
このご時世ですので、予定していたゲストの全員参加はまず不可能と思われます。
規模を縮小すべきか、キャンセルしたゲスト分の料金はどれくらいかかるのかなど、認識のすり合わせをしてから開催のために動くようにすると、スムーズに動くことができます。
新型コロナ流行中に結婚式を実施するなら:ゲストへの丁寧な参加確認
作業の見通しが立ったら、ゲストへ順次連絡を入れるようにします。ここで大切なのは、ゲストが参列を断りやすい雰囲気を作ること。
「予定通り執り行うから来てほしい」という伝え方ではなく、「決行しようと思うので、改めて参加の可否を確かめたい」という聞きかたで、少しでも無理を強いないように気をつけます。
もしお断りをされたとしても、この状況下では仕方のない事ですので、あまり気落ちしないように心構えをしておきましょう。
新型コロナ流行中に結婚式を実施するなら:最大限の感染防止策を
参加者の確認が取れたら、感染を発生させないために可能な限りの策を練ります。ゲストの安全安心を最優先し、会場の配置やプログラムを考えましょう。
「三密」を発生させない工夫
ゲスト同士の座席をできるだけ離したり、式場スタッフに定期的な換気をお願いしたりすることで、「三密」を作らないような工夫を凝らします。
また、新郎新婦やゲストが一カ所に集まるようなプログラムは、可能な限り削るようにします。
消毒の徹底
ゲストがこまめにアルコール消毒をできるような環境を整えたり、多くの人が触る場所を定期的に消毒してもらえるよう依頼して、消毒作業の徹底を目指します。
プログラムの短縮を検討
同じ場所にいる時間が長ければ長いほど、感染のリスクは上がります。
そのため、「これだけは絶対に外せない!」という演出だけをいくつか残し、その他を極力削ることで、結婚式の時間を短縮できるよう検討しましょう。
ご高齢の方・妊婦・小さなお子さんの招待は控える
重症化する可能性が高い高齢者や妊婦、そして小さなお子さんの招待は控えましょう。
万が一のことがあった時、その方のご家族はもちろんのこと、ご自分たちにとっても大きな後悔と苦悩を生むことになってしまいます。
コロナへの感染リスクから結婚式の中止か延期が無難
コロナへの感染リスクを踏まえ、結婚式開催への工夫をご紹介してきましたが、正直なところこの状況下では中止か延期が無難だと考えられます。
直前でのキャンセルであればあるほど、かかる料金も跳ね上がってしまうことでしょう。
何ヵ月も準備してきた結婚式を予定通りに挙げられないことは残念極まりない事ですが、生きてさえいられればいつか結婚式をすることはできます。
まずはご自分たちの、そしてゲストの身の安全を最優先に考える勇気が必要です。
延期に関しても、終息の目途が立っていない現状ではスケジュール組みが難航してしまうかもしれませんが、式場と十分な相談を重ねる根気と努力を忘れないことが大切ですよ。
新型コロナウイルスの拡大状況から結婚式実施の有無を判断しよう
結婚式とは、新郎新婦とゲストの笑顔と祝福に満ち溢れた空間で行われるべきではないでしょうか。
新型コロナウイルスへの感染に怯え、誰もが強張った表情で過ごす結婚式では、誰もかれもが幸せを感じることはできません。
新郎新婦とゲストの幸福が共鳴してこそ結婚式は成り立ちますが、現在の状況下ではそれを実現することはほぼ不可能だと感じられます。
とはいえ、感染の状況は刻一刻と変化を続けています。世間の雰囲気やゲストの気持ちを考え、最終的に結婚式を挙げるかを決める必要があると言えるでしょう。
新型コロナウイルス流行中の結婚式だからこそ、平時の何倍もの思慮深さと冷静さが求められるのではないでしょうか。
データ参照:新型コロナウイルス感染症について|厚生労働省